エルムの鐘―満州キリスト教開拓村をかえりみて

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  • 〔暮しの手帖社〕
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766001099

感想・レビュー・書評

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  • フォトリーディング後、熟読。
    読了。資料的な意味では星五つ。でも読後感はとても重い。私は知りたくて読んだが、読む必要がない人にはお勧めできない読後感であると思った。

    満州の開拓移民政策は十何年も続いたそうだが、キリスト教開拓村の試みは終戦間際の4-5ねんで、第2陣などは終戦の年、1945年の春に行われたとの事。国策に載ってしまった日本キリスト教団(当時唯一の国策プロテスタント団体)による移民政策だが、キリストの国建国の理想に燃えた行いだった。しかし現実は日本人支配の植民地政策で、そのギャップに鬱になる人々もいたとの事。当時は屯墾病と呼ばれたが、単なる開拓の疲れと思われていたらしい。

    終戦をもって支配関係が逆転し、周辺の他の開拓村には暴徒が押し寄せ殺戮や武器による防戦などもあったらしい。基督教村には武器はなく、周辺住民との関係も良かったので、略奪にはあったが暴徒が押し寄せたわけではなかったとの事。

    満州は日本人の夢であったがその夢が敗戦によって消え、犠牲になったのは夢に乗った人々の中でも特に弱い女子供だった。

    日本までたどり着くのがどれだけ大変かを垣間見て、夢破れて悲惨な目に遭ったその落差も追体験させてもらった。非常に重い本であった。

    読後感が重いので決して読む事はお勧めできないが、資料的な価値はあると思う。そんな意味で星は四つどまりにした。

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