商いデザイン: デザインと経済はリンクしている。

著者 :
  • 経済界
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766784206

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代、10年以上前に購入し、積読していたものをいざ思い立って読みました。
    古いものなので、内容としてはあまり参考にならないかなと思っていたけど、日本の経営者の考え方というのはまだまだ変わらないことが多いのか、現代にも当てはまるものばかりだと思った。
    特にいち社内デザイナーとしては、悩んでいる項目が言語化されているように感じ、参考になりました。


    ---個人的に印象に残った項目---

    ・著者がヨーロッパの在日大使の部屋をデザインする仕事があった際の話。デザインコンセプトの提案は有料というのが彼らの常識。当時の日本では無料のもの、空気のようなものに金を払う必要があるのかという認識であった。
    ∟現代ではさすがにデザイン提案料というのは根付いてきたと思うが、古い考えの人もまだまだ大量にいるよなと思う。いつか理解される時がくるのかなあ。

    ・デザインなど関係ないと思っている経営者に、あなたが日頃会社をこうしたいと思っている、それこそがそのままデザインなんですよと伝えたい。
    デザインは機能性ありきのものであるということ、無駄を削ぎ落とし完成された形を求めるものという意味で同じ、ということ。
    ∟これも、日本の経営者に理解される時がくるのかなあ。

    ・都市デザインについて、日本の木造建築は焼失しやすいことや国土や都市を破壊されるレベルの戦争は太平洋戦争までなかったため展望がたちにくかった。対してヨーロッパは戦争や侵略の連続であり、都市機能を守るということから都市計画が根付いていた。石造りなので尚更かなりのスケールで長期計画必須だった。
    ∟戦争の歴史によって都市計画に差ができたということ、納得しました。現実的な目的があって国全体が動かないとああはならないのですね。

    ・クライアントの意向をはっきり聞き出す取材力がデザイナーに一番必要な才能。クライアントの思い入れをデザインに翻訳することがデザイナーの仕事。

    ・社内デザイナーの苦悩について「デザインは金食い虫」という声に対して自らの意見を通すためのプレゼンテーション能力や社内交渉力を磨いたことがあるか、社内評価を得るための努力が必要。
    が、それにしても同じアイデアを提案したとしても社内では聞く耳をもたず、社外の意見だといえば話が通るという「面白くない」傾向がある。

    ・企業は何らかのジャンピングボードをデザインに求めるが、それよりも重要なのはそれが売れること
    ∟そして短期的ではなく未来を見据えた育てる目線が大事だと思う。長期的に会社の利益へつながるデザインがしたい。

    ・商品デザインは機能的に消費者のニーズをつかみ、売れる商品にする。広告デザインは企業のイメージアップ、販路の拡充を図る。空間デザインは社員のモチベアップ、クライアントへの信頼度アップ。

    ・オフィス空間やロゴを一新したことで平凡な会社の利益を数倍にした話。最初は否定的意見が持ちきりだったが、いざ一新されると周りから「いいよね」という評価を得て、社員のモチベがあがり自分たちの仕事にプライドを持つようになる。効率があがり表情もよくなる。

    ・経済産業省「感性価値創造イニシアティブ」
    性能、信頼性、価格に次ぐ第4の価値として定義。

    ・デザイナーの基礎的な職業訓練の部分/自分のアイデアを反映させた社内での企画書の書き方、それを通すための「根回し」を含めたプレゼンテーションの仕方。社会人として、営業力も含めて見所があると思われるようになるべし。

    ・企業により製品品質の差異がなくなってくると、感動や共感をよぶ五感に関わる部分が大事になってくる。

  • 「デザインは利益を生む」。私たちが何気なくいつも見ているデザインは、商いに通じているの です。「デザイン」が「商い」と密接な関係を持っていることはまぎれもない事実であり、これ はそのような視点から書かれた一冊となっています。東京タワー、代々木体育館、エッフェル 塔......。身近なものから、商いとデザインの関係性を紐解きます。メッセージを伝えるため?デ ザインの力、デザインが導くものとは?デザイナーの作品というだけではない奥深い「アキナイ デザイン」の世界、皆様も触れてみてはいかがでしょうか。

  • デザインとは翻訳装置
    ブランディングデザイン 経営側に近い発想
    失敗するケース 経営者とのコミュニケーション不足




    狙いを形にする作業

  • デザインとは何か、またデザインとはどのような進化を遂げて現代にあるのかについて著者自身のデザイナー人生を通して書かれている本。デザインの歴史やあり方を著者自身の経験談も交えて話しているため、リアリティがある。またデザインに必要なことを述べているので将来店を経営したい人やデザイン系の職に就きたい人は是非読んで欲しい作品である。

  • だじゃれ?

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