考えの整頓

  • 暮しの手帖社 (2011年10月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (283ページ) / ISBN・EAN: 9784766001716

みんなの感想まとめ

日常の出来事を新たな視点で捉えるきっかけを与えてくれるエッセイ集です。著者の言葉は分かりやすく、心にスッと沁み込むような感覚があり、読者は思わず頷きながら日々の生活を再考することができます。整然とした...

感想・レビュー・書評

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  • 以前この本の続編を読んで
    面白かったのでこの本も読んでみた
    暮らしの手帖に連載されたエッセイを
    まとめた書籍
    佐藤さんの言葉は分かりやすく
    スッーと沁みてくる気がする
    そうだねー、うんうんと
    うなずきながら日々の出来事を
    もう一度考えてみるきっかけになっている
    時々納得して、時々笑って、
    あーまた明日頑張ろうかなと
    元気の源
    オロナミンCのような
    そんな文章!

  • ネタバレになりますが、面白かったものを2つ紹介。

    【1】ふるいの実験というエッセイ。

    条件を付けて読み進めることができる人をしぼっていく。

    ・40歳以上である。
    ・メガネorコンタクトをしている。
    ・女性である。…… (私はココで脱落)
    ・一男一女を育てた。
    ・入院して手術をしたことがある。
    ・今、家で犬とインコを飼っている。
    などなど。

    ほとんどの人が脱落しそうな条件が次から次へと出てくるが、佐藤雅彦さんの姉がこの条件に該当するのだとか。

    そこで、ふと思った。「これは、(一部の?)政治家や利権者が都合のいい人や法人を選定するのに使う手と同じじゃないか。」
    最初から選ばれる対象が決まっていて、そこに行きつくように後付けで条件をでっち上げる。


    【2】無意識の引き算というエッセイ。

    「次の引き算をサッとといてみてくだい」

     1-1 =
     4-1 =
     8-7 =
    15-12=

    サッとできますよね。
    「では次に、12から5までの間で、頭に浮かんだ数をひとつ選んでください」

    選びましたか?
    「その数は、*ではありませんか」
    私が選んだ数はまさに*だった。佐藤雅彦さんも*を選んでいた。
    80%くらいの人が*を思い浮かべるらしい。
    あなたも*でしたか?

    *の答えはレビューの最後 ↓↓













    無意識に12-5を計算しているらしいのだが、私には引き算をした意識はない。
    私は最初に8が浮かんだが、なぜかすぐに7に変えた。
    私の思考プロセスははこんな感じだった。
    まず、12と5は除外。2桁の11と10も除外。1桁の数字は9,8,7,6の4つ。ならば8か7。今回は7にしよう!

    多分、最初の引き算で15-12がイヤだったので2桁の数字は除外した。
    その上の8-7が頭に残っており、8か7が選ばれやすいように誘導されていた。
    なんとなく答えの数字(0,3,1,3)の足し算(答えは7)をしようとしていた。
    無意識に12-5も計算していたのだろうか???

    * は 7 です。

  • 『ピタゴラスイッチ』でお馴染みの佐藤雅彦さんが、日常で不可解に思っていることについて「文章を書く」ことで自分の考えを整頓されたもの27編。
    雑誌『暮しの手帖』で2007年1月から2011年5月まで連載されたもの。

    佐藤さんの頭の中は実に論理的。文章もスッキリしていて分かりやすいし、物事の見方もちょっとユニーク。
    あとがき『歩きながら考える』とあるように、不可解な事に対して、止まることなく常に周りをぐるぐる歩きながら理解していって自分なりの理論を生み出していく感じが面白かった。
    「面白い」とは本当のことが分かって目の前が開けて明るくなるという語源を持つ、という。
    『ピタゴラスイッチ』の中で生まれる面白い発想の数々も、こうやって形付けられているのだいうことが分かった。だから子供から大人まで幅広く楽しめるのだろう。

    ●私も仕事や子供のことで頭の中がぐじゃぐじゃになった時、整理するために箇条書きにしたり簡単な図にしたりする。煮詰まった時、一度冷静になって問題から少し距離を置くとより良い案が生まれることも。佐藤さんのようにユニークな発想が加えられるといいのだけれど…凡人にはなかなか難しい。

