世界史の中の近代日韓関係

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  • 慶應義塾大学出版会
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766420586

作品紹介・あらすじ

いま、日韓の歴史を国際関係から読み直す。

▼19世紀半ばから1945年を中心に、日本と朝鮮半島との関係を、世界情勢から読みとく一冊。

▼中国、ロシア(ソ連)、アメリカ、イギリスといった国々がどのような思惑を持って日本と朝鮮半島の関係を捉えてきたのか(あるいは実際に接してきたのか)をつぶさに見ることによって、両国間の事象だけを凝視していたのでは理解することのできない“歴史”に新たな光をあてる。

感想・レビュー・書評

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  •  「陰謀の大海において浮遊して、航海の障害物となっているので、港に引っ張って行ってつなげておかなければならない」・・・20世紀前半か、米国の研究者が朝鮮半島を評した言葉と本書で紹介されている。
     実際、李朝末期に清との安定した「属国自主」関係が揺らぎ始めてから、ロシアと日本を中心に列強が手を伸ばして来た。しかし、日清・日露戦争を経て朝鮮半島が日本の勢力圏に入ってからは、ロシアは日本の立場を認め、米国は桂・タフト協定にみられるように日本の勢力下にある方が安定して好ましいと考えていたようであり、またハーグ密使事件やパリ講和会議では、英仏等の他の国にも独立の訴えは実質的に無視されたような有様である。
     他方、朝鮮人(韓国人)自身も、好むと好まざるとにかかわらず、自力のみで泳ぎ渡っていくだけの力がなく諸外国に頼らざるを得なかったというのもまた事実ではないか。李朝末期から大韓帝国期にかけては親日派・親露派・親米派等と国内の政治勢力が分裂しており、また日本統治期には米中露(ソ)それぞれで現地権力の力を借りつつ独立運動を行っており、本書でも「彼らのあいだにおいての横の連携は基本的になかった」と分析されている。そして終戦時に金九が懸念したように、彼ら自身が日本の敗戦に貢献できず、そのことが戦後の米ソによって決められた分断状況につながった、という流れか。

  • 明治以降の詳細な日韓関係の分析。両国の不幸な関係が日本よりも鎖国からの開国が遅れ、欧米も火種を日本に委ねようとした責任もあったとの主張。また戦後の南北分断に至った背景などの豊富な資料に基づく説明は通説かどうかは知らないが、非常に説得力に富み圧倒される。日韓併合の日に寺内毅・朝鮮総監が歌った歌は、恐ろしい執念を感じた。「小早川、加藤、小西が世にあらば、今宵の月をいかに見るらむ」良心的な筆者の記述は信頼に富み、韓国に与えてきた日本の罪深さを今更ながら痛感する。日本への疑念から中央アジアへ朝鮮人を送り込んだスターリン、日本の単独占領を行うために、朝鮮半島の北をソ連に任せるという禁じてを使った米国・・・。著者があとがきで相談相手として防衛大学校の方々を挙げていることは驚き!

  • 和図書 319.1/N23
    資料ID 2013101747

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著者プロフィール

長田 彰文
上智大学文学部史学科教授。1958年生まれ。一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。
主な著書に、『セオドア・ルーズベルトと韓国―韓国保護国化と米国』(未来社、1992年)、『日本の朝鮮統治と国際関係―朝鮮独立運動とアメリカ 1910―1922』(平凡社、2005年)、(共著)『現代東アジア』(慶應義塾大学出版会、2009年)、ほか。

「2013年 『世界史の中の近代日韓関係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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