グレート・インフルエンザ

制作 : John M. Barry  平沢 正夫 
  • 共同通信社 (2005年3月発売)
3.50
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  • 本棚登録 :14
  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784764105508

作品紹介

1918年、突然の恐怖が人々を襲った。積み重なる死体、人通りの絶えた街、霊柩船と化した兵員輸送船、パニックに輪をかけた当局の対応-。世界中で最大推定1億人の生命を奪った史上最悪のインフルエンザの実態と、その謎を解き明かそうとした科学者たちの奮闘を描く。

グレート・インフルエンザの感想・レビュー・書評

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  • 1918~1920年に起きたインフルエンザの史上最悪のパンデミック(通称スペイン風邪)を、第二次世界大戦という社会的背景や、原因究明に必死に取り組む科学者たちの戦いから描きだした壮絶な記録。読み応えある539ページ。
    疫学的な知見がだんだんと明らかにされていくドラマを期待していたのだが、それよりもそれぞれの人物の心理ととった行動を追うことを重視しており、求めていたものは得られなかった。多くの人物が時系列を前後して入り乱れるので、なかなか流れを把握しずらかった。(原文のせいか訳文のせいかわからないが、一文一文はあまり意味をとりやすい文章ではなかった…。全体としては、門外漢にもわかりやすく、簡単に読み進められた。)

    このインフルエンザがここまで感染拡大した理由として、①第二次世界大戦のため兵士のキャンプ間・国間での移動がたくさんあった。②ウイルスの流入を阻止する水際の対策や、極度に高密度で劣悪な環境の改善がなされなかった。(感染者を乗せたままの船の入港、兵士をすし詰めにして運んだ列車など)
    このインフルエンザの特徴として、20代~40代の若者の死亡率が特に高かったことが挙げられる。これは、若者の免疫システムが新しいウイルスを駆逐しようとして過剰に反応し、自らの体を破壊してしまったためだと考えられる。

    戦時ムードの中、科学者たちの忠告を無視して自由国債パレードを強行してしまったがために最悪のエピデミックを引き起こしてしまったフィラデルフィアの大失敗や、病気の危険性を軽視し、真実を伝えず過剰に安全を訴えることでむしろ人々の恐怖を煽ったメディアなど、これから起こりうるパンデミックをひかえて、学ぶことはたくさんあると感じた。
    2014年現在、アフリカに端を発するエボラ出血熱の大流行が、パンデミックの様相を呈してきている。惨禍を繰り返さないためにも、過去から学びたい。

  •  「あと何週間か続いていたら,文明か消えかねなかった」というスペイン風邪の記録.7年かけて書いたというだけあって,すごい文章量です.動物から人間へのウィルスの感染が起きかねないことが発覚して終了という,中途半端なラストだったので不満でした.また科学者に焦点を当てているので,彼らの日常生活にあまり興味の無い私には苦痛でした.
     我が道を突き進んで失敗し,リベンジを狙ったのに感染病で死亡してしまったルイス氏の生き方は寂しいなと思いました.

  • (20090623途中休止)
    ・普通インフルエンザは主として老人や幼児をまず先に殺す。だが1918年のパンデミックの場合は支社のおよそ半数は20代30代の若い男女。P12
    ・インフルエンザの世界的流行はとどのつまり、新たな科学的知識をもたらしたとはいえ、その多くは医学の将来の課題をひたすら示した−ないしはこれから示そうとする−ものにすぎない。P16
    ・インフルエンザに罹患した人々は通例、感染後わずか7日間あるいは往々にしてそれよりも短い期間に限りウイルスを放出する。P25
    ・ウイルスは食べたり、エネルギーを獲得したりするために酸素を燃やしたりしない。代謝といえるようなどんなプロセスも携わらない。P30
    ・その起源がいかなるものであれ、ウイルスはたった1つの機能しかない。自己複製である。ウイルスはエネルギーを持っている細胞に侵入して、あたらも人形師のように外部から細胞を則り、ウイルスを無理やり細胞に作らせる。こう言う事を行わせる力がウイルスの遺伝子には備わっている。P31
    ・生物が高等になればなるほど、突然変異を防ぐためのメカニズムがたくさん存在する。人の突然変異速度は細菌に比べるとはるかに遅い。P40


    189ページまで。

  • いわゆる「スペイン風邪」に関する本です。(当時の「新型インフルエンザ」ですね)
    専門用語もバンバン出てきますが、読みやすくわかりやすかったです。
    子どもの頃(7歳くらいかな?)、白黒フィルムで「外国の街路で突然男性がバタリと倒れる(そして死亡)」という記録映像を観たことがあって、それがスペイン風邪の存在を知った最初でした。
    で、この記憶とほぼ同じ描写が本の中にも出てきて、改めて感染と発症の猛烈さに驚愕します。
    最後まで最善を尽くそうとあきらめなかった、当時の科学者と医師に敬意を。

    ※「史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック」を読みたいな〜。図書館にないよ(泣)アマゾンで取り寄せるか…。

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