国語からはじめる外国語活動

著者 :
制作 : 森山卓郎 
  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766416572

作品紹介・あらすじ

「春子さんは冬子さんと秋子さんに会いました」をふた通りに解釈できますか。 主語、動詞、目的語あるいは人称や数(性)、時制や相(アスペクト)、句や節(修飾)といった概念をしっかりと把握できなければ、外国語だって理解できません。 外国語学習を進める上で大切なことは、日本語力。本書は、英語と国語の授業を連携させることの重要性を説き、英語の知識を整理しながら、日本語について「再発見すること」を目指します!

感想・レビュー・書評

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  • 2021.9.5市立図書館 →2021年10月古書にて入手
    こどもが学齢になった頃からずっと考えていた国語と外国語(英語)の橋渡しのような言語教育活動…それをちょうど同じ頃には提言して本にまとめていたとは、それも他ならぬ大津由紀雄先生と森山卓郎先生が。

    お題目だけで実態はふわふわした掛け声だけでしかない国語科と外国語科目の「連携」、全国学力調査で言語面での出題がどの程度の正答率か(出題側は問題意識をもっているし、課題もあきらかになっている)、など現状を把握でき、そう、こういうことを学校でだれもが学べたら…と思うことがぎっしり。日本語/英語それぞれ具体的なデータがどれも興味深くておもしろかった。目先の実用会話だけではなく、自他の言葉を客観視して知識や運用についての理解を深めるために、母語と外国語を対照しながら勉強するのはよい方法だし、いまは小中学校の教室も「100%母語としての日本語話者だけ」が当たり前ではなくなってきているし、(非母語話者のための)日本語教育もふくめたさまざまな立場の専門家の協働がもっと進むといいなあと改めて思った。

    梅原大輔「流暢さと正確さの両立を目指す」は学生時代に学んだ外国語教授法(言語習得理論)の変遷を復習するようでなつかしかった。あのころは抽象的な「理論」のお勉強でしかなかったけれど、長く現場を経験してみると改めて理論という土台の重要性が実感できる。

    半分まで読み終えていったん返却。
    日常の細切れではなかなか読み進まないので、手元においてじっくりよみたいが、手に入るだろうか。

    追記(2021.10.7):いったん返却した頃に、森山卓郎先生を設立準備委員会委員長に「日本語習熟論研究会」が発足するという話、プレイベントがあるという報を聞く。学習者はいうまでもなく、だれもが同じように自然と獲得できるのだと思われてきた母語話者の間でも言葉の習熟度には想像以上の差があるという現実がはっきりしてきて、言葉やコミュニケーションの「習熟」というテーマこそ、これからの国語や外国語教育の大きな論点になるというのはよくわかる。

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著者プロフィール

早稲田大学文学学術院教授

「2024年 『「書けない」から「あっ 書けた!」へ 子どもが変わる はがき新聞のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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