世界のパッチワーク 文化と伝統をつなぐ技法と作品コレクション

  • グラフィック社 (2024年8月8日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784766137057

作品紹介・あらすじ

ハギレはもちろん羽根やガラスビーズ、わたなど、素材も色も形も様々なピースをつないで生まれるパッチワーク。その愛らしくも美しい作品群はもはやアート!キルターの憧れと想像力をかきたてる、世界33か国の作品を紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • Book review of Patchwork by Catherine Legrand
    https://www.bookpage.com/reviews/patchwork-catherine-legrand-book-review/

    【世界33か国260点以上を紹介】布の芸術品『世界のパッチワーク』8月発売 | 株式会社グラフィック社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000415.000084584.html

    グラフィック社
    https://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=55955

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「世界のパッチワーク」カトリーヌ・ルグラン著、石上美紀監修|日刊ゲンダイDIGITAL(2024/09/26)
      https://www.n...
      「世界のパッチワーク」カトリーヌ・ルグラン著、石上美紀監修|日刊ゲンダイDIGITAL(2024/09/26)
      https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/361061
      2024/10/07
  • パッチワークと聞くと「ほっこり」な印象があるが、ビビットでパンチがある世界各地のパッチワークに圧倒された。どれほどの緻密な時間と技術が、歴史や文化的背景が、民族的な意味合いや素材の多様さが、色彩やデザインの豊かさが、そしてこれらが著名なアーティストではなく歴史に名を残さない生活者たちによるものかと思うと、ときめくというか動悸が早まり鼻息が荒くなる…。歳をとったせいか手仕事が施された布を目にすると身悶える体質になってしまい、絵画よりも手織りのラグや刺繍布のほうが見てて飽きない私にとって、まさに悶絶本。

    ヨーロッパだとスウェーデンのポシェットやハンガリーのレザーブーツ、アメリカ大陸の現代アートのようなアーミッシュキルトや遊び心あふれるクレイジーキルトにペルーの可愛い帽子とスカート、アフリカはベナンのアップリケは雑誌のイラストのようなポップさで、コンゴの樹皮や泥染も素朴で良き。インドはカンタやゴドリにラリーとキルトの豊富さは言わずもがな、ウズベキスタンの修行僧ダルヴィーシュの個性的な装い、キルギスやカザフスタンの素朴なモチーフに色彩豊かなシルダック、日本の「用の美」であるボロに野良着やアイヌのアイデンティティを感じる文様、ベトナムや中国の少数民族の衣服…どれも素晴らしくて感服。

    ユニクロもハイブランドも好きだし、アウトドア物も実用的で気に入っているが、元々は古着好きなのもあり、辿り着くのはこのようなアイデンティティを感じるものになるような気がするし、数々の物事を見知った文化人たちが結局到達するのは民藝品だというのも理解できる。

    都市化が進むにつれ、恐ろしく時間と手間の掛かるパッチワーク等の手仕事は相当コスパが悪い。だからと言って残せというのは相手の自由を阻むし、無理強いすることではないから、いま目にしているビンテージやアンティークほどのクオリティは今後生み出されることはほぼないだろう。だからどんなブランドの限定品よりも貴重だと感じるのだ。そんな思考や思惑を抜きにしても、アート好きにとって目の保養になり、歴史好きにとっては世界史を網羅できる、お得な一冊。

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著者プロフィール

グラフィックデザイナーとしてニューヨークとパリで活躍後、素材に興味を持ち、世界の民族衣装からインスピレーションを得たデザイナーとしてパリでブティックをオープン。テキスタイルを求めて世界中を旅し、各国の生地や衣装・アクセサリーを蒐集しているコレクターでもある。

「2019年 『世界のインディゴ染め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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