考えの整頓

著者 :
  • 暮しの手帖社
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本棚登録 : 1648
レビュー : 163
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766001716

感想・レビュー・書評

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  • ピタゴラスイッチでおなじみ、佐藤雅彦先生が暮しの手帖で連載していたエッセイを1冊にまとめたのが本書。
    こんな風に考える方だからピタゴラ装置みたいなおもしろいものが生まれるんだな、と納得させられました。

    特に興味深く読んだのは下記のエッセイです。

    「敵か味方か」
    人は本能的に相手が敵か味方かを見極めようとする、というのは自分の経験と照らし合わせて納得。
    意識的に敵と味方に分けているわけではありませんが、後から振り返ると結果的にそうなってるのですよね。

    「~と、オルゴールは思い込み」
    開閉式のオルゴールは蓋の突起で聴く人の有無を判断する。
    佐藤先生が幼いころにその仕組みを発見したエピソードは、身近なおもちゃで似たようなことをしたなぁと思いました。
    本当はちがうのに「そうだと思い込んで」動く機械は、いたずら心をくすぐられつつ愛着も感じたものです。

    「中田のスルーパスと芦雪」
    なにもしないこと・なにもないことが眩しい。

    「ふるいの実験」
    佐藤先生の遊び心がつまった1編。
    ルールに従えば途中で読むことを止めなければならなかったのですが、こっそりルールを破って最後まで読んでしまいました。
    ちょっとの罪悪感もありつつ、いたずらをしている最中のどきどきを感じながら、楽しく読みました。

  • いろんなことを考える。
    考えるのって、楽しいのかもしれない。

  • 佐藤雅彦さんが気づいたことについて、暮らしの手帳で連載していた内容に改訂を加えたエッセイ集。

    新人の警官の方は、かなり高い確率で帽子の中に地図を入れている!・・にびっくりです。

  • 「物語をたちどころに生み出す能力」は、自分の前に現れた一見不可解な出来事群に対して、納得できる道筋を与える「人間に用意された生きていくための力」ではないか

    我々は物事の意味を決定するとき、無意識ではあるが、必ずある思考的枠組みを重層的に利用する

    物の永続性

    象徴機能を持った単語をある順序で組み合わせることによって、世の中の森羅万象との対応をつけるシステム、それがことばである

  • あれ? という気付きを丁寧に考える、明文化する手腕は相変わらず見事。
    それよりも、桜の散ったあと、つつじの花が咲く前という何気ない表現力が琴線に触れました。

  • 佐藤雅彦のエッセー。
    身の回りで起きるちょっとした感動や驚きを論理的に分析する人だからこそ、面白い表現を発信できるのだねと。

  • 佐藤雅彦という名前を初めて意識したのは爆笑問題の日本原論巻末のインタビューだった。
    それから『プチ哲学』『毎月新聞』『経済ってそういうことだったのか会議』などを読み好きになった。
    誰にとっても等しくある日常が見る人によっては平凡でもあるし、別の人には珍しく面白いものでもある。「面白いものは近くにある」というスタンスを貫いている姿勢がアートだと思う。反面もどかしくもある。果たして読者も楽しいのだろうか?という疑問のようなものが端々から読み取れる。
    今作では作品を通してしか知ることがなかった佐藤さんの物語を言葉で知ることができる。映像作品が生まれる前のエッセンスとして読むと楽しい。
    印象に残ってるのは「おまわりさん10人に聞きました」「見えない紐」「ふるいの実験」「「差」という情報」そして「その時」。
    特に「ふるいの実験」はミステリー小説のようにスリリングで面白かった。

  • 佐藤先生のエッセイ的な何か。暮しの手帖に連載されているとは知らなかった。そもそも、暮しの手帖をほとんど読んだことがない。恐縮である。
    読み終わっても、何とも感想が言いにくい。が、脳みそがシェイクされる何かがある。

  • 正のスパイラルに生きる人の羨ましさ。
    本人の資質・業績があり、依頼されて書く徒然な文章で報酬が発生し、そのモチベーションでいろいろ好奇心も発想も豊かになるという。

  • いつも煩雑な自分の頭に、よいお薬。

著者プロフィール

1954年、静岡県生まれ。東京大学教育学部卒。慶應義塾大学教授を経て、現在、東京藝術大学大学院映像研究科教授。主な著書に『経済ってそういうことだったのか会議』(竹中平蔵氏との共著・日本経済新聞社)、『新しい分かり方』(中央公論新社)、『考えの整頓』(暮しの手帖社)、『差分』(美術出版社)、『毎月新聞』(中公文庫)ほか多数。また、ゲームソフト『I.Q』(ソニー・コンピュータエンタテインメント)や、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室の時代から手がけている、NHK教育テレビ『ピタゴラスイッチ』『‪0655/2355』『考えるカラス』など、分野を越えた独自の活動を続けている。2011年に芸術選奨受賞、2013年に紫綬褒章受章、2014年にカンヌ国際映画祭短編部門招待上映。‬‬‬

「2017年 『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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