幕末の女医 楠本イネ-シーボルトの娘と家族の肖像

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768458242

作品紹介・あらすじ

幕末から明治にかけて生きた一人の女性「楠本イネ」。