学術書の編集者

著者 :
  • 慶應義塾大学出版会
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本棚登録 : 78
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766423525

作品紹介・あらすじ

▼読むこと そして 挑発 = 媒介

名古屋大学出版会の編集長として、数々の記念碑的な企画を世に送り出し、
日本の学術書出版を牽引する著者が、編集・本造りの実際について縦横に語る、
現役編集者必携、志望者必読のしなやかな鋼の如き編集論。

感想・レビュー・書評

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  • 【展示用コメント】
     文・理の差ってあるよね。「しなやかな鋼の如き編集論」(出版社HPより)

    【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?lang=0&amode=11&place=&bibid=2001686296&key=B151608005314336&start=1&srmode=0&srmode=0#

  • 資料部(16.10読了)

  • [三葛館一般 021.4||TA]

    大学にいると、論文や専門書を読んだり、執筆したり、場合によっては審査をしたり編集したりすることがあると思います。
    本書は、編集者や執筆者、読者にもわかりやすい言葉で学術書の成り立ちについて解説されています。いずれの章も大学出版会の編集長としての経験に基づいた内容で、学術書に関わるときの考え方を示してくれます。学術書や紀要、学会誌等の編集に携わる方は編集者として、学術書の著者になる予定の方は執筆者として、学術書を選ぶ(読む)方は読者として、それぞれの視点で知的好奇心がそそられ、各自の実践に役立つことと思います。
    大学の先生方をはじめ、学術的な情報に関わるすべての方におすすめします。

    目次----------------------------------
    はじめに
    序 章 学術書とは何か
     1 悲観せず、楽観せず ―― 出版をめぐる状況から
     2 情報か、知識か ―― 学術書をめぐる現状から
    第1章 編集とは何か ―― 挑発 = 媒介と専門知の協同化
     はじめに
     1 編集の役割(1) ―― たて・とり・つくり
     2 編集の役割(2) ―― 読むこと、そして挑発 = 媒介
     3 専門知の媒介 = 協同化の必要性
     4 専門知と徳科学論
     5 専門知の協同化の類型
     6 共通の知的基盤と「新しい教養」
     7 知識のメディエーションと「知識人の機能」
     8 大学出版・学術書出版の役割
     おわりに
    第2章 企画とは何か ―― 一つのケーススタディから
     はじめに1 ―― 話すのが苦手で著者に会うのが怖い編集者として
     はじめに2 ―― ほんとうのはじめに
     1 本の紹介 ―― 『漢文脈の近代』 という研究書
     2 出版企画について ―― 一般的な但し書き
     3 長い長い因縁話(1) ―― 「アジアからの衝撃」
     4 長い長い因縁話(2) ―― 文学への転位
     5 長い長い因縁話(3) ―― 著者を求めて
     6 長い長い因縁話(4) ―― 論文「小説の冒険」
     7 ようやく著者に会う
     8 目次案 ―― 論文集をつくる
     9 原稿の編集過程 ―― 時間との戦い
     10 そのほか三つほど ―― 装丁・タイトル・文章
     おわりに ―― 出版企画の点と線
    第3章 審査とは何か ―― 企画・原稿の 「審査」 をどう考えるか
     はじめに
     1 学術書の信頼性と 「審査」
     2 ピアレヴューの限界と学術書編集者の役割
     3 日本の学術書における 「審査」 をどのように考えるか
     4 さらに具体的な問題をいくつか
     おわりに
    第4章 助成とは何か ―― 出版助成の効用と心得
     はじめに
     1 出版助成の社会的効用 ―― 好循環による公共的価値の実現のために
     2 「採算」 にとっての出版助成の効用
     3 「採算」 以外の点での出版助成の効用
     4 新たな出版企画に積極的・能動的に挑戦するための手段として
     5 出版助成のデメリット
     6 インターネット上での研究成果の公開との関係
    第5章 地方とは何か ―― 学術書の「地産地消」?
     はじめに
     1 本の 「地産地消」?
     2 普遍的な知の 「地方」 性
     3 「めんどくさい」 知とその普及
     おわりに
    付 録 インタビュー「学問のおもしろさを読者へ」
     1 企画が生まれるまで
     2 橘流 「編集活動」 とは
     3 大学出版部の編集活動について
    ---------------------------------------
    (もも)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=86944

  • 橘さんは名古屋大学出版会の編集長をしていた人である。ぼくはかなり前からこの名古屋大学出版会の出す本に注目していた。出す本が専門外の人間が読んでも面白いし、また次から次へと賞を獲得するのである。これだけ賞を取る出版会もまれである。日本語では、ひつじ書房がそうで、ここの房主の松本さんにぼくは一目置いている。だから、本書が出たとき、ぼくはこの出版会を率いる編集長とはどんな人で、どのような考えで本を作っているのだろうと思いすぐに買ったというわけである。出版社には持ち込み原稿というものがけっこうあるので、それを審査すれば本がどんどん生まれそうに見える。しかし、橘さんは、それだけでなく、自ら著者を発掘し面白い本を書かせるのが編集者の醍醐味なのだという。その一例として橘さんは『漢文脈の近代』の著者斎藤希史さんにこの本を書かせるまでの過程を細かく紹介する。ぼくはこの本はもっているが、まだ読む気が起こらなくて積ん読状態であるが、気になる本であることは確かだ。橘さんは持ち込み原稿の審査、査読にもふれている。これは人ごとではない問題だ。原稿の審査ではアメリカが厳しいので有名らしい(ヨーロッパでもそれは同じようだ)。しかし、たとえば一つの原稿を二人の専門家に目を通させることは容易なことでない。だから、橘さんは、まず編集者がどう判断するかが大切で、それからだれかに読んでもらって意見が分かれたときに二人目を探せばいいと言う。ぼくもそれでいいのではないかと思う。大事なことは編集者の見識である。

  • 【書誌情報】
    四六判/上製/224頁
    初版年月日:2016/07/30
    ISBN:978-4-7664-2352-5
    Cコード:C1000
    税込価格:1,944円

    【目次】
    はじめに

    序章 学術書とは何か 
    1 悲観せず、楽観せず――出版をめぐる状況から
    2 情報か、知識か――学術書をめぐる現状から

    第1章 編集とは何か――挑発 = 媒介と専門知の協同化 
    はじめに 
    1 編集の役割(1)――たて・とり・つくり
    2 編集の役割(2)――読むこと、そして挑発 = 媒介
    3 専門知の媒介 = 協同化の必要性
    4 専門知と徳科学論
    5 専門知の協同化の類型
    6 共通の知的基盤と「新しい教養」
    7 知識のメディエーションと「知識人の機能」
    8 大学出版・学術書出版の役割
    おわりに

    第2章 企画とは何か ―― 一つのケーススタディから
    はじめに1 ――話すのが苦手で著者に会うのが怖い編集者として 
    はじめに2 ――ほんとうのはじめに 
    1 本の紹介 ―― 『漢文脈の近代』 という研究書
    2 出版企画について ―― 一般的な但し書き 
    3 長い長い因縁話(1)――「アジアからの衝撃」 
    4 長い長い因縁話(2)――文学への転位
    5 長い長い因縁話(3)――著者を求めて
    6 長い長い因縁話(4)――論文「小説の冒険」
    7 ようやく著者に会う
    8 目次案――論文集をつくる
    9 原稿の編集過程――時間との戦い
    10 そのほか三つほど――装丁・タイトル・文章
    おわりに――出版企画の点と線

    第3章 審査とは何か――企画・原稿の 「審査」 をどう考えるか
    はじめに
    1 学術書の信頼性と 「審査」
    2 ピアレヴューの限界と学術書編集者の役割
    3 日本の学術書における 「審査」 をどのように考えるか
    4 さらに具体的な問題をいくつか
    おわりに

    第4章 助成とは何か――出版助成の効用と心得
    はじめに
    1 出版助成の社会的効用――好循環による公共的価値の実現のために
    2 「採算」 にとっての出版助成の効用
    3 「採算」 以外の点での出版助成の効用
    4 新たな出版企画に積極的・能動的に挑戦するための手段として
    5 出版助成のデメリット
    6 インターネット上での研究成果の公開との関係

    第5章 地方とは何か――学術書の「地産地消」? 
    はじめに
    1 本の 「地産地消」?
    2 普遍的な知の 「地方」 性
    3 「めんどくさい」 知とその普及
    おわりに

    付録 インタビュー「学問のおもしろさを読者へ」
    1 企画が生まれるまで
    2 橘流 「編集活動」 とは
    3 大学出版部の編集活動について


    あとがき
    初出一覧
    参考文献

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著者プロフィール

橘 宗吾
名古屋大学出版会 専務理事・編集部長。大学出版部協会理事(中部地区担当)・編集部会副部会長。1963年兵庫県加古川市生まれ。1989年京都大学文学部フランス語・フランス文学科卒業。以後、一貫して名古屋大学出版会で学術書の編集に携わり、1997年より編集部の責任者も務める。人文学・社会科学を中心に幅広い分野の書籍を手がけ、担当した書籍は、さまざまな学会賞のほか、日本学士院賞、大佛次郎賞、毎日出版文化賞、日経・経済図書文化賞、サントリー学芸賞、アジア・太平洋賞、大平正芳記念賞、角川源義賞、和辻哲郎文化賞、渋沢・クローデル賞、マルコ・ポーロ賞、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞、レッシング翻訳賞、日本翻訳文化賞、同出版文化賞などを受賞。受賞数は100を超える。そのかん名古屋大学出版会も、1998年の梓会出版文化賞特別賞のほか、2007年に「学術分野での先駆的出版活動」が認められて中日文化賞を受賞した。

「2016年 『学術書の編集者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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