- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766001174
感想・レビュー・書評
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古き良き日本を、美しい文章により感じられた。「美しく生きてゆきたい」と締め括られる随筆を読んで、心が洗われた。
その一方で、筆者が可愛らしいところのある方だなと感じられたのは、「放心」という随筆だった。ロビーに座っている人の頭を、水蜜桃によく似ていると思い、おちょこちょいをしでかしてしまうところ。くすっと笑いを誘われた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明治の美意識を持っている女の人の随筆。でも「丁寧に暮らす」系ではなく、興味がないことは放りっぱなしな様子で趣味に走り過ぎていなくて気楽に読める。着物、食べ物、進駐軍の家族との交流についての話などなど。
本のあちこちでちらちらと出てくるご主人とのやりとりに愛があふれていてとても憧れる。たまさんのご主人の台詞が男前過ぎる。この人たちは一生恋人同士だったのだろう。 -
"長じゅばん"の中で、着物を着る真の楽しみは長襦袢にあり、美しいものを上よりも下に着る。そうした心の豊かさによって内面の美しさが磨かれていくと信じているとしたためながら、一方で、"着物への別辞"という矛盾するような考えも披露しています。
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1951年に刊行された森田たまの随筆集の復刻版。「ただ自分の体験した事、実在の人に会ってその人からきいた事以外には書く事のできない、まことに貧しい人間である」と本文中にあるが、この本には着物の事や住んでいる鎌倉山でのアメリカ人との出会いや別れ、戦争中に行った南方の美しい自然や色彩豊かな花々、美味しい食事、周りに集う人々等々が凛として描かれている。周辺に自ずと美しい物や人達が集まってくるようだ。森田たまの小説は『石狩乙女』しか未だ読んでいないが、随筆以外の小説作品をもっと読んでみたい。
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2010.07.26
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いとしい平生という日常を描いたエッセイ。レトロで浪漫で、でも特別ではないけど特別。
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一見、まったりと静かな本。
しかし、その実なかなか硬派なり。