歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史

制作 : ジャレド・ダイアモンド  Jared Diamond  ジェイムズ・A・ロビンソン  James A. Robinson  小坂 恵理 
  • 慶應義塾大学出版会
3.06
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本棚登録 : 247
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766425192

感想・レビュー・書評

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  • http://naokis.doorblog.jp/archives/Polynesia_and_Frontier.html【書評】『歴史は実験できるのか』ポリネシアとアメリカ西部開拓 : なおきのブログ

    <目次>
    プロローグ
    第1章 ポリネシアの島々を文化実験する パトリック・V・カーチ
    第2章 アメリカ西部はなぜ移民が増えたのか
     ――19世紀植民地の成長の三段階 ジェイムズ・ベリッチ
    第3章 銀行制度はいかにして成立したか
     ――アメリカ・ブラジル・メキシコからのエビデンス スティーブン・ヘイバー
    第4章 ひとつの島はなぜ豊かな国と貧しい国にわかれたか
     ――島の中と島と島の間の比較 ジャレド・ダイアモンド
    第5章 奴隷貿易はアフリカにどのような影響を与えたか ネイサン・ナン
    第6章 イギリスのインド統治はなにを残したか
     ――制度を比較分析する アビジット・バナジー+ラクシュミ・アイヤー
    第7章 フランス革命の拡大と自然実験
     ――アンシャンレジームから資本主義へ
     ダロン・アセモグル+ダビデ・カントーニ+
     サイモン・ジョンソン+ジェイムズ・A・ロビンソン
    あとがき 人類史における比較研究法
     ジャレド・ダイアモンド+ジェイムズ・A・ロビンソン
    原注

    2018.06.10 偶然見つける。ダイアモンドの新刊。
    2018.06.16 予約 17人待ち
    2018.08.21 読書開始
    2018.08.27 読了

  • 歴史学という学問は一般的にナラティブで定性的な叙述の積み重ねによるものだと理解されている節があるが、本書では自然実験という統計学のアプローチを用いた歴史学の世界のパースペクティブを極めて明快に提示してくれる。

    自然科学において何かしらの因果関係を証明しようとする際には、原因にあたる因子を盛り込んだ実験群と、その因子以外の条件を全て同一にした対照群とで、比較実験を行うアプローチが一般的である。一方、社会科学たる歴史学においては、当然そのような純粋培養された研究室で測定できるような実験は不可能である。

    そうした社会科学において取り得る統計的アプローチが自然実験というもので、これは自然環境などの先天的条件や制度・規制・統治方法等の後天的条件などの組み合わせにより疑似的に複数の実験群と対照群を分析する方法論である。

    本書では以下のような8つのケーススタディが示される。
    ・アフリカの奴隷貿易は、その後から現在に連なるアフリカの経済所得の低さと関係しているのか
    ・太平洋諸島で森林破壊が発生する要因は何か
    ・アメリカ、メキシコ、ブラジルの銀行制度の設立に影響した因子は何か

    本書の面白さは、自然実験というアプローチを、対象が広範囲かつ時間軸も長い歴史学の中でどのように導入することができるかを読むだけでも面白いケーススタディを通じて学べる点にある。これらを通じて、自然実験という統計的手法について同時に理解することができ、歴史学に興味のない人にこそ読んでほしい一冊。

  • 気候が異なるポリネシア諸島、ハイチとドミニカ、アフリカの奴隷による人口流出の状況などによって、同じ条件のもとどう変わっていくかを見ていった。ポリネシアでは争いが大きくなっていった(イースター島)。アフリカでは奴隷は豊かな国でより取られ(貿易が盛んだったので)それによりその地域は没落していった。ハイチとドミニカは、連行されてきた奴隷の構成(ドミニカの方が多様性がなくコミュニケーションが取れていた)、独立時のリーダーの国土に対するアプローチにより大きくその後の繁栄度合いが変わった。

  • 複数著者からなり、研究対象も様々な内容で構成されていてすぐに読み切ってしまえた。 歴史の勉強は発生した事件と原因の羅列であることがベースとなっており、考古学もしくは文献的な証拠に基づくものである。本書の比較研究法は、思いもよらなかった因果関係や、新たな視点で事物を洞察できる点において画期的で、辻褄が合う説明に食い付きやすい人間のミスを緩和する面もあると感じた。 統計的な内容は専門度が強くてはっきり理解できないところではあるが、そこは割り切って流してしまってよいかと

著者プロフィール

ジャレド・ダイアモンド
1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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