気ぬけごはん

著者 :
  • 暮しの手帖社
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本棚登録 : 360
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766001822

作品紹介・あらすじ

飾らない日常でうまれたほっとする身近なごはん。あなたの心をほぐす料理のエッセイ。『暮しの手帖』大人気連載の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  •  表紙の「気の抜けた絵(すみません)」が魅力的で手に取った。よくある料理家の人が作ったおいしそうな料理写真とわかりやすいレシピが連なったものだと思っていたが、写真は一切ない。その代わりにレシピが生み出されたストーリーが描かれている。レシピそれぞれにストーリーがあるのが良い。気張らない家族だけの食卓を彩るレシピが描かれている。
     著者はレストランのシェフを経て料理家になった。文筆家としての顔も持つ。
     好きな本や旅行先で食べた料理、TVなどからインスパイアされて上手く自分なりに再現されている。さすが料理家なセンスに憧れます。
     自分が料理をすると、気合を入れて手の込んだものか5分あればできる超手抜きごはんのどちらかしかない。この本に描かれている料理はそのどちらでもなく、気張らないでも手を抜いているわけじゃない料理。私のような極端な料理生活だと確実に疲れてしまう。「パジャマの上下が違う」ように気の抜けた料理を作る時があってもいいと気づくことができた。

  • ああ、なんてすてきなタイトル…!
    "気ぬけ"だけれど、手抜きではありません。
    せっかくのお食事なのだから、食いしん坊は手軽に美味しいものを楽しむのです。

    冷蔵庫の中身や乾物かごの中に残ったものから、ちゃちゃちゃっとできあがるごはんはどれも美味しそう!
    休日のお昼ごはんにぴったりなお料理が多い気がします。
    レシピ付きなので、簡単そうなものをいくつか作ってみました。
    自分では思いつかなかっただろう、気軽で美味しいレパートリーが増えてほくほくです。
    キャベツのピロシキ、少し時間がかかりそうだけれど美味しそうだったので、これも作ってみたいなぁ…。

    また、別荘として購入した"山の家"のお話に憧れます。
    持ち主が亡くなってから荒れ放題になっていた空家を買い取り、自分たちの手で修理や掃除をしているのだそう。
    まだまだ住める状態からは遠いようですが、1日掃除をした後に庭先でキャンプのように楽しむごはんのなんと美味しそうなこと!
    五感で季節を味わう暮らしの豊かさをおすそわけしていただきました。

  • この一年、朝と昼ごはんを毎日作っていて気づいたのは、
    どうしても作りたくないときがあるってこと。
    誰かに作ってもらいたい、外食したい、お菓子とかスーパーに売ってるパンで済ませたい、とか。

    肩のチカラを抜いて、
    気の抜けたごはんでもいいんだよね。

  • 暮らしの手帖に連載されていたものをまとめた本。
    単行本になるのを心待ちにしていた。

    この本は高山さんのエッセイとそこから連想したり
    回想したり、エッセイに出てくる方に教えてもらったり
    したレシピが文章で載っている。
    その文字で読むレシピの美味しそうなこと。
    もともと「富士日記」や石井好子さんのエッセイなど
    言葉で書いてある料理を連想したり、レシピを頭の中で
    つくってみたりするのが(実際に作ることもある)大好きなので
    この本はまさにその欲求を満たすのに最適な本だった。

    気抜けごはんという名のとおり、肩肘張って作らなくては
    いけない料理ではなく、簡単に出来るものが多い。
    早速作ろうと思ったレシピが何個もあった。
    どんな味に出来るのか、楽しみ。

    リーダーこと高橋かおりさんのイラストもふわーって
    していて、文章の挿絵をじっくり眺めるのもとても楽しい。

    毎回毎回素敵な本を出してくれてファンとしては本当に有難い限り。

  • 憧れの老後

  • 何気に買った本です。高山さんは同世代で(多分)、上の世代の料理家さんで育った私はご縁がありませんでしたが、若い頃何度も読んだ「すてきななあなたに」や「エプロンメモ」を思い出させてもらいました。こういうのが好きなんだなあ、私、と再確認。

  • 日々ごはんとかの高山さんとはまた違う文体。
    すでに色々つくってみた!おいしい!

  • 「わざと手をかけないくらいの方が、素材がいきいきしておいしくできることもあるし、がんばらないごはんが、食べる人の心をほぐすことだってある」
    力の抜けた毎日の食事や、思いついて始まる友人との家飲み、とてもおいしそう。もちろん手抜きに見えても美味に仕上がるのは、徹底的に丁寧に料理を作ってきた何十年があるからだろうけれども。
    なれば20年以上ごはん作ってきた私も、この境地はめざしてもいいよね。あんまり力いっぱい作ったお弁当は疲れるから、受験の日はテキトーなやつにして、と娘にもかつて言われたよねー。
    おいしい読書だった。

  • 再読

  • この本のごはんは、おうちのごはん。
    それは簡単で、味が想像できて、おなかがきゅうっとなる。

    難しいことを書いてある本じゃない。
    エッセイと一緒にレシピも載ってる。

    お喋りの本。どれも美味しい。
    大急ぎで、普段使いのお鍋を出して、何がしか
    作って、ランチマット敷いて食べたくなる。

    日常の、お台所の覚書と、こころのなかの
    お喋りを一緒にしてあって…

    武田百合子さんの富士日記や、沢村貞子さんの
    ご本を思い出す。

    活字が細かいので薄暗いお部屋で読むのは向かないが
    ひなたのお布団の中でぬくぬく読みたい一冊。

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著者プロフィール

1958 年静岡県生まれ。料理家、文筆家。レストランのシェフを経て、料理家になる。におい、味わい、手ざわり、色、音、日々五感を開いて食材との対話を重ね、生み出されるシンプルで力強い料理は、作ること、食べることの楽しさを素直に思い出させてくれる。また、料理と同じく、からだの実感に裏打ちされた文章への評価も高い。著書は、経験や体験に裏打ちされた料理書や料理エッセイのみならず紀行記や日記、絵本など多数。

「2023年 『帰ってきた日々ごはん13』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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