逃げたっていいじゃない

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767831596

作品紹介・あらすじ

逃げたっていい。

いや、逃げなきゃいけないときもある。

そして、逃げればたいていのことは解決する。

精神科医で「逃げの達人」が教える

香山流“逃げ方のコツ”

バブル以降の閉塞感あふれる現代社会の闇から
逃げ遅れて心を病む人、自殺したりする人が後を絶たない。
こうした不幸をなくすためには、兎にも角にも逃げることだ。
人間関係だけにとどまらず、SNSなどで流される噂、
同調圧力、他者の目が気になるルッキズム、
現代人が直面するさまざまな「圧力」から
軽やかに逃げる生き方を提案する。

■目次
1章 心がつらいときは逃げていい
2章 働きづらい職場から逃げる
3章 家族のうっとうしさから逃げる
4章 ジェンダー、ルッキズムから逃げる
5章 ネットの呪縛から逃げる
6章 「逃げる」は戦うことでもある

■著者プロフィール
香山リカ(かやま・りか) 1960年札幌市生まれ。東京医科大学を卒業後、精神科医となる。
臨床のかたわら帝塚山学院大学教授、立教大学教授などとして教育活動にも携わる。
豊富な臨床経験を活かして現代人の心の問題を鋭くとらえるだけでなく、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで発信を続ける。
50代になってからかねてからの夢だった総合診療医としての勉強を始め、2022年4月より、北海道のむかわ町国民健康保険穂別診療所で僻地医療に取り組んでいる。
学生時代に始めた執筆活動、週末の東京での精神科医としての臨床はいまも継続中。
北海道と東京、二拠点生活を楽しむ日々を送る。趣味は、北海道日本ハムファイターズの応援。

感想・レビュー・書評

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  • 私は今子育て中なので逃げられないけれど、趣味の世界には逃げられているかな。趣味の読書やガーデニングをしていると、心身の疲れが取れていくような気がする。香山リカさんの本を読むのもいいと思う。逃げることはマイナスのイメージだけど、時々自分に許してあげて、好きなことをして現実逃避するのも、心身の休息にはいいなと思った。

  • 人は本当に逃げられないのか?「逃げる」という言葉が「恥」を想起させてしまうが、そんなことないはずだ。
    他人から「逃げていいんだよ」と言われることで、当人にとっては救いになることがある。
    とかく現代は、頑張り過ぎな世の中だし、他人に対して攻撃的な社会だ。
    確かに昔のパワハラなどと比べれば、多少は改善しているのかもしれない。
    しかし、新たなツールであるSNSなどを通じて、見えない相手からの攻撃は、肉体的というよりも精神的なダメージの方が大きい気がする。
    「目の前の敵」であれば、見えているだけに対処のしようがある。
    相手が誰か分からずに、しかも24時間いつ攻撃されるか分からない状態では、精神的には相当に辛くなる。
    やはり「逃げたっていいんだよ」と言いたくなる。
    そんな辛い思いをして耐える必要はない。
    著者は精神科医であるが、診断し「問題だ」と思えば、通常は2ヶ月間の休暇を推奨しているという。
    これもすごく分かる。
    結局1ヶ月間程度の休暇では、ゆっくり休んだことにならないということなのだ。
    最初の1ヶ月間は、通常落ち着かないという。
    仕事の事が気になってしまうし、チーム内で自分の抜けた穴を誰かがフォローしていると思うと、申し訳なく思ってしまうのも理解できる。
    ついつい不安に感じて、メールなどを見てしまうということもあるらしい。
    確かに、それでは休んだとは言えないだろう。
    会社制度上の「休暇」と、「心を休める」とは全く違うのだ。
    本当の意味で、身体を落ち着かせ、心を落ち着かせないと、休んだとは言えない。
    それで1ヶ月経過して、ようやく2ヶ月目くらいになって、落ち着き出すのだという。
    申し訳ない気持ちではなく、「自分が居なくても、何とかなっている」ということに気が付けばそれでいい。
    決して存在が否定された訳ではない。
    所詮、会社と言うのはそういうものなのだ。
    結局誰かがフォローし合って、お互い様で何とかなるものなのである。
    それこそ、もしどうにもならなくて、部門が大きな損害を被ったり、仕事そのものが無くなったとしても、それは休んだ人のせいではない。
    部門を預かる上司の責任であるし、どこまで行ってもそれは会社の責任なのだ。
    つまり心が病んで、それでも休まず、自分を犠牲にして働くことは本当に「無意味」なことなのである。
    そもそも使いきれないほど有給休暇が余っているならば、それは普通に権利を行使すればいい。
    大手を振って、逃げればいいのである。
    現代の日本であっても、そんな単純なことが未だに出来ないでいる。
    本当に経済大国で先進国なのか?とすら感じてしまう。
    この時代にあって、今でもセクハラ、パワハラが存在し、ブラック企業が根絶されていないという状況はどういうことなのだろうか?
    ブラック企業が、社員の犠牲によって生き延びているとしたら、そういう企業は市場から退出すべきだと思う。
    従業員が健全に働いて、それで会社として利益が出せないのは、完全に経営者の責任なのだから。
    もっと気軽に精神科医の先生に相談ができる状態になるべきだし、気軽に休んで心を落ち着かせることが出来るようになればいい。
    そうして結果、今までよりも生産性が上がればいいと思う。
    嫌な気持ちで、鬱々と仕事していて、能率が良い訳がない。
    「逃げたっていいんだよ」という言葉を自分自身が持っているだけで、ほんの少し気が楽になるのではないだろうか。
    やはり心と身体の健康が、人生で一番大切なのである。
    (2023/8/13日)

  • 逃げる=とどまらない、と思う。実人生で「この場にとどまるべきでないな」と考え状況変化させ、結果正解!、が何度かある。「逃げの達人」らしい著者の考えを知りたい

    #逃げたっていいじゃない
    #香山リカ
    23/7/14出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3XPasgi

  • 久々に香山先生の著作を手に取り。タイトルが現代社会の息苦しさを表わしていますね。

    …で。どうも文体が気になり。「かもしれない」「気がします」「思います」がすごく多く感じられました。うーん、それだと論としては弱い感じが…と思っていたらあとがきで語りおろしとあったので、しゃべりから文を起こしたためだったのだなとわかりました。

    内容について。患者さんや教え子という身近な例をたくさん引いているのは分かりやすいと思いますが、結局そういう事例多いね、という羅列でそこからほんとうに「どう逃げるか」という主題に対する答えが、どうも世間話レベルのように私には感じられてならなかった。(すみません、わかりやすく簡単に、と考えられてのことなのかもですけど)
    逃げられない、逃げてはいけないと思いこんでしまっていて、まずは逃げたっていいということに気づくことが大切だ、という指摘は本当にそのとおりと思うけれども…。何かから本気で逃げたい人にとってはあんまり参考にできないのではと私は感じました。
    追い詰められたときの心の逃がし方というか、もう誰も頼れないと思ったときに自分をいっとき救う方法というか、私は少なくとも本書で自分の抱えている問題から逃げられるとは感じられなかった。
    逃げ方指南というよりは最近の世の中の話題に関する読み物として楽しめるかなと思います。



  • 全てわかってくれる彼氏が欲しいと思う女性は
    精神的に問題がある。
    女性を助けることで男性の尊厳が保たれるわけだから、
    女性を救いたいと思っている男性もある意味病んでいる


    という言葉が印象的だった。

  • 「何から逃げるのか」「何のために逃げるのか」は人それぞれの問題

    「家族のうっとうしさから逃げる」問題は 他人を介入し自分優先に意識を変えることで体調は少し改善傾向にあるかな
    罪悪感からは解放された言葉

  • 逃げても一向にかまわないと感じている。ただ、逃げるということを決める、という行為がなかなかできないのではないか。人生は決断の連続なので、その時にしっかり考えて決断したことなら、別に逃げようが前進しようがいいと思う。

  • 香山先生は東京と北海道の
    二拠点生活か。
    物理的にも逃げる場所があって
    羨ましいな。
    現代は生きにくい。

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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