- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766429404
作品紹介・あらすじ
サンリオ創業者の辻信太郎と、詩人のやなせたかしが出会い、抒情とヒューマニズムの夢をのせた出版事業が走り出す。「かわいい」キャラクター事業のかたわら、数々の出版物を世に送り出した新興企業は、他に類のない多彩な文化事業展開をみせ、多くのファンを獲得していった。
大量消費時代に先駆けた1960年代から1980年代までのサンリオ出版を、「女性文化」や出版史のなかに位置づける初めての試み。
★小手鞠るい氏、小池昌代氏、永田萠氏、元『いちご新聞』編集長・高桑秀樹氏の関係者説話も収録
★カラー口絵、図版多数
装画=やなせたかし
装丁=成原亜美
感想・レビュー・書評
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今では徐々に知る人も少なくなっているが、サンリオはキャラクター事業と並行して出版事業を手掛けていた。
特に自身が最初に知って驚愕したのはサンリオが80年代にサンリオSF文庫という文庫シリーズで、かなりハードエッジな海外SFの翻訳を行なっていたことである。あまりにもサンリオのキャラクタービジネス事業とは距離がありすぎて、一体どのような経緯で始められたものなのかずっと謎であり、それが本書を手に取ったきっかけである。
本書はそんなサンリオの出版事業について、複数の研究者がそれぞれの専門性に基づいて論じた論考集である。対象となる出版事業の範囲としては、
・アンパンマンの作者であるやなせたかしが選者を務める詩の公募雑誌「詩とメルヘン」
・少女向けマンガ雑誌「リリカ」
・いわゆるハーレクインロマンス的な女性向けロマンス小説
・サンリオSF文庫
と多岐に渡る。
ボリューム的には「詩とメルヘン」に関するものが多く、それはこの雑誌からデビューしたメルヘン系の詩人が多い点にも起因する。この「詩とメルヘン」への会社としての力の入れ方には、創業者である辻信太郎の平和への強い憧憬が背景にあり、そうした観点からもサンリオという企業の企業文化を知る良い材料であると感じた。 -
「いちこ新聞」「詩とメルヘン」「サンリオSF文庫」、辻信太郎、やなせたかし先生…そして映画事業まで。懐かしいなと思ったり、そうだったのかと思ったり。
本の中で松戸のサンリオ劇場が出てきた。松戸に住んでいた頃よく行ったが、映画が始まる前に天井に星がキラキラしていた覚えが…。
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