みらいめがね それでは息がつまるので

  • 暮しの手帖社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766002126

感想・レビュー・書評

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  •  ラジオ報道番組『荻上チキ・Session』がきっかけで、荻上さんの書籍をもっと読もうと思い立って選んだ『みらいめがね』☆
     雑誌『暮しの手帖』に連載されていた荻上チキさんのエッセイに、ヨシタケシンスケさんの心なごむイラストがコラボレートして、1テーマをお二人の視点から取り上げた読み物です★

     毎回のテーマは、性差をめぐる偏見、親子の関係、いじめ、うつなど、「生きづらさ」というワードで表されがちなことをメインとしていますが、それらをやわらかい語り口で扱っている本書。社会問題として遠くから「論じる」ような距離感ではなく、荻上さんにとって身近な出来事や、周りの人間関係のなかから述べているのが特徴的です。

     荻上さんもヨシタケさんも、苦しみや悩みの過酷さを訴えるというよりは、「ここだ」というツボを探り当てて凝りをほぐしていき、だんだん楽になるヴィジョンを描いているのが印象に残ります☆
     力いっぱい拳を振り上げて苦境を打開する時代は、過ぎつつあるのかもしれません。何とかやり過ごしているうち時が来ることも、世の中が変わり始めてることもある。だんだん明るい方へ……。そういった未来を、柔軟な思考で見せてくれているように感じます。

     ここのところ番組『Session』を聴いています。放送中の荻上さんには、十分すぎるほど社会に適応し、どんな有識者とも対等に渡り合い、あらゆる問題事項を危なげなく裁くイメージがありました★
     しかし、本書で綴られる彼の近況や明かされる過去は、彼がすごく繊細な神経の持ち主であることを示すものです。揺るぎなくやってるように見えても、日々綱渡りなのかもしれません。
     その体験という眼鏡を通し、つらいと声を上げてもそんなに悪くないさ、個人レベルで我慢しなくてもいいような社会に変わっていくかもよ、という答えを提示する。生きてく勇気を新しいやり方でくれる本と言えそう。

  • ラジオパーソナリティの方のエッセイ。
    ヨシタケシンスケさんのイラストが
    各話ごとに差し込まれており、
    それも含めて ゆるっと楽しみました。

    型にハマらない方
    子どもに自由に育って欲しい方
    などにおすすめ

  • どこかで読んだことがあるようなことな、他の人も書いていたことがあるような話なのだが、悩んでいる人にそっと寄り添う本かもしれない。
    「『呪いの言葉』に向き合う」の中の、「他人を適切に嫌いになる方法」という話も、「友だち幻想」という本に書いてあることに似てはいるんだけど、すっと心に沁みて、何度も読み返したいと思いました。

  • 荻上チキさんがどんな方なのか、あまり詳しく知らなかったので、生い立ちや考え方など、知ることができました。エッセイだからでしょうか、お人柄もあるのでしょうか、読みやすく、スッと入ってきます。共感する部分が多かったです。特にこの4つ。
    ・母の思いと僕
    ・「呪いの言葉」に向き合う
    ・いたるところに教材あり
    ・生きづらさを取り除け
    ヨシタケシンスケさんのイラストもそれぞれの項目に合っていて、重くなりすぎず、ちょっぴりクスッと笑えました。息がつまらず楽しめた作品でした。

  • 世の中の人みんなが優しくなれたらいいのにね。

  • 1年に1冊程度しか読まないエッセイがここで。ヨシタケさんのイラストの切り口もよく、楽しめました。最後の「生きづらさ」は、涙が出そうになりました。これからも、このことを忘れずに。
    2023/8/31読了

  • ヨシタケシンスケさんが好きで、ヨシタケシンスケさんの名前があったので即借りてみた。

    荻上チキさんのエッセーにヨシタケシンスケさんの挿し絵。いい感じだった。挿し絵にきちんとヨシタケシンスケさんのエッセンスがあった。

    あとがきの『めがね』の話はうんうんと首肯。
    いろんなめがねがあり、自分のめがねはあるていど自分で選ぶことができる。

    荻上チキさんは、ラジオも聞いたことなかったので初めましてだったのだが、チキさんのめがね、私も好きだなと感じた。

    世界を見聞するって、こういうこと。
    自分の世界を広げることの良さみたいなものが、言葉になってる感じ。

    続編もあるようなので、ぜひ読んでみよう。

  • 「めがねを掛け替えれば、生活の見え方はぐんと変わる」
    替えられるのか。自分のめがねを知らなかったな。

  • ヨシタケシンスケさんのイラストが見たくて。
    暮しの手帖で連載されたもの

    健康ゲームに目覚めるの最後のコマが好き
    運動がキラいな人がスポーツ施設への破壊工作を企てるが 運動不足ですぐ捕まる絵の
    えっちらおっちら逃げる様子!スキ!

    教育熱心なお母さんの話が胸にくる
    ガラスの天井 勉強が好きで進学を希望したが反対され、就職したら、公平に昇進できず 悔しい思いをたくさんして
    だから子どもには勉強させて、大学に行ければ選択肢が増える。頭が良くなれば自分で道を探せる
    だから厳しかった
    共稼ぎで、父の会社がつぶれて、母はパートで
    本当に大変だったんだろう。和解というか、対話できて良かった。

  • #3350ー45ー173

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著者プロフィール

1981年生まれ。評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人ストップいじめ!ナビ代表理事。ラジオ番組『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)メインパーソナリティー。同番組にて2015年度、2016年度ギャラクシー賞を受賞(DJパーソナリティー賞およびラジオ部門大賞)。

「2019年 『ネットと差別扇動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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