抵抗の文学:国民革命軍将校阿壠の文学と生涯

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  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766423136

作品紹介・あらすじ

▼「南京陥落」を中国人としてはじめて長篇小説に書きあげた幻の作家・阿壠の獄死はなにを意味するか。
中華人民共和国の政治権力闘争のはざまで歴史から抹消され、獄死後の1980年に名誉回復となった文学者・阿壠研究の礎となる記念碑的作品。

 中華人民共和国が誕生した一九四九年から数年後、文芸思想家・胡風を中心とする文学者たちが「胡風反革命集団」として一斉に検挙され、中国共産党によって断罪された。そして阿壠は「胡風集団」の「骨幹分子」として、節を曲げることなく獄死した。そこには個人の思想自体が国家に対する犯罪として裁かれ、創作と表現の自由が権力構造のなかで圧殺されていく姿が無残に物語られている。阿壠の人生と文学を詳細に検討することは、単に「胡風反革命集団」の事件が冤罪だったという再評価の問題に留まらず、文学と政治、文学と社会の根源的命題を深く掘り下げることに他ならない。
 実地調査、関係者への聴き取り、一次資料の解読を通して結実した著者二〇年来の研究成果の集大成。

著者プロフィール

1951年福島県生まれ。慶應義塾大学名誉教授。専門は中国現代文学。慶應義塾大学大学院修士修了、博 士(文学)。慶應義塾大学文学部長をへて2017~21年雑誌『三田文学』編集長。主な著書に『近代中国 その表象と現実』(平凡社)、『抵抗の文学 国民革命軍将校阿壠の文学と生涯』(慶應義塾大学出版会)など。主な翻訳書に 『飢餓の娘』(虹影 集英社)、『時間を渡る鳥たち』(格非 新潮社)、『南京 抵抗と尊厳』(阿壠 五月書房新社)など多数。

「2021年 『桃花源の幻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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