汽車との散歩

著者 : 宮脇俊三
  • グラフ社 (2007年3月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766210552

汽車との散歩の感想・レビュー・書評

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  • 『終着駅は始発駅』に続く、著者二冊目の随筆集であります。
    各所に発表したエッセイなどが中心に編まれてゐますので、内容は雑多でありますが、宮脇氏のいはば全盛期に当たる時期の筆ですので、まことに滋味溢れる文章揃いなのです。

    どんなに短い文章にも、汽車旅に対する無上の喜びが滲み出てゐるのが良い。限りない愛情。知識をひけらかすこともなく、むしろ知らないふりをしながら、読者に優越感を感じさせ同時にさはやかな感動を与へてくれます。まあ、近年は何かにつけ刺激に満ちたものが横行してゐますので、さういふ風潮に慣れた現在の読者が、宮脇氏の著作にどれだけ満足するのか若干の不安はありますが。

    ご本人は自らをマニアと自認してゐるやうですが、本書を読むと、現在でいふテツの範疇を超え、人生の達人といふ趣き
    を与へるのであります。わたくしとしては、近年若干常軌を逸する傾向がある「テツ」たちに、「宮脇氏を見習ひ、まづは常識人たれ」とつぶやきたい気分なのです。

    本書に於ける弊害としては、テツではないわたくしまで、汽車旅に出かけたくなり、果ては禁断症状が出てくるところですかな。ああ、西でも東でも良いから、乗りに行きたい喃。

    なほ、わたくしが所有するのは新潮社から単行本として発行されたものですが、その後の文庫版ともども絶版のやうであります。ここでは入手しやすいグラフ社からの復刻版を挙げておきます。

    では今日はこんなところで。ご無礼いたします。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-518.html

  • 今はなき鉄道紀行作家・宮脇俊三氏のエッセー集。いわゆる「鉄分」は低めで、作者自身の人生と鉄道の関わりについてが多い一冊。同氏の著書「時刻表昭和史」の続編的な要素もある。
    ある意味では「錬られてない」文章群、しかしサラリーマンや作家、家庭人としての苦悩が割とストレートに書かれている。鉄道ファンから「先生」と慕われた同氏も当然ながら人の子だった、当たり前すぎることを本人の言葉で教えられる一冊。

  • ● 指定席は鉄道にかぎらず「不自由席」だ。

    ● 席がなくて一日じゅう立ちんぼならば、もちろん疲れる。しかし、坐っていれば全然疲れない。汽車に乗っている人間は、穴掘りなどの重労働をするわけではない。坐ったまま外を眺めたり居眠りしたりするだけである。車中の時間は、いわばすべて休憩時間であって、疲れる理由がない。

    ● しかし、暇というのものは忙しさとは関係ないと私は思っている。願望さえ強ければ時間は向うからやってくる。

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