- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766002126
感想・レビュー・書評
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荻上さんは淡々とした口調で世の中の矛盾や自身の病気について語るので「自分には何ができる?どういうスタンスでいく?」と目を背けてきた問題を考えるきっかけになった。ヨシタケさんはいつもの優しく可愛らしいイラストで「一緒に考えて行こう」と伝えてくれている感じ。装丁もいい!
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ベルガモットさん、はじめまして。こんばんは。
私のつたない文章でも「面白かったよ」が伝わったようでうれしいです!
荻上さんのしみる言葉とヨ...ベルガモットさん、はじめまして。こんばんは。
私のつたない文章でも「面白かったよ」が伝わったようでうれしいです!
荻上さんのしみる言葉とヨシタケシンスケさんのハズしたイラストの絶妙なバランスがいいですよね。めがねがはずれる装丁も素敵。
2021/04/15 -
111108さん、はじめまして。勝手にお名前出しちゃって失礼しました。
少しだけ読んだ本がかぶっていたり、短歌の本も紹介されていて魅力的...111108さん、はじめまして。勝手にお名前出しちゃって失礼しました。
少しだけ読んだ本がかぶっていたり、短歌の本も紹介されていて魅力的な本棚ですね。
そうそう、「しみる言葉」と「ハズしたイラスト」の絶妙さもよいですし装丁も気に入りました!
これからも楽しみにしています。2021/04/15 -
2021/04/16
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庶民の生活を独特の感覚で見続ける荻上チキさんとヨシタケシンスケさんのコラボ本。
視点を変えれば(めがねを付け替えれば)生活の見え方も変わることを教えてくれる。
荻上チキさんは、子供の頃いじめに遭ってきたので、他人を平気で全否定するような意見に敏感になったことや、ウツになって悩み苦しんで生きてきたことを公開している。
ラジオやテレビでの発言と変わらぬ優しく丁寧で少し控え目な語り口は本書でも同じです。
最初のエッセイ「女の子の生き方」で、チキさんが多様性というものにすごく敏感なことが分かります。
自分が子供だったころ「女の子らしくしなさい」という男の都合のいい女性像の押し付けが世間に蔓延しており、それが幸せになるための常識だった。
ディズニー映画でも昔はそうだったが、近年はアナと雪の女王でもわかるように「ありのままの姿で自信を持って生きる」ことを良しとするように変わった。
子どもに影響力の大きいディズニー映画について、そんなこと考えたこともなかったので改めてチキさんは鋭いなと感じた。
大学でテクスト論を学んだことがチキさんの思考能力の基礎になってるようだ。
作品や作者の時代背景などを検証し「これが正解」という読みはやめる。
人それぞれの読み方があるのだから、さまざまな立場から読むという思考実験を繰り返す。
うまく要約できないが、このような接し方を鍛えたようだ。
勝手に作り上げた「正解」以外はダメという排除の姿勢はありません。
本書はあくまでも荻上チキさんのエッセイがメインですが、各エッセイから感じ取ったヨシタケシンスケさん目線の世界がセットで楽しめるという構成になっています。 -
夏頃に図書館で予約し、漸く回ってきた本。
荻上チキさんのお名前は知っていたが、どんな方かはよく知らなかった。
暮しの手帖に連載されていた物をまとめた本。
世の中で、影になっている部分やマイノリティと言われる様々な'当事者'に会い、寄り添いながらその問題の核心について、私達に分かりやすく伝えてくれている。
ご本人も、小中学校時代に酷いいじめを経験し、人との距離感を掴むのが苦手だと書かれている。当事者の事をより深く理解しようと仕事量が増えてしまい、鬱病になったことも。今は病気と上手く付き合いながらお仕事を続けられているそうだが…。
全体的に重いテーマなのだが、そこにヨシタケシンスケさんの小話的マンガが添えられていることで、フッと抜けるような安堵感がある。