    ●佐藤さんも言っておられたけれど、私も寝起きに閃くことが多い。前日の夜、なかなか考えがまとまらなかったことも翌日の朝、洗顔したりハミガキをしている時にふっと答えが見つかったりする。やっぱり夜はさっさと寝て翌朝に備える方がいい。

    ●事件を解決するのに、指紋ならぬ「耳紋」が重要だなんて初耳。確かに耳って無防備かも…気を付けなくては。

    ●「差」について色々書かれてあった。なるほど日常において何かと何かの「差」は重要な要素となる。色々な数値も絶対的な数値よりも相対的な数値で見られて、それで他者と比較してしまって病むこともある。佐藤さんのように「差」を良い方向(マイナスを逆にプラスにする人間の余地←この発想がまたいい)にとらえられるといいのだけれど。

  • 非常に整理された文章でとても読みやすかった。
    こういう丁寧な文章が書ける人の思考回路をのぞいて見たい。

    ただ、小学生の頃に大しけの日に沖で船釣りしてエンドレス嘔吐マシーンになった苦い経験をした自分から言わせると、「胃が地球に対して上下しなければ船酔いしない」という素敵な閃きが浮かぶ時点で、そこまで船酔いしていないと思う。

    ・一切の思考が停止し、釣竿が身体の一部と化す。
    ・アタリや食い込みが手に取るように分かるので、寸分の狂いなく合わせられる。
    ・ただリールを巻く気力は無いので父親にあとは任せる。

    これが船酔い。

  • 第2集を先に読んでしまったのですが、佐藤雅彦さんが「暮しの手帖」に連載したエッセイです。「日常という混沌の渦の中に 見え隠れしている不可解さ」を「整頓してみよう」という楽しい文章が並びます。
    最後の「その時」は、東日本大震災の当日のご体験に、幕末に伊豆(佐藤さんの故郷)を襲った安政の東海大地震のエピソードを重ねた、胸を揺さぶる一文です。

  • 佐藤雅彦さんの本はやっぱ好きだ。考えることが楽しくなる。まずは押し付けがましく無いところがなんといっても彼の本の魅力。さりげなく、日々の生活の中で、違う角度で物事を考えてみるのも良いな、と自然と思える。
    抑揚も好きだ。
    本著は、雑誌「暮らしの手帖」の連載をまとめたもので、「日常に見え隠れている不可解なことの整頓」がテーマ。
    発想がホントに面白い!気付く視点もやっぱ面白くて。
    「敵か味方か」も納得出来たし、「おまわりさん10人に聞きました」の地図の隠し場所案件ケート、「ハプニング大歓迎」、「ふるいの実験」も何度も読みたくなる魅力を感じた。
    「一敗は三人になりました」の情報の伝え方の妙も、好感が持てた。

    珍しく本は購入。佐藤雅彦さんの本は図書館じゃなくて毎回ちゃんと買って読んでる。
    側に置いておきたい、バイブルにしたくなるような魅力がどの本も凝縮されている気がします。またしばらくしたら買います。全冊揃えてコーナー作りたいな。

  • こういうモノの見方ができるアタマの柔らかさと、常識にとらわれない感性を持っていたいなあ、と強く思います。

  • 何気ない日常から何か(仕組み)を発見したり、考えることを楽しんでいたり、そのうえ、文章と言語化が上手なエッセイ、好きだなぁ。
    こういうタイプのエッセイが私は好きなのだと気づきました。

  • ピタゴラスイッチの企画者、佐藤雅彦さんがどのように日常を見つめているのかを言語化した1冊。物事に切り込む角度に驚かされつつも、私のツボにははまらなかった。

  • 最初は、期待していたほどの面白さではないと思っていたけれど、読み進めると、すぽっ とはまる 瞬間がある。     大
      いたずら  っぽいのが   である。
                  好き
                   

