コミュニティのちから―“遠慮がちな”ソーシャル・キャピタルの発見
- 慶應義塾大学出版会 (2010年6月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766417524
作品紹介・あらすじ
急速に高齢化が進む日本。健康は誰しもの関心事。全国さまざまな事例をよく見ると、健康でかつ医療費が低い地域の背景に、また、複雑な医療問題が見事に解決された背後に「コミュニティのちから」が存在する。そのちからをどう発揮させて「いいコミュニティ」をどう作るか。豊富な事例に基づいてそのレシピを示す。
感想・レビュー・書評
-
長野県の保健補導員コミュニティや鹿児島県鹿屋市の地域医療改革などの事例をもとに、地域医療をよくするには、「コミュニティのちから」(=ソーシャル・キャピタル)が必要であると主張している。本書の特色は、「コミュニティのちから」を育むにはどうすればよいかということについて実践的でかつ戦略的なアプローチを提案していることと、日本に独特に「〝遠慮がちな”ソーシャル・キャピタル」という考え方を発見したことであるとしている。
本書で紹介されている長野県の保健補導員などの事例は本書で初めて知ったので、非常に素晴らしい取組であると感じるとともに、改めて地域医療を含めた地域の課題解決における「コミュニティのちから」(=ソーシャル・キャピタル)の重要性を感じた。「ルール」「ロール」「ツール」に着目した本書の「コミュニティのちから」を育む提案も、それなりに納得感のあるものだった。今後、少子高齢化が進み地方がどんどん疲弊していくことが想定される中で、各地域において「コミュニティのちから」をいかに育んでいくかが重要であり、その点で本書の内容は非常に有意義であると感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これ、英語で出してほしいなあ。
-
ソーシャルキャピタルはずっと保健師が取り組んできたと聞いてきたけど、やっぱりそうだと再確認した。明日の活動の力になる一冊。
-
主張をあまりしない日本人だが、西洋と違い”おつきあい”や”おたがいさま”で行われる地域活動。小さなことが繋がって大きな動きになるというソーシャル・キャピタルの現れ方。
これを”遠慮がちな”ソーシャル・キャピタルと名付け、日本でそれに相当する活動が紹介されています。
参考にしたいモデルがいっぱいです。地域のプライマリケアチームを作るためにもまずは活動ありきなんですが。 -
ソーシャルキャピタルの解説もありながら、「遠慮がちな・・・」という視点もあり、なかなか良かったです。
図書館で借りたけど、買おうかな・・・