- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766121377
感想・レビュー・書評
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知らなかったブックデザインの世界。
出版された本はサイズも形も紙もフォントも様々だけど、それをひとつずつ検討して、決めた人たちがいる。どんな人にどんな時に読んでもらいたいのか、それによってベストな選択は変わる。例えばポケットに入れて持ち運びたいのか、宝物として大切に所蔵したいのかでも変わる。
28名のデザイナーに、あなたならどう装丁しますか?とお題を出して、各一冊だけ作られた「吾輩は猫である」。
こだわりに、ため息が出た。素敵な世界。
製本を少しだけかじったから、ノートを作りたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
28人による「吾輩は猫である」ブックデザイン
もうその企画だけですごく楽しい!
全部実物を見たい!
個人的に惹かれたのは、
帆足英里子 :猫の尻尾のしおり!キュン死!
クラフト・エヴィング商會 :自分で紙作っちゃう!?その紙欲しい!
祖父江慎 :爆発する漱石愛!勉強になりました!
って感じですが、
とにかくどれも一つの作品に対して真剣に向き合い、様々な視点からベストを尽くしたのがわかります。28人の出した結論は、ある点では共通する認識がありながら、全然別の解を導き出していたりして、面白い。
正解なんてないんだ、私たちが普段受け取る本も裏では出会いの一つの形なんだと気づかせてくれる本。
ただ惜しむらくは、そんな気持ちを破壊する編集の雑さ。
わたしが手にしたのは初版なのですが、
p66キャプションがp40の内容のまま被ってる。
p201コレクトアプライがハコレクトアプライに。
p208これはわたしの勉強不足なのかもしれないのですが、初版の吾輩は猫であるって不・中・下の三冊組みなんですか?上中下ではなく。
あとがきの28人の文字が縦組みなのに縦中横になっていない。
と、特に間違い探しをしてるわけでもないのにこれだけ目に入ってきてしまう。
ちなみにグラフィック社の書籍紹介の見出しでは27人がデザインする『吾輩は猫である』って書いてあった。特別書き下ろしならぬ装丁おろし?の佐藤氏を除いてるのかと思いきや、そのあとは28人と書いてある。
実はこの本では一つ一つの作品についてカバー、表紙、見返し、本文用紙、スピン等の詳細なデータベースがついてるのですが、ここまで間違いが多いとそうした内容自体にも不信感を持ってしまう。
こんなに素晴らしい人たちが参加してくれているのに、それでは残念です。
そもそも連載の再録ということだけど、掲載時はどうだったんだろう。
再録にあたりなぜ見返さないんだろう?
献本とか…したの…?(ゾッ)
没入しすぎて目がすべってしまうことはあるけれど、形に残るものだからこそ、編集の仕事はまっとうしてほしい。
コンテンツの素晴らしさは紛れもなく、様々なことを考えるきっかけとしてくれた本だけに残念でならない。完璧だったら★5でした。
もう確認はしませんが、重版で直っていることを祈ります。 -
企画自体は面白いのだけど、実際に販売されているのではなく、夢の装丁になってしまっているあたりが若干白けてしまう。
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同じ本をデザインすることによる作風の違いの妙。
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書籍の内容はデジタル化できても,すべてを伝えることはできない.
なんとなくそんなことを考えさせられた. -
タイトルの通り28人がデザインした「吾輩は猫である」を並べています。
表紙、帯、箱、紙質、フォント、その他諸々のブックデザインのすべてを各デザイナーがつくり並べた満漢全席、なにこれ凄い。
ボツったデザインがあるのもたまりません。面白い。お見事です。
誰もが知っていて、かつ同じ題材だからこそ、デザイナーひとりひとりの個性が際立ちます。
いや、際立つのは<個性>というより<人生>かもしれません。
それぞれのデザイナーが「夏目漱石」や「吾輩は猫である」をどう捉え、それを「読者」にいかに伝えるか(読んでもらえるか)を考え、デザインを試行錯誤して決定していく・・・。
この過程を通して現れるのは彼らの生き様そのものです。そうでなければ28人が全員異なるデザインとなるわけがありません。違った人生を歩んだから違った感性を持ち、違った決定をするのです。
彼らのこれまでの歩みが、一つとして同じではないそれそのデザインをつくらせた。
これはもはや28人の人生ドラマだ。
なんちて。
デザインを勉強するならふつうに教科書になる本でス。
ちなみにこの本(↓)から先に読むと3倍は楽しめます。
「装丁問答」 長友啓典・著
http://booklog.jp/users/gon623/archives/1/4022733721 -
コンセプトが面白い。
同じ作品の装丁でも、デザインする人でこんなに変わる。
2012-9