パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語 (リアリティ・プラス)

  • 慶應義塾大学出版会
4.28
  • (10)
  • (12)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 187
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766419870

作品紹介・あらすじ

応急処置的な社会から、創造的な社会へ

▼パターン・ランゲージは、建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱した知識記述の方法である。アレグザンダーは、町や建物に繰り返し現れる関係性を「パターン」と呼び、それを「ランゲージ」(言語)として記述・共有する方法を考案した。彼が目指したのは、誰もがデザインのプロセスに参加できる方法だった。ある「状況」で生じる「問題」をどのように「解決」すればよいのかという「デザインの知」を記述したパターン・ランゲージは、創造的な未来をつくるための共通言語となる。

▼建築分野で考案され、ソフトウェア分野で大きく発展したパターン・ランゲージは、いま、あらゆる分野の創造を誘発する「クリエイティブ・メディア」として進化する。本書では気鋭の研究者・井庭崇が、中埜博、江渡浩一郎、中西泰人、竹中平蔵、羽生田栄一という各界のフロントランナーを迎え、「パターン・ランゲージ」の可能性について徹底討論。読者のリアリティに新たな知をプラスする!

▼「リアリティ・プラス」(Reality+)
「プラス」は何かを加えるという意味であるが、「リアリティ」には二重の意味を込めてある。第一に、読者がもっている物事の見方のレパートリーに、新しい要素――アカデミックな分野での最先端の知と方法――を加えることで、それまで抱いていたものとは異なる現実感(リアリティ)を得られるようになることを支援したい。第二に、本書で提示される知と方法を踏まえた仕組みや道具、制度、組織をつくることで、現実(リアリティ)を変える力をもつことを支援したい。このような思いが、「リアリティ・プラス」という名称に込められている。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • パターンというものを捉え、考える上で示唆に富む内容となっている。討論も多岐に渡るだけでなく、深い内容で個人的には一読では理解が溢れる感じがする。繰り返し読み、身に染み込ませたい。

  • パターン・ランゲージについて、ちょっと興味がでてきたので、とりあえず「入門」的に読んでみた。

    「入門」といっても、対話集なので、どこまで体系的に理解できるのかな?という不安があったり、まず原典というか、最初に始めた人(この場合、アレグザンダー)の本からスタートしてから「解説書」に進むという「パターン」が好きというのもあった。

    が、そういう懸念などは全く不要な素晴らしい本でした。

    パターン・ランゲージを当初の建築の分野からスタートし、ソフトウェア開発への応用、さらにはコミュニケーションなどの人間の活動への展開など、わかりやすく、丁寧に説明が進んでいく。

    それも、著者による一方的な秩序ではなく、対話のなかで生み出されていくというまさに「パターン・ランゲージ」を実践しながら、本が形成されていくプロセスになっている。

    さらには、竹中平蔵さんがでてきて、彼の政治経験をインタビューしながら、それをライブでパターン・ランゲージに整理していくところとか、手に汗握る展開。

    こういうプロセスが見えるとなんか自分にもできそうな気になってくる。

    井庭さんは、学びとか、プロジェクト、プレゼン、対話などをパターンランゲージにしている本とか、ダウンロードできるものを作っていて、しばし、その辺を読んだり、使ったりしてみたいな。

  • 建築から始まり、様々な分野へ応用され、またひろがりつつあるパターン・ランゲージの考え方を、様々な分野の専門家との対談から現在を明らかにする。「名付け得ぬ質」という言葉に、修士研究をしているときに出会いたかった。著者が竹中平蔵氏の教え子というのは意外。

  • パターン・ランゲージは建築やソフトウェア構築において、ある状況で発生する問題の解決方法を抽象化したパターンの集まりである。有限個のパターンを繋げ関連させ、言語化することで無限の関係を記述することができる。
    建築家のアレグザンダーが唱えたもので建築においては253のパターンがある。"窓のある場所"、"守りの屋根"、"活動の節点"などがあり、それぞれがある状況における問題の解決策になっている。
     パターン・ランゲージ1.0は建築など有形のものを対象とし、2.0は無形のソフトウェアなどに適用する。そして、3.0は人間の世界を記述する。竹中平蔵との対談で政策をデザインするパターン・ランゲージを作る様子はわかりやすい。
     しかし、例えば同じ要求に対する建築物を別々に同じパターン言語でデザインしても全く異なる結果になることがある。良いものと、悪いもの。
    生き生きとさせるための"センター"が必要なのだそうだ。アレグザンダーの最新に著作である"ネイチャー・オブ・オーダー"にこのあたりのことが書かれているとのことであるが難解だ。
     生き生きとさせるためには従来のアーキテクトという役割だけでは駄目で、設計だけでなく建造もできる"アーキテクト・ビルダー"というロールが重要になるのだそうである。

  • 細胞の喩えはしっくりきたかな。

  • アレクサンダーの名作がこのように発展しているのは驚きです。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

慶應義塾大学総合政策学部教授。
1974年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、同大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。専門は、創造実践学、パターン・ランゲージ、システム理論。株式会社クリエイティブシフト代表、および、パターン・ランゲージの国際学術機関 The Hillside Group 理事も兼務。2009 年にはマサチューセッツ工科大学スローン経営大学院 Center for Collective Intelligence 客員研究員、2018年にはオレゴン大学カレッジ・オブ・デザイン Portland Urban Architecture Research Laboratory (PUARL) 客員研究員として研究に従事。著書に、『複雑系入門』(NTT 出版、1998 年)、『社会システム理論』(慶應義塾大学出版会、2011 年)、『パターン・ランゲージ』(慶應義塾大学出版会、2013 年)、『プレゼンテーション・ パターン』(慶應義塾大学出版会、2013 年:グッドデザイン賞受賞)、『旅のことば』(丸善出版、2015 年:オレンジアクト認知症フレンドリーアワード大賞、グッドデザイン賞受賞)、『プロジェクト・デザイン・パターン』(翔泳社、2016 年)、『対話のことば』(丸善出版、2018 年)、『おもてなしデザイン・パターン』(翔泳社、2019 年)等。

「2019年 『クリエイティブ・ラーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井庭崇の作品

パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語 (リアリティ・プラス)を本棚に登録しているひと

ツイートする