原発を止めた町 新装版――三重・芦浜原発三十七年の闘い

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  • 現代書館
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768456606

作品紹介・あらすじ

原発建設計画白紙撤回を実現させるまでの闘いを地元ジャーナリストが現場から克明に描く。

感想・レビュー・書評

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  • ★苦しかった 恐かった でも戦ってよかった と私も言えるように

    読後、南島町の人たちの闘いに胸打たれると同時に、政府と電力会社に憤慨、憤慨、猛憤慨!

    三重県南伊勢町と大紀町に位置する芦浜を中部電力が1963年に原発候補地にしたことで地元は反対派と推進派に分かれ対立して、親兄弟や幼馴染・親友同士が骨肉の争いを37年間も強いられることになるのです。人生の37年間も肉親や昔仲間と敵対して生きなければならない残酷さ、やりきれない絶望の中で町の人たちは戦い通したのです。はたして自分の身の回りで起こったら私はやり通せるか。

    3・11以来、地震や原発に関する本を松岡正剛が『3・11を読む』で言及している60冊も含めおよそ300冊ほど科学・思想・小説・ノンフィクションと手にしてきましたが、その中でも特別の一冊、本書は3・11以前に強引な国策による原発建設・稼働計画を血と汗と涙にまみれて断固阻止した住民の闘いを活写した貴重な記録です。

    活断層が直下にあることからすれば、名古屋からおよそ70km、ということは原発建設が実行され地震や津波で福島級の事故が起こったら中京圏は総壊滅状態。あの松阪牛生産地の松阪は30キロ圏内で原発が稼働していたら事故がなくても風評被害で世界的ブランドが消滅していたかもしれません。

    2001年の単行本を読了済みでしたが、去る8月16日深夜 にNHK放送のドキュメンタリー「模索~原発ができなかった町で~三重県芦原」を見て、文庫本を再読したという経緯があります。映像はより強烈に迫ってきました。下記のような石碑がある町は日本中どこを探してもないと思います。

    芦原原発を止めたまち
    芦原原子力発電所設置計画が、昭和三十八年に公表されて以来、南島町は一貫して原発反対を表明。紀伊長島事件を始め、再三に亘り海上デモや抗議集会を繰り返し町民が大きな負担と苦悩を背負いながら三十七年間、原発反対を訴え続けてきた。
    「三重県に原発いらない県民署名」には、八十一万人余の県民の方々から署名を頂き、三重県知事に提出。
    平成十二年二月二十二日、県議会開会の冒頭、北川知事が「地域に混乱をもたらした責任の一旦は県にもある。芦原原発は白紙に戻すべき」と宣言され芦原原発問題に終止符が打たれた。
    この碑は三十七年の苦悩の戦いが、二度と繰り返さないことを祈念して建立する。
                     二〇〇〇・二・二二
                                  南島町

  • 企画コーナー「今、原発を考える時」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。
    貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2011/5/23-7/31】

    湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1597653

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