小さな倫理学入門 (慶應義塾大学三田哲学会叢書 ars incognita)

著者 :
  • 慶應義塾大学出版会
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766422764

作品紹介・あらすじ

人間の弱さや卑しさに眼差しをむける小さくて深い倫理学の入門書

▼愛とは何か、正義とは何か、欲望とは何か、なぜ過去の記憶に悩まされるのか、偶然性とは何か、人生に意味はあるのか、そして〈私〉とは何か。身近な物事を通して、人間の弱さや卑しさに眼差しをむける、倫理学の入門書。

三田哲学会は創立100年を機に、専門的な研究成果を「生きられる知」として伝え、 公共の中に行き渡らせる媒体として本叢書の発刊を企図した。
シリーズ名は、ars incognita アルス インコグニタ。
ラテン語で「未知の技法」を意味する。
単なる知識の獲得ではなく、新たな「生きる技法としての知」を作り出すという精神を表現している。

感想・レビュー・書評

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  • 何のために生まれて何をして生きるのか。倫理学は人間とは何か、なぜ生きるのかということを考える学問。要は哲学。

    負けず嫌いな人は欲望に関する真面目な勉強家。妬みも攻撃性もない人は欲望を持ちにくい人。嫉妬とは他者から欲望を学習する機会。

    倫理で重要なのは隠すべき事と顕にすべきこととを明確に区別する事。

    呪いと怨みに生きる人は無時間的な時間を生きている。反復の中で退屈する事がない。
    記憶とは人間を苦しめる為だけに存在しているとは考えにくい。記憶は過去を永遠に後悔する為の苦痛の道具?

    何故自分の考えは正しいと、かなり無根拠に主張出来るのか?目立つ事、人の上に立つ事、権力、勝負の好きな人に多い。

    ブッダの言う様に、生老病死を四苦として受け止めるのが人生なら、人生は修行の過程であって快楽や幸福を求めるためだけにあるというのは、環境に恵まれた者の甘えや奢りでしかない様に思う。

    人生とは事実の積み上げから構成されるというよりも「なぜ?」と問われて答え=理由が与えられる様な出来事から出来上がっている。過去と未来との絆となる物語が示され、人間的行為の連鎖が見られる時「理由」となり得る。

    正義の味方とは…ロールズの正義論は裁くためにあるのではなく、育てるためにある。互恵性。互酬性とは異なる。

  • ぶっちゃけ倫理学んだことない人は読むの大変…倫理学の入門書というよりは著者の考え方のまとめに近いかも。

  • 倫理学の入門書として本書をとったが、読みやすい文量にも関わらず入門的よりも寧ろ非常に深い思索を流す本であった。中でも最終章の「<私>とは何か」については、借り物としての客観的な<私>への意識から、子どもの生誕という眼前に迫り来るリアリティに直面したことにより、筆者が演劇の客席から舞台に突然放り込まれた経験が書かれており、この眼前性又は真正性は教育においても非常に重要な示唆があると感じた。

  • 倫理学の手軽な入門書と期待して読んだが、全く異なる内容だった。確かに倫理学などの実践哲学の専門用語を用いているが、内容としては「人生哲学」だろう。エッセイだと思えば良いのだが……評価は読者の期待に依存するだろう。

  • 「欲望の倫理学」という小見出しが斬新。「欲望がなくなればもう倫理的にはなりえません」( ー`дー´)キリッ、とはなかなか言えない、

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