  • 現代人は忙しい、といいます。本当に忙しい人もいるけど、"考えてる暇はない"ほど、そうなんでしょうか?
    著者の佐藤さんだって忙しいはずですが、彼は考えています。考える楽しさを教えてくれます。
    文体は、"硬派"な学術的な感じと"軟派"な(?)エンタメ的な感じがあって変化に富んでいます。くすり、と微笑みながら読めるところもある。「シラク・ド・ウチョテ」のような童話みたいなものもあります。
    また、佐藤さんのバックグラウンドに故郷の伊豆半島があることも分かります。最終篇に、東日本大震災に遭われた時の事が書かれていますが、その時思い出されたのが故郷の歴史だったのが、佐藤さん自身、巡り合わせみたいなものを感じたのでしょうか。

  • 天才。学ぶことが面白いということをこれ以上上手く伝えられる人を他に知らない。文章までセンスが良くて惚れ惚れする。ピタゴラスイッチのようなちゃんと仕組みのある文章の構成が大好きです。

  • ピタゴラスイッチでおなじみの佐藤雅彦氏の「暮らしの手帖」掲載の連載を単行本化した一冊。

    氏の書く文章はいつも新鮮な視点を与えてくれるだけに期待して手に取りました。ただ個人的には普段感じている氏の文章の魅力がちょっと薄れているように思う部分がありました。連載している雑誌のターゲットとなる読者層によるものか、自分自身が十分感じ取れていないだけなのか…。

  • 考えたことを自分なりに整頓して、そこからルールを見つけたり、新しい気付きを得たりする楽しさを、読みながら体感できた。自分の周りにも、気づいていないだけでたくさん面白い要素が転がっているのではないか…?「これはなんだろう?どうしてだろう?」と疑問を持つ、その答えを自分なりに考え、(なんとなく、ではなく)言語化し、整頓する。今すぐにでも習慣化していきたい。簡潔な言葉で綴られた文章には、ところどころ佐藤雅彦さんの人柄、大切にしていることが垣間見られて、暖かく、綺麗だと感じた。自分も、体温のある文章を書きたいなぁ。

  • 「混沌とした日々の中できらめく、気づきと思索」
    ―― 帯に書かれたこの言葉が、まさにぴったりな佐藤雅彦の考察集。

    雑誌「暮らしの手帖」に連載されていた記事をまとめて1冊にしています。毎号、連載を追っかける必要がないのは助かるのだけど、佐藤雅彦のエッセイの面白さって、雑誌や新聞のページをめくって「あった!」と見つけて読む行為そのものに、醍醐味があるのかも!と改めて発見。

    昔、毎日新聞で連載していた「毎月新聞」しかり、今はなき「オリーブ」の「プチ哲学」しかり。

    それはふと散歩に来た川の流れの中に、キラっと光る小石を見つけるみたいな、本来の目的とは違う寄り道みたいな、不意打ちで、はっと意表をつかれる真理に出会う楽しみみたいな。新聞や雑誌の1ページに載る短いワンテーマのコラムは、膨大な情報量の中に打たれた、一本のくさびのようだった。それは佐藤雅彦が繰り返し書いている「気づき、発見のオドロキ、ヨロコビ」にすごく合っていたのだと思う。

  • ピタゴラスイッチでおなじみ、佐藤雅彦先生が暮しの手帖で連載していたエッセイを1冊にまとめたのが本書。
    こんな風に考える方だからピタゴラ装置みたいなおもしろいものが生まれるんだな、と納得させられました。

    特に興味深く読んだのは下記のエッセイです。

    「敵か味方か」
    人は本能的に相手が敵か味方かを見極めようとする、というのは自分の経験と照らし合わせて納得。
    意識的に敵と味方に分けているわけではありませんが、後から振り返ると結果的にそうなってるのですよね。

    「~と、オルゴールは思い込み」
    開閉式のオルゴールは蓋の突起で聴く人の有無を判断する。
    佐藤先生が幼いころにその仕組みを発見したエピソードは、身近なおもちゃで似たようなことをしたなぁと思いました。
    本当はちがうのに「そうだと思い込んで」動く機械は、いたずら心をくすぐられつつ愛着も感じたものです。

    「中田のスルーパスと芦雪」
    なにもしないこと・なにもないことが眩しい。

    「ふるいの実験」
    佐藤先生の遊び心がつまった1編。
    ルールに従えば途中で読むことを止めなければならなかったのですが、こっそりルールを破って最後まで読んでしまいました。
    ちょっとの罪悪感もありつつ、いたずらをしている最中のどきどきを感じながら、楽しく読みました。

  • エッセイ風の軽い語り口ではじまるが、筆者独特の視点で語られる『最近ふと考えたこと』が非常に含蓄がある。

    多くを語り過ぎず、シンプルでありながら読者に文章以上の多くを問いかけてくるこの本は何度も読み返したくなる類の本。

  • 佐藤さんの作品は、ほんとにとてもステキで、視点とかセンスとか
    「才能があるってこういうこと」と思わされるのだが、それが常人離れしているものでなくて、むしろ日々の暮らしのちょっとしたことに根ざしているところが魅力。文章も、こういう文章を書けるようになれたらなぁ。。。かっこいいよなぁ、と。とがったデザインより、こういったほうが好みです。

  • 著者のような考え方や発想をすると、何気ない日常の中にも楽しめる事ってあるんだなあ。普段通り過ぎてしまう事でも立ち止まって考えてみると、違う見方が出来て面白いのかも。未来の自分を驚かせようとするヘソクリの話がよかった。その発想にまず驚。

  • いろんなことを考える。
    考えるのって、楽しいのかもしれない。

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著者プロフィール

訳者:佐藤雅彦(さとう まさひこ)
1957 年札幌生まれ。筑波大学で心理学・教育学・「心身障害学」その他の人間諸科学を学び、地方新聞記者や雑誌編集者を経て現在は翻訳家・ジャーナリスト。関心分野は科学社会学・生命工学・政治学・政治史・情報論など。
主な訳書は『メディア仕掛けの選挙』(1988)、『代理母:ベビーM 事件の教訓』(199 3)、『メディ仕掛けの政治』(199 6)、『比較「優生学」史』(199 8)、『突発出現ウイルス』(1999 )、『米国の「経営者」がしでかしたとんでもないヘマ101 連発』(1999 )、『エイズ患者のための栄養療法』(1999 )、『遺伝子万能神話をぶっとばせ』(2000)、『オカルト探偵ニッケル氏の不思議事件簿』(2001)、『チーズはだれが切った?:激変を生き抜くための悪のおとぎ話』(2001)、『マグショット:ハリウッド犯罪調書』(2002)、『シークレット・パワー:国際盗聴網エシェロンとUKUSA 同盟の闇』(2003)、『チョムスキー・フォー・ビギナーズ』(2004)、『尿療法バイブル:あなた自身がつくりだす究極の良薬』(2004)、『ハリー・ポッターの呪い:児童文学を襲うグローバリズムの脅威』(2006)、『女の平和』(2009)、『ヴァイブレーターの文化史』(2010)、『ソロ- の市民的不服従: 悪しき「市民政府」に抵抗せよ』(2011)、『黄金の泉:尿療法大全』(2015)、『自由国家インド実現のためのガンディー憲法案』(2022)など。
著書は『現代医学の大逆説』(2000)、『もうひとつの反戦読本』(2004)、『徹底暴露!! イラク侵略のホンネと嘘:もうひとつの反戦読本2』(2004)、『もうひとつの広告批評 1(消費者をナメるなよ!編))』(2010)、『もうひとつの広告批評 2(選挙民をナメるなよ!編))』(2010)、『爆発危険!テロ米国「トモダチ」安保:もうひとつの反戦読本3』(2011)、『まだ、まにあう!原発公害・放射能地獄のニッポンで生きのびる知恵』(2011)、『ロックはこうして殺された』(2012)、『もうひとつの憲法読本:新たな自由民権のために』(2014)、『現代語訳 幸徳秋水の基督抹殺論』(2018)など多数。

「2026年 『インフルエンザ 人類とスペイン風邪との闘いの百年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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