韓国知識人との対話Ⅰ 日韓の未来をつくる (韓国知識人との対話 Ⅰ)

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  • 慶應義塾大学出版会株式会社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766422269

作品紹介・あらすじ

▼私たちは、次の世代に何を残すのか?

▼日韓両国はどのようにお互いの過去を乗り越え未来を作っていけばよいのだろうか? 文学、スポーツ、芸能、ジャーナリスト、NGO代表、研究者、元駐日大使など、韓国の各分野で活躍する知識人とのインタビューから考える一冊。

▼韓流ブームからなぜ嫌韓ムードへ? / 元外相が語る日韓国交正常化 / ナショナリズムの克服と知識人の役割 / 日韓の自治体交流が果たす役割 / ITでつなぐアジアの大学 / ほか、幅広い分野の著名人との率直な対話から、日韓基本条約50年を迎える両国がもつ共通の課題と未来への突破口が浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

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  •  シリーズ第1巻の本書は社会・歴史分野ということで、インタビュー相手は学者、メディア、当局者が中心だが、一部は文化や市民活動の背景を持つ相手もいる。首相になった李洛淵知事、大統領候補に名が挙がった朴元淳ソウル市長もいる。
     本書全体から感じた違和感は、日韓関係がほぼ二国間関係の文脈から語られているからだろう(朴元淳市長は北京・ソウル・東京三都市の連携を語ってはいるが)。政治・外交分野を扱うシリーズ第2巻は「米中の狭間を生きる」が副題なのだが。また、生き証人が過去の日韓関係を語る第2章では、日韓・韓日議員連盟や瀬島龍三氏といった個人の人間関係が果たした役割が出てくるが、却って現在それが機能していないことに気づかされる。しばしば指摘されるように、日韓関係がごく普通の二国間関係になったということだろう。
     李明博大統領の竹島訪問自体には批判的な意見もあり、また必ずしも日本専門家でもない韓国人の中から朴裕河教授の『帝国の慰安婦』に賛同する声が挙がったことの紹介は、韓国社会にも若干の多様化があるのかと思わせてくれる。
     一連のインタビューが終わったのは2015年2月だという。本書では専ら安倍政権は保守・右派的で日韓関係に悪影響、朴槿恵大統領は中国寄り、とのトーンだが、同年末の日韓合意やその後のTHAAD配備をめぐる中韓関係を見ると、そのような見方が果たして的確だったのかどうか。

  • 韓国人は仕事ではきまったら、あとはやるだけ。日本では後で何度も確認しながら進めていく。

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著者プロフィール

(公)日本国際交流センター・シニアフェロー。慶應義塾大学・龍谷大学・韓国東西大学客員教授・ソウル大学日本研究所客員研究員。
1948年生まれ。東京大学法学部卒業、朝日新聞政治部長、論説主幹、主筆を経て、現職。日韓フォーラム幹事。
主要著作に、『戦後70年 保守のアジア観 』(朝日選書、2014年)、『新聞記者―現代史を記録する』(ちくまプリマー新書、2013年)、『闘う社説―朝日新聞論説委員室2000日の記録』(講談社、2008年)、『韓国と日本国』(共著、朝日新聞社、2004年)、『忘れられない国会論戦―再軍備から公害問題まで』(中公新書、1994年)、など。

「2015年 『日韓の未来をつくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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