プラネタリウムを作りました。: 7畳間で生まれた410万の星

著者 :
  • エクスナレッジ
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767802510

作品紹介・あらすじ

幼いころに星空や宇宙に興味を抱いてプラネタリウム作りを始め、次第に興味を深めながら、時に問題にぶつかりつつも、より美しい星空を求めてプラネタリウム作りに取り組んできた記憶であり、またその心を書き記したものである。

感想・レビュー・書評

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  • 昔、「大人の科学」という雑誌にプラネタリウムの付録がつくというので試しに買ってみたことがある。おもちゃだろうとそれほど期待はしていなかったのだが、不器用なぼくには何時間もかかるくらい組み立てるのが大変で、なんとか作り上げて、暗い部屋で点灯してみてびっくり。
    それからしばらくプラネタリウムがマイブームになって、ダンボール?製のプラネタリウムが壊れてばらばらになってしまったあとは、市販のホームプラネタリウムを買ってみたりしたが、最初に作ったときの感動はなかった。
    このダンボールのプラネタリウムを監修したのが、著者だった。

    ほぼ独学で、世界のプロがのけぞるプラネタリウム(ダンボールじゃないよ?)を作り上げた著者だが、天才というわけでもない。失敗したり、後戻りしたり、爆発したり、英語に苦労したり、そこらに居そうな工作マニアのにーちゃんだ。しいて言えば、プラネタリウムを作るために大学を休学したり、電源回路の勉強をするために電源メーカーの会社でアルバイトしたり、音響やカメラの専門家に助けを求めたり、メーカーに就職しながら週末の休みはプラネタリウム制作に励むという、「好きなものに没頭する天才」というところか。ちょっと植村直己の「青春を山に賭けて」を思い出した。やっていることがとりわけ世のため人のためになるわけでもないところも似ている。著者はプラネタリウムの国際会議で「It's my hobby」と翻訳されて爆笑されたらしいが、それでいいんだと思う。

    とりわけ上手な文章ではないが、アイデアや試行錯誤や苦労が克明に書かれていて、迫力があって面白かった。モノ作りの楽しさに久しぶりに触れた。

  • ふむ

  • 大平さんの『プラネタリウム男』より昔の話。より詳しく書かれており面白かった。2冊とも読むべき。

    読み物としては『プラネタリウム男』の方が完成度が高いと思われるが、日記としてや、ものづくりの楽しさ大変さを知るものとしてはこちらの方が詳しく書かれており面白かった。

  • 移動式プラネタリウム。
    天の川の見えないところまでつくりこむ奥深さ。
    ものづくりへの情熱、
    教えられるがわから教えるがわへ。
    C0044

  •  手作りで世界でも類を見ないプラネタリウムを作り上げてしまったあんちゃんの製作記。よけいな思想信条を入れず、ほぼ記録に徹しているのがすがすがしい。自宅にクリーンルームをつくり、レーザーで原板を彫るための機械も自作し、できあがったのは企業が科学館におさめているものに100倍する星を映し出すプラネタリウム。
     大阪で開かれた国際的なプラネタリアンの祭典で、大学の4年間をかけてつくったプラネタリウムの発表を行う大平氏。最後に付け加えられた言葉の同時通訳「It's my hobby」と同時に、場内が大爆笑になったそうだが、気持ちはわかる。ばかばかしいほどの偉業に接すると、あきれはてるやら爽快やらで、まさに笑いがこみあげてくるのだ。
     好きなものをを極めると、ここまでいけるんだよ、という勇気が湧く話。大人はもちろんだが、高校生くらいまでの若者に、ぜひ読ませたい。

  • 自宅ソファーで読了

  • 「大人げない大人になれ!」で、
    大人げなさを取り戻すための本棚…として紹介されていた本。

    昔、キンキキッズのつよしが主演したドラマのモデルだと思う。

  • 私のバイブル。中2のときにかってから何度も何度もよんだ。
    大平さんに憧れてプラネタリウムも作った。厚紙に穴を開けて何度もつくりなおした。

    大平さんに憧れつづけて5年後、
    大学生になった私は東京にいって、メガスターをみにいった。
    科学館で泣いた。涙がしばらくとまらなかった。プラネタリウムがあまりに素敵すぎて。

    ちいさいときから宇宙がすきという思いは同じのはずなのに、この人はここまで突き進めてしまった。けれども私はそこまでいかなかった。

    大平さんと同じように、自分の部屋に蛍光塗料で星を書いた少女は、文系に進み、宇宙と関係ない勉強をしている。

    いや、宇宙に関係ないものなんてないかもしれない。

    大人だけでなく、子供たちにも勧めたい一冊。

  • 小学生の頃から、プラネタリウム制作にはまり続けている大平氏の軌跡。
    毎回、初上映のくだりはドキドキしますね。

    いいなぁいいなぁ、そんなに好きなものがあるっていいなぁ。

  • メガスターまでの凄まじい話… 天才としか言いようが無い…

  •  実はプラネタリウムとは感動を見るための装置だったのだ。今ではプラネタリウムクリエーターという肩書きの大平さんは、プラネタリウムで感動を見せることに始めて成功した。そんな点でギネス級だ。
     内容といえば、小学生時代から始まるプラネタリウムの製作過程が年を追って徒然と書かれる。事実をただ書いているだけなんだけど、その製作記録が圧巻なのだ。
    「無いから作りました。」これのオンパレードでとにかくありとあらゆる機材、部品を自作してしまう。オタク満開で、コレが美少女戦士フィギュアとかだったらシャレにならないゾ。彼がCMに出たり番組で特集されたりしたのはつい最近だけど、1979年ぐらいから、僕の知らないところですでに物語は始まっていたのだ。今もどこかでいろんな物語が沸いていると思うとなんかワクワクする。
    とにかく、自分も何かできるかもって思わせてくれる元気が出る本。一日で読みきれるから是非一読を。

  • プラネタリウムをつくる話。
    パラ読み。
    技術者必読。
    184ページの自問自答に震える。
    人は星が見たい。
    家庭用のプラネタリウムが欲しくなる。

  • 科学は苦手だけど、天文ならまかせて!という私、元科学部副部長の愛読書。笑

  • 子供の頃から一貫してプラネタリウム作成に情熱を注ぎ続けるその飽くなき姿勢。人の目に見えないレベルの等級の星にまで拘る気質。必要な機材は資金がなければ自作するだけという気概。まいった。プラネタリウム行きたくなった。東京だと何処にあるんだろう。

  • 技術バカがアートとか癒しとかに触れるととたんに文体が気色悪くなるので、メガスターが完成したあたりでやめとけばよかったのに。(はい、今俺無駄に敵増やした。)

  • メガスターを作った大平氏のプラネタリウム作成日記。
    小学生のプラネタリウム初制作から、社会人になって、410万もの星を投影する本格的なプラネタリウムを作った話まで、様々な苦労と克服、そして達成感が綴られている。
    筆者の素晴らしい人間性によるものなのか、泥臭いことがたくさんあったはずであるにも関わらず周りの人々に支えられた楽しい制作活動の様子が伝わってくる。没頭できるものがほしいなと思わされる本。
    そして、メガスターに行きたくなった。

  • ホームスター持ってます!大平さんは、中途半端にやってたらただの変な人で終わる事を、好きすぎてやりすぎてしまった、大変な、まれにみる、素晴らしい方です!!夢を追いかけるなら、とことんやっちゃって良いんだと勇気がわく。しかし、こういう方の生き様を見るたびに、親御さんもすごいなと思います。子供を止めないのね。一見風変わりで、大丈夫かなって思っちゃいそうなのにね。大平家、素晴らしい。

  •  投影星数世界最高峰のプラネタリウム「メガスター」を生み出した大平貴之さんの半生記。
     蛍光塗料の星を部屋に貼り付けた人工の星空から、ピンホール式プウラネタリウム、レンズ式プラネタリウム「アストロライナー」。一歩踏み出す度に技術の壁にぶつかって、時には独力で、時には周囲の人々に支えられながら、手探りで解決法を探していきます。自宅にクリーンルームを作ったり、レーザープロッタも自作したり、冷静に読めば「普通はそこまでやらないでしょ」ということを、淡々と積み上げて、やがてメガスターが完成します。
     投影機の仕組みを解説する図版も多く、読みやすい本です。

  • これまでの制作の記録が淡々と語られるかと思いきや、読んでいるこちらにも、手が震えるような興奮、祭りのあとのかすかな淋しさや成し遂げたことの感動が伝わってきて、胸が熱くなるところもあり…想像以上に良い本でした。さらりと語られるたった一行におさめられた言葉の裏に、どれだけの挑戦と努力があるか。やはりやんごとない人だと思います。自然への畏怖とテクノロジーへのロマン!いい言葉です。

  • (図)

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著者プロフィール

プラネタリウム・クリエーター。ギネスワールドレコーズに認定されたプラネタリウム「MEGASTAR」を開発。国際プラネタリウム協会 TECHNOLOGY&INNOVATION AWARD2018受賞。

「2018年 『大人の科学マガジンBESTSELECTION01 ピンホール式プラネタリウム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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