感じるスコラ哲学:存在と神を味わった中世

著者 :
  • 慶應義塾大学出版会
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766423198

作品紹介・あらすじ

十字架のキリスト、聖女の法悦、修道士のワイン
中世哲学における「感じること」に注目し、中世とは何だったのかを知る刺激的な入門書

▼キリスト教を背景とした、キリスト教の内部の思想である「中世哲学=スコラ哲学」を、「感覚」の次元でとらえる。

▼ワインの生産、肉食やパン食の普及など、市民生活に根差した文化や習慣の観点からスコラ哲学を考察することで、西洋中世の生き生きとした側面を明らかにする。

▼中世であれ現代であれ、東洋であれ西洋であれ、すべてのひとに共通する普遍性の次元である「五感」。味覚、触覚などの身近な感覚をとおして、「感じる」スコラ哲学をかんがえる、画期的な中世哲学入門書。

感想・レビュー・書評

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  •  わたしは動詞になる。これに反復継続の助動詞をつけてわたしはならう。そしてうつろいそしてかたらいそして立ち尽くすわたしのたたずまいをみよ。あなたへのふるまいの根底にあるのは肉体を座としてそこに根付きつねに現前化し安定した行動の型として現実化し消滅しがたく現在化して緩やかな同一性を保ちつづけ反復しつづけるわたしの自己模倣の能力であった。

    『自己の存在を維持することであれ、他者の存在を産み出すことであれ、それは坂道を登ることです。その過程が魂の傾向力に従うこと、重力に従って自ずと引き寄せられるものとなるためには、坂道の上りを下り坂にするほどの仕掛けが必要となってきます。人間の有する意識とは、いかに誤りやすい装置であるとしても、そういった仕掛けなのではないでしょうか。』176頁

  • スコラ哲学というよりは中世の「感じる」ことの解説と言った印象。神学について微塵も知らない僕だったが前半は非常に読みやすく中世のワインと神学の結びつきという真新しい話題を面白く理解出来た。後半は少し観念的、概念的で難解だったが、総合すると神学という学問に興味を持てる良いキッカケにはなったと思う。

  • 内容が難解で、飛ばし読み。

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著者プロフィール

山内 志朗
1957年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。現在、慶應義塾大学文学部教授。専門は、中世哲学。『普遍論争』(平凡社ライブラリー、2008年)、『存在の一義性を求めて――ドゥンス・スコトゥスと13世紀の〈知〉の革命』(岩波書店、2011年)など。

「2018年 『光の形而上学 知ることの根源を辿って』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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