ヨシタケさんの書かれたイラストあとがきは、「そう!そうだよね!」と何度も頷いてしまった。最後のオチもさすが!2020.1.8
以下本文より
○ 何かの属性を持つなら、このように振る舞わなくてはならないとする規範の数々。自分の人生に関係のない他人が、遠くから自分の人生を勝手に査定し、嘲笑うために規範性を振りかざすなら、それは「呪いの言葉」にほかならない。
どんな規範の言葉に呪われ、苦しめられてきたのか。自分と合わない相手と、規範で縛られて無理に付き合っていないか。人生のどのタイミングでも、重荷を下ろすことは赦される。114ページ
○ 小説経由だろうとテレビ経由だろうと、ネット経由だろうと同じこと。それをどう血肉化するかは、これから何を学ぶかによって変わるんだろう。166ページ
○生きづらさを取り除くこと。現在の社会のノーマティビティ(規範)を疑うこと。外に向けて発信はできても、内面化された自分の価値観を変えることはなかなか難しい。
178ページ
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「みらいめがね それでは息がつまるので」
荻上チキ ヨシタケシンスケ(著)
2019 5/24 初版第一刷発行 暮しの手帖社
2020 7/6 読了
荻上チキのエッセイの巻末毎に
ヨシタケシンスケの絵エッセイが描かれている魅力的な本。
初めて知った荻上チキって男の容貌を検索して
「あー確かに理屈っぽそうだ」と納得。
(ぼくは理屈っぽい男が嫌いだ)
素直に共感したくないんだけど
共感してしまってちょっと悔しい。
ヨシタケシンスケの絵があるのとないのでは
評価が断然違ってくるよね。
ヨシタケに救われたなチキ。 -
色めがねって悪い言葉のようですが、私は小学校四年生ぐらいからずっとめがねのお世話になっています。めがねって大事、これがなければ何も見えません、それも一つあれば何でも見れるというわけではなく、遠近、中近、読書用の老眼、日射しのきつい時のサングラスなど、おしゃれも兼ねて、7つの眼鏡を使い分けています。めがねによって、世の中の見え方、それに伴う考え方も変わるというのがこの本。
荻上チキさんが文章で、ヨシタケシンスケが絵で、ひとつのテーマにユニークな視点で語る。めがねを掛け替えれば、生活の見え方も随分と変わる。
そんな素敵な本、元々は「暮しの手帖」の2016年初夏号~2019年秋号に連載されてたものです。続いてみらいめがね・2も読みはじめます。 -
荻上チキさんがどんな方なのか、あまり詳しく知らなかったので、生い立ちや考え方など、知ることができました。エッセイだからでしょうか、お人柄もあるのでしょうか、読みやすく、スッと入ってきます。共感する部分が多かったです。特にこの4つ。
・母の思いと僕
・「呪いの言葉」に向き合う
・いたるところに教材あり
・生きづらさを取り除け
ヨシタケシンスケさんのイラストもそれぞれの項目に合っていて、重くなりすぎず、ちょっぴりクスッと笑えました。息がつまらず楽しめた作品でした。
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私が好きなラジオ番組「荻上チキ Session-22」のパーソナリティである評論家荻上チキ氏のエッセイ集。
内容は雑誌「暮らしの手帖」に掲載されていたものを集めたものとのこと。
挿絵を担当されたヨシタケシンスケさんの絵も印象的な本である。
世間の固定観念に対してそれでいいのか、世界はそれだけではないと問いかけるような本である。
一番印象に残っているのは、「ガラスの天井」という言葉から、荻上氏の母親が語る話のところ。
女には教育は不要とか、女だからといろんなものが阻まれる時代の感覚は次の世代には味わってほしくない。
私は男であるが、共感する。
このほか、誰かを傷つけたり息苦しくしたりすることが一言も書かれておらず、できる限りそれを排除して行きたいと考える著者の考えに頷くところが多い。 -
今 人気の若手評論家さんのエッセイ集を読んだ。この方はきちんと少数派や多様な人々に大事に寄り添うことができる人ですね。だからこそ人気が高い評論家でありリスナーが多いのでしょうけど。またヨシタケさんのイラストもとても効いていて楽しく読了しました。こうした若い評論家さんが人気なのも時代の流れを感じます 笑。良いエッセイ本でした。