アーレントと二〇世紀の経験

制作 : 川崎 修  萩原 能久  出岡 直也 
  • 慶應義塾大学出版会
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 20
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766424409

作品紹介・あらすじ

アーレントをいま、読む意味はなにか?

20世紀の政治的惨禍と真正面から対決した思想家は、
21世紀を生きるわれわれに何を語るのか?

全体主義、政治的悪、ナショナリズム、革命……、
彼女が遺した政治の苦境と可能性をめぐる問いかけを、
現代の諸学知から改めて読み直すアクチュアルな一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • -

  • 財産とは本来、たとえば「自分の家をもつ」ことがそうであるように、各人に「世界の中に自分固有の場所」を与える機能をもつ。すなわち財産を所有することは、公的領域とは区別された「私的領域」を確保し、個人が尊厳ある生を送るための不可欠の条件なのである。しかし近代資本主義の勃興とともに、財産は互換可能な商品となり、社会的な「富wealth」の蓄積過程へと徴用されていったのであり、その結果、人々は社会から隠れて生きるための私的領域を奪われ、剥き出しの労働力として「社会的なものの過程」にますます駆り立てられてゆくことを余儀なくされている。市場原理が財の適正な配分を実現して「個人の自由を守る」、などという「自由主義的経済学者」の「楽観主義」は、アーレントから見れば、何の根拠もない寝言にすぎない。今日個人の自由を脅かしているのは「国家ではなく社会であり」、個人の自由を保証するものは「国家」を措いてないのである。

  • 東2法経図・開架 311.2A/Ka97a//K

全3件中 1 - 3件を表示

川崎修の作品

ツイートする