予防接種のえらび方と病気にならない育児法

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  • 現代書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768457771

作品紹介・あらすじ

0歳から接種が勧められる13のワクチンをひとつずつチェック。親が知っておきたい、子どもが病気にならないポイントも伝授します。50年近く小児科臨床医として子どもと親を見守りつづけてきた病原環境論の著者による"なるほど納得"のアドバイス!

感想・レビュー・書評

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  • 病気になる原因と、著者が勧める、勧めないワクチンが根拠も含め、詳しく記載。情報がまとめてある点では有用。
    ワクチン以降のに書かれてある情報、例えば離乳食は早めの方がいい、砂糖は必要な栄養素だから、我慢させる必要は無い、など、自分が知っている情報と違うことが書いてあり、疑問に思うこともあったため、星少なめ。

  • 予防接種一括反対、じゃなくて、"選び方"なので。

    予防接種バンバン打ってる人でも、比較的刺激が少なく 笑 、中立的立場よりで(そうでもないけど)入門的に読めるのではないか。


    予防接種を打たない、とした人は、なぜ打たないか、防ぐ対象の病気の背景(かかった場合の危険性、現在の流行度、発病率、ワクチンの有効率…?)などの、"打たせる側"の主張に反論する材料を持ち歩かないといけない。打つ判断をする側の親が避難されることは公にはほとんどなく、やり玉にあがるのはいつもこっち。勉強したうえで、自分の子どもは当然のこと、広く社会全体の子どもと人間の健康を考えた上の結論なのに。
    ただ怠慢で打たない人がそんなにいるのかはわからないけれど、考えたうえで「打ちません」という意思を出すための理論武装・・・に役立つこの本。

    ってかそんなに戦う覚悟を持たなくても、打たない選択をさせてほしいんだけどな。どこにあっても炎上材料になる予防接種、そう簡単にはいかないいんだろうな。



    引用、感想入り混じってのメモ・レビュー。


    著者はインフルエンザワクチン反対運動からワクチントーク全国、医療被曝提言などの活動をされており、病原環境論をとっている珍しい?小児科医であられる。

    病原環境論…聞くと違和感なく、病気は人がストレスやなんやで弱っている時のみかかる、という「自然やん」という論説だけど、実際医療現場にいると、「トンデモ論」扱いされてしまいがちなのかもな。

    p11ー 病気は弱点に出る
    ストレスをかかえていると、ウィルスが流行しているときはそのウィルスの病気になりやすいのです。
    (病気が流行していないときは)それぞれの人の弱点に病気が出てきます。

    p15 人には病気を治す力がある
    人間には生まれつき自然の治癒力があって、病気を治してしまう力があると考えるのが病原環境論です。ただ、抽象的で、具体的にはまだ完全に証明されていません。

    (ハエの例  ある種類のはえは、外から細菌が入ってくると抗生物質を分泌する・ウィルスにこうウイルス物質、がんに抗がん物質 …!)

    p20 親のストレス、子の病気
    (子どもが両親に連れられて病院にやってくる場合、1/3は子ども、1/3は親、1/3はその両方に病気がある )
    () お母さんが病気に神経質にならないで、自分の健康を保つようにすれば、子どもも病気をしなくなるのではないかと考えています。

    日本は小児専門科医が少ない。専門外の医師に、百日咳やおたふくを見落とされることがある。

    麻疹は、かかっても解熱剤を使わなければ脳症にはならない

    p36
    症状が出ない程度に、軽く病気にかけるのが予防接種の原理です。ところが、予防接種を受けてもつかない人や、副反応のひどい人がいます

    今は、ワクチンをしたあとの血清抗体を調べて、抗体が上昇していることで有効かを判断している。しかし不活化ワクチンは、生きていないウィルスなので、血清抗体が上がっても、生きたウィルスに対する免疫とはいえない。ヒブや肺炎球菌などの、細菌にたいするワクチンも効果判定が難しい

    p40
    おすすめできるワクチン
    ・有効性のあるワクチン
    破傷風トキソイド
    ジフテリアトキソイド
    MR
    水痘
    おたふくかぜ
    ・母親がB型肝炎ウィルス持続感染者の場合には必要
     B型肝炎
    ・ある程度は有効だが、有効な治療法もあるワクチン(小児専門医がいない地域でおすすめ)
    百日咳不活化ワクチン


    おすすめできないワクチン
    ・有効性がないワクチン
    BCG
    不活化ポリオワクチン
    日本脳炎ワクチン
    インフルエンザ(従来型、新型とも)
    人ぱぴろーま
    ロタ

    ・ある程度は有効だが不要
    ヒブ
    肺炎球菌
    ・必要性がないワクチン
    B型肝炎ワクチン
    A型肝炎ワクチン


    p40からのワクチン各論はすべて必読でメモしきれない

    わかりやすい! 今まで読んだ予防接種関連の本の中でももっとも根拠が書かれていて誰かに「必要ない」を言うときにここから一言添えることができる

    その中でも少しメモ…

    ロタ
    重症化を防ぐのみ。感染は防げず、5歳までにほぼ100%かかるやつや。軽症だったり不顕性もある
    かかったら上手に水分補給すれば重症化は防げる
    腸重積になる人がいる 1/数万人



    日本脳炎不活化ワクチン
    有効性の証明なし(! やっぱりだよね!がっくし。)
    日本人と日本脳炎の適応関係ができあがり、それができていない高齢者と抵抗力の落ちた人しかかからない
    ウィルスはまだ多く、不顕性感染も多い。副反応のほうが多いのじゃ!


    MR
    麻疹…かかったほうが、ワクチンを接種するより危険性が少ないのだけど、かかると世間に大騒ぎされるから、売っといてもいいかも
    麻疹患者に接触すると、99%の子どもはかかる。感染力は強い。ワクチンは鶏の胎児から作る(卵アレルギーでも大丈夫)

    風疹は女の子は中学生くらいまでに打っておくといい

    水痘
    年齢が高くなるにつれて重症化しやすくなる。1回では8%の子どもに免疫ができない。されで2回接種がすすめられている。予防接種をすると高齢化してから帯状疱疹になる率もひくくなる


    おたふくかぜ

    幼児のうちはかかってもかるくすむことが多い。おたふくかぜによるウィルス性髄膜炎が多い。難聴は幼児でもなる。4歳までは不顕性感染がおおい。髄膜炎は学童に多い。ワクチンは1回接種で80から90%、2回で99%の有効率。副反応で無菌性髄膜炎が問題。接種後2週間に発症が多く、接種後30日間は経過観察が必要。その間はほかのワクチンは摂取しない


    BCG p59
    効果の認められていないワクチンです。アメリカ、カナダ、アイスランドでは採用していません。それでも大きく結核を減らし、今は日本の1/5以下です。
    BCGは有効性の証明が乏しいですが、一般には乳児の結核性髄膜炎を80%予防する効果があるといいます。しかし、結核は予防できないし、6か月過ぎたら有効性はありません。
    結核は、死亡数こそ人口10万に対して1.7人、死亡数2110人(平成24年)に減少しましたが、いまだに新規の患者は2.4万人もいて、うち排菌者は8237人、結核患者数は5.2万人、うち活動性結核患者は1.5万人です。欧米諸国に比べて3.5~6倍の罹患率です。
    イギリスは例外で、高い

    大人から感染する病気で、子どもからは感染しません。
    (大人の対策をがんばってほしいわ)
    P59
    できるだけ小さいうちにツベルクリンを行って、陽性を見つけましょう
    だいたい5年に一回が妥当 BCGをしていると、ツベルクリンの陽性がBCGによるものか感染によるものかわからなくなる

    p103
    いけない理由を説明することが大事
    危険なことほど叱らないでください。歯科っていうことをきかせると、しかられないところ、つまり親の見ていないところでやります。そして事故につながります。

    がまんは禁句です
    子どもにも、いやだったらいやだと言いなさいと教えることが大切です。自己主張をすることで、ストレスをためないで済みます

    「楽しくやっててね」

    けんかは止める

    暴力も、言葉でのケンカも。


    離乳食は早めに

    甘いものを制限しない 食事の中で与える  





    吐き気を止めることが脱水時のポイント
    スプーンで、口から点滴するように、はかない程度少しずつ飲ませる

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著者プロフィール

1966年、慶応義塾大学医学部卒業。
1967年、慶応義塾大学医学部小児科学教室入室。
1968年、国立埼玉病院小児科勤務。
1982年、国立埼玉病院小児科医長。
1984年、吹上共立診療所所長。
2010年、堀ノ内病院小児科勤務。
2012年、すずしろ診療所所長。現在に至る。
専門は総合小児科(小児総合診療科で小児医療全般)。心療内科と総合内科を志す。
ヒポクラテスの復興を提唱する「病原環境論」または「適応説」を受け継ぎ、近代医学、特に予防接種、抗生物質、抗がん剤の限界を感じ、病気やアレルギーを予防する育て方を提唱する総合小児科医。チェルノブイリ事故以来、被ばくした子どもの支援をし、福島の子どもたちの支援も行う。
著書に『院長先生のここがまちがい小児医療』(VIENT、2003年)、『原発・放射能 子どもが危ない』(小出裕章さんと共著、文春新書、2011年)、『原発事故と子どもたち』(三一書房、2012年)、『放射線と健康 本当に私たちが知りたい50の基礎知識』(東京書籍、2013年)がある。

「2017年 『予防接種のえらび方と病気にならない育児法[新訂版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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