- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766422733
作品紹介・あらすじ
山川方夫は精緻である。
言葉を選び、構文を磨き、美しい物語を織り上げる。
自伝的な作品のなんと誠意にあふれていることか。
池澤夏樹
▼空襲の激しくなった昭和19年、14歳の時に日本画家の父が急逝し、終戦後の混乱の時代に青少年期を過ごした山川方夫。芥川賞と直木賞のふたつの賞の候補になりながら、受賞にいたらぬまま34歳で交通事故のため急逝した山川方夫。没後50年にして、山川方夫のショートショートと純文学作品は新生する。
感想・レビュー・書評
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正直粗は多いが、魅力的な作家だと思った。
コルタサルに似ている。日常から非日常に変わる幻想性を描きつつ、テーマはそれを引き起こす人間の心の微妙な動きにあるようだった。面白かった。
夭折の作家ということもあろうが、自然科学を題材にした未来の正月の福寿草の話や、ピラニアの話は、作り込みが甘いと感じる部分があった。植物学者が分類学に疎いのはさすがにリアリティに欠けるし、ピラニアだって人工餌も食べる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【新着ピックアップ】ファーストネームはマサオと読みます。幼稚舎から大学院まで、生粋の慶応ボーイ。芥川賞に4回、直木賞に1回推されるも受賞には至らず、34歳の時、交通事故で亡くなりました。ショートショートにも冴えをみせ、「お守り」(『山川方夫全集』(913.6/Y27)第3巻収録)は、”LIFE”(P/053/L623)1964年9月11日号に”The Talisman”として掲載されています。
【Newly arrived!】Masao Yamakawa, a genuine Keio boy, was a Japanese author nominated for the Akutagawa Prize four times and once for the Naoki Prize. He was a skillful writer of short-short stories as well. One of his works “The Talisman” (Omamori) appeared September 11, 1964, in “LIFE” (P/053/L623).