スティーブ・ジョブズ 神の策略 (リュウ・ブックスアステ新書 81)

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  • 経済界
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766710816

感想・レビュー・書評

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  • ここに描かれてれいるウティーブ・ジョブズ像ははっきり言って「黒い」です。そのあまりの闇の深さにジョン・スカリーではありませんが本当に唖然としました。光あるものは闇も深い。そんな事実を突きつけられます。

    やっぱりこの人の書いているジョブズ本は非常にわかりやすくて面白いですね。今回ここに書かれているものはスティーブ・ジョブズが現在の地位にたどり着く前に行った数々の『策略・交渉事』に関するエピソードが収録されておりまして、僕は始めてこの本を読んだときに
    「えぇ、ジョブズってこんなに黒い部分があるのか!」
    と正直、引きました。

    アップルに復帰する際に自分を引き立ててくれたギル・アメリオを裏から手を回して追放したり、また、ジョン・スカリーとの関係に決定的な亀裂が入ったときに彼を追い落とそうとクーデターを画策するジョブズが描かれていて、僕自身も、ジョン・スカリー同様、スティーブ・ジョブズのダークサイドにものすごい衝撃を隠せませんでした。しかし、猛獣のような社員たちがいて、彼らをひとつの方向に導いていくためには正攻法ではたちまちやっつけられてしまうということ。だからこそ、彼のような現場のもっとも細かいところまで徹底的に口を出してアメとムチ、天使と悪魔の顔を使い分けるようなマネジメント術が必要なんだなと、そう感じました。

    対照的にアニメスタジオのピクサー社では社内ではエド・キャットムルに製作現場を取り仕切らせ、自らは巨人であるディズニー帝国に真正面から切り込んでいって、マイケル・アイズナーやジェフリー・カッツェンバーグたちなどの「大御所」たちを相手にウルトラC級の交渉術を駆使して数々の無理難題をディズニー側に飲ませるプロセスは痛快ささえ感じました。

    今、僕はピクサーのCGアニメが大好きで、よく見ているんですけれど、これで発生した利益や権利を自分により有利な方向にもって行く、その執念は見習うべきところが多かったです。彼にしかできないとが多々ありますけれど、我々にできることは、彼のいい部分を個人の裁量で取り入れていく。それから始まるのではないでしょうか?

  • 嫌われようが、憎まれようが、うそをつこうが、すばらしいものを作りたいというその情熱には胸をうたれる。読んでいるだけでこっちも力が湧いてくる。

  • 「決して素顔を見せてはいけない。目的達成まで本心は隠し通せ」という言葉に非常にひきつけられ、買ってみました。すると、かなりの良書で、本当に買ってよかったです。

    今までの常識をくつがえす「何をやるかじゃない、何をしないかだ」というシンプルさを追求する考え方が彼の製品に組み込まれていること。

    「この世に安定などない、次のチャンスがあるだけだ」というように、世の中が安定志向や安定を求めて暮らす中、数々の失敗と挫折を繰り返しながらここまで世の中に貢献したジョブズ氏の心ににびく言葉が多く書いてあります。

    この本のすごいところは、徳川家康が日本の歴史で勝ち抜いた話など日本史と比べてジョブズの戦略を書いている部分もあるということです。成功法則や紙の策略は国境を超えて世界共通だということも分かります。

    今のパーソナルコンピュータやGUI、マウスの概念を考えて大きく世の中に貢献したスティーブ・ジョブズの策略・・・神の策略がよく理解しやすい本です。

著者プロフィール

ビジネスコンサルタント

「2022年 『イーロン・マスクはスティーブ・ジョブズを超えたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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