ベッカー先生の論文教室

制作 : Howard S. Becker  小川 芳範 
  • 慶應義塾大学出版会 (2012年4月1日発売)
4.00
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  • 本棚登録 :66
  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766419375

作品紹介

著名な社会学者のベッカー先生が、学術論文の作法とその心得を伝授。書く前の心の準備、読者の嘲笑への恐怖、書き直しのジレンマ、文献の取り扱い方など、迫りくる「書く」苦しみをどのように乗り越えるか、たくさんのヒントを与えてくれる。ベッカー先生の叱咤激励が、きっとあなたの背中を押してくれるはず。学生、研究者だけでなく、白い紙の前に座る「書く人」すべてに贈る希望の一冊。

ベッカー先生の論文教室の感想・レビュー・書評

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  • ラベリング理論で有名な社会学者が書いた,社会科学者のための書き方指南。

    論文執筆に恐怖心を抱いている人にすすめたい,必要以上に挑発的な語り口ではあるけれどポイントは外していない参考書です。
    (教・D3)

    ▼名古屋大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://nagoya-m-opac.nul.nagoya-u.ac.jp/webopac/WB03121013

  • 【配架場所】 図・3F開架 
    【請求記号】 816.5||BE
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=157270

  • ぱらぱら見て単純な技術論ではなさそうだったので借りてきて読んだが、とても面白かった。社会科学系の論文評価というものはかくも難しいものかと感じた。文中にも何度も出ている通り、ベッカー教授ほど名を成した人だからこそ書けることであり、普通の人がこの手法をとったからといって10人が10人学者としての地位を築けるわけではないだろう。ただ、こういったやり方で学者になれなかったら、たぶん学者になったところで楽しくない人生を送るのだろうから、あきらめて別の道を進んだ方が、本人にとっても、社会的にも望ましいことなのではないかな、とも感じた。評価する側が権威主義的なやり方に凝り固まっている限りは、ずっとその流れが継続してゆくのだから。いずれにしても、それは社会制度の問題だから、一朝一夕に何とかなるというものでもないのだろう。そういう意味で、この本は、学者志望者向けというよりも、むしろ書くこと自体を怖がっているかもしれない一般の人を勇気づけるために書かれた本なのかもしれない、と感じた。

  • 請求記号:307/Bec
    資料ID:50065839
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  • 大学院生と学部生とでは書くものの長さもまるで違う。楽器松の一発勝負に慣れきった学生にとって、大学院レベルの長い論文の内容を頭の中で処理するのは至難の技だ。
    アウトラインを作ってあらかじめパズルをすっかり解いておけば、自らの筆がどこへ向かおうとしているかがわかるし、これから書かれるものが願意するところを見通すことで、思わぬ落とし穴にはまることも避けられ、すべてがうまくいく。
    社会学者は何かを書くときに規則だとか指針とかについて考えない。アーティストのような作業をする。
    学問は集積の企てである。事実においても理論においてもそうである。いざ書こうというときにまったくのゼロからはじめる人はいない。先人に依存する。先人の方法、結果、そして考えを使うことなくして、仕事は成り立たない。私たちに先立って彼らが語り、為したこととの間になんらかのつながりを明治することができなかったら、私たちの結果に関心を持つものはほとんどいないだろう。

    学者はすでに言われてきたことに関連させつつ、何か新しいことを言わなくてはならないのであり、しかも誰が聞いても論点が理解できるようにそれをしなくてはならないのである。語られることは少なくとも何かしらの新しい内容を含んでなくてはならない。経験科学においては結果の反復という考えに口先では敬意が払われるが、それに対して報酬が与えられることはない。

  • 配架場所 : 一般図書
    請求記号 : 307@B100@1
    Book ID : 80100445470

  • 回送先:品川区立二葉図書館(OM02)

    逸脱論で知られるハワード・ベッカーが記した「論文教室」。訳者も言うように、しかしその衒いの書籍にありがちなお作法の話ではなく、論文を書く若手研究者がやってしまいがちな「お作法の真似事」は必要なのかい? もっと簡潔にできないのかい? と問いかける内容である。

    評者にとっても身につまされるエピソードがふんだんに盛り込まれているだけに、自分の論文の書き方、あるいは論理展開を振り返って顔から火が出ているが、たぶんそれが大切なことなのだろうと一読して実感している(陳腐なレトリックの乱発、承認欲求丸出しのタイプ打ち、修正校をおざなりにしていることetc)。

    原題の副題は「How to Start and finish Your Thesis, Book, or Article」、意訳すれば「己の論理を文章化しきるまでの方法」だが、ただ文章にすればおしまいではなく、その先、最後の最後まで責任を果たせということなのだ。それは、この書評で読んだつもりになることのできない問いをベッカー先生から授けられたに等しいのかもしれない。社会学部・社会学研究科の学部生・院生・教職員必読である。

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