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- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766423662
作品紹介・あらすじ
日本文学史を読みかえる、俊英による革命的な文学論。
▼近代から現代に至る文学の「視覚性」に注目し、日本に脈々と流れる「曖昧」の系譜を辿ることで、
「意志」をめぐる近代の激しい攻防をあぶりだす。
▼映画や写真など、テクノロジーの革新による「視覚性」の新たな編成が要請された近代以降、
日本文学において、柄谷行人が、その端緒を「風景の発見」と述べたように、視覚性=認識、
すなわち「内面」の問題が、大きな関心事でありつづけた。
しかし、本書で探求されるのは「風景」や「近代的自我」や「主体性」ではなく、
「不安」、「夢見」、「言い間違い」、「意志薄弱」といった、「曖昧」きまわる様態である。
▼正岡子規、夏目漱石、内田百閒、志賀直哉、横光利一、川端康成、大江健三郎を中心にして、
近代文学における「曖昧」の系譜を可視化し、文学史そのものを読みかえるのみならず、
日本「現代」文学の起源を突き止めてゆく、大胆不敵な一書。