日本の資本主義とフクシマ―制度の失敗とダイナミック・ケイパビリティ
- 慶應義塾大学出版会 (2012年11月1日発売)
本棚登録 : 7人
感想 : 1件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766419917
作品紹介・あらすじ
世界は原発危機から何を学ぶべきか。
感想・レビュー・書評
-
<内容>
本書は経営学におけるケイパビリティ論に基づき、なぜ「福島第一原発事故」が発生したかを論じている。まずケイパビリティ論に基づき、ア世界関数を定義し以前の経験から得られるソースから学習する主体としてアクター定義する。
加えて様々な資料を用いて、電力会社・政府・原子力技術者による原子力村は「物理的に安全な原子力発電」をおこなうケイパビリティに欠如しており、「社会的に安心とされる発電」をおこなうため、障害を排除するケイパビリティのみを増やした事で今回の大惨事を引き起こしたとする。
<感想>
電力・エネルギー論のなかで、もっとも優れた作品と断言できる。本書は多くの文献から得られた知見と、それを経営学の理論とを接合させることで、日本の資本主義のあり方に再考を促している。まさに、知的営為の手本である作品であるし、今後の社会科学はこのように「現実問題に対してどう政策提言・問題提起」をスマートにおこなうかが問われているといえる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示