- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767808987
作品紹介・あらすじ
「奇妙な想像力」がつくりあげたこの「奇妙な世界」。奇界、そこは狂気が正気と呼ばれるところ。
感想・レビュー・書評
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表紙のこの写真が、この写真集がどういうものなのかを物語っている気がします。
クレイジージャーニーで佐藤さんを知ってから、虜に。展覧会も観に行ったことがあります。
世界各地の奇妙な建物や風習、伝統、文化をこの一冊で体感できます。一枚一枚の写真のインパクトに唯々圧倒されます。
私たちから見たら一見奇妙な物に見えますが、現地の人からするとそれは日常にある普通です。逆に世界の人から見れば奇妙な物が、日本人の私達にとっては普通の物だったりします。
普通って、年齢、性別、国、時代等が違えば、簡単に変わる基準なんだと、思い知らされます。
もっと自分の世界観を広げていきたいですね。
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旅先の本屋でふと目に入り、あー、あの人のだぁ、と。
早速、調べると図書館にあるではないか。
たまにしか行けない海外で、絶対選ばないところへ連れていってくれます。なかでも、壮大で美しい景色は、自分の眼で確かめてみたいと思えました。
行ってみたくなった「奇界遺産」
エリア51、ロズウェル、ナスカの地上絵、イースター島
イースター島は、小さい頃から興味があったけど、日本とそんな関わりがあったとは・・!
解説もいちいち楽しい。
2も3も読もう。
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ワクワクしながら読んだ(見た?)
スペインの岩の上にある街、怖くてドキドキ、岩の下にある街はハラハラ。人間って面白くてやがて悲しい哉…
居ながらにして世界旅行気分。 -
不可思議な風景や光景・・・奇妙な世界の遺産の写真集。
53の場所を、奇態・奇矯・奇傑・奇物・奇習・奇怪に分類。
一か所につき2~6ページ。ほぼ写真。添えられた文は軽妙洒脱。
奇界地図有り。イラストは漫☆画太郎。
ぶっちゃけて言ったら、ヘンな建造物と死体がいっぱい。
でも、詳細に見れば、人間の執心の現れでの、蒐集や建造、作成。
不可思議でキッチュなテーマパークのようでも、
その地域の者からは敬虔なる宗教心の現れと捉えられる建造物。
日本にもある巨石や男根信仰、遠隔地の寺院、奇妙な建造物等は、
国が違えば、おおらかでスケールが違う。岩に挟まれた場所に
家屋を作っちゃうなんて・・・。
しかも、よくもまぁ現存していることに驚かされてしまいました。
そして過去・・・遺跡や滅亡した民族の記録は哀愁が漂います。 -
世界の「奇」なる事物をめぐる写真集である。ほぼ知らなかったものばかりで、世界は広いな〜の感慨しきりである。写真はもちろん面白いし美しいものも多いのだが、何しろ佐藤健寿さんの文章が好きなもので、それぞれの事物について佐藤節炸裂の解説が読めるのも楽しかった。
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時間やお金がかかったり危険だったりして自分ではなかなか行けないところ、興味はあるけれども行くには躊躇するところなどが満載で面白かった。さすが佐藤健寿!面白いものを見つける嗅覚と、面白いと思う視点が他の追随を許さない。
フルカラーでこの分厚さ、それでいて3800円という値段はコスパ良すぎるのではないだろうか。もちろん本物の体験や経験とは比べ物にはならないと思うが、写真集を見て思いを馳せたり、世界観が広がったりするのもまた良し。 -
ひとことで言うなら、世界各地の妙な場所、モノ、人、を集めた写真集。
どのくらい妙かというと、ミイラ博物館とか、貝殻と珊瑚でできた寺とか、光合成する不食の男とか、そーいう。
そして感想を述べるなら、「うわあ…。」としか。
なんというか、ヤバい、し、グロいしエグイ。
このカメラマンさんもねえ…こんなんばっか求めて世界をさすらってるんでしょ?大丈夫かなあ…正気でいられるんだろうか。
あと帯の推薦文が、漫☆画太郎と荒俣宏なのが笑った。
とりあえず奇妙なものは荒俣さんに任せておいたら大丈夫!感が。 -
なかなか興味深かったです。自然とかではなくて、人間の文化的側面の奇怪な部分を抽出している感じです。パラパラ眺めていて、気になって自然と説明を読まされる感じ。
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「奇界」である。美術大学を出て写真の仕事をする著者。長く「芸術」や「オカルト」のこの世での意義を考えていた。そこでコリン・ウィルソンが「ネアンデルタール人が滅び、現生人類のホモ・サピエンスになったのは、洞窟のなかで獲物の壁画を描き、それを槍で突くという魔術的行為を行ったから」という思想を知り、現代のラスコーの壁画を求め旅立った。
表紙は「スイ・ティエン公園」ベトナム・ホーチミン
ベトナム神話をベースにしたテーマパーク。色彩が赤、黄色、緑、茶色といかにも東南アジアだが、著者は狂ったディズニーランドと。ワニあり、寺あり、一巡すれば虜になると。
「奇態」「奇矯」「奇傑」「奇物」「奇習」「奇怪」に分け巡って出あった「奇」を紹介。
「奇態」第一番目は「中洞組」中国/貴州省
これはスゴイ! 初めて見る。洞窟の中の「村」である。家ではない。洞窟の中に個人の家や学校、役場、広場がある。洞窟なので基本家に屋根はない。しかし電気も通り、テレビも見られ、インターネットも最近できるように。貴州省の省都・貴陽から南に車で3時間、さらに山中を3時間歩くと、山の岩肌にぽっかり口が空き、そこが村の入り口。幅120m、高さ50m、奥行240m。約80人が住む。
「モンサント」ポルトガル/カステロブランコ
これは絶景写真で前に見た事があったが、本が大きいので見開きの岩に挟まれた家の写真は迫力満点。内部写真もあり、部屋の角に侵入した岩が。
「クエラップとカラヒア遺跡」ペルー/アマゾナス
チャチャボヤス(古代ケチュア語で雲の上の人々)文明。西暦800年頃、アンデス北端とアマゾンとの境の山岳地帯に発達したプレ・インカ文明のひとつ。クエラップは海抜3000m、モアイ像ににた顔の石像が岩肌に立つ。
「奇傑」
「世界の果ての博物館」アルゼンチン/ウシュアイア
これは南アメリカ南端、極寒パタゴニア、フェゴ島。今は失われたヤマナという民族の写真が展示されている。1826年ダーウィンを乗せたヴィーグル号に「発見」され子供4人を「誘拐」し英国へ連れ帰り「教育」した。3年後、彼らを通訳にしたて宣教活動や「啓蒙」を行ったが「失敗」。ヤマナとの間に戦争が起こる。その後英国の冒険家が単独で接触。「人口は3000人位、定住せず遊牧民族のように暮らす。服は着ず、寒さしのぎにクジラの脂を体に塗る。特定の統治者は無く、複数の家族で共同体を形成、獲物は平等に分配。海は女性に属するとされ、争いの際には女性シャーマンが最終決定権を持つ」と記した。が、英国人のもたらした伝染病で激減。1999年に最後の1人が死亡。・・このフェゴ島の裸の人たちの話、はるか昔、小学校の図書室の本で読んだことがあった。イラスト入りだったが、ここに映っている油脂を塗った写真とはちょっとちがう。こんな所で再会するとは。
「奇物」
「楽山大仏」中国/四川省楽山
この巨大仏像の顔がアンニュイだと記す。目つきと口元は、モナリザみたいだ。
2010.1.20初版第1刷 図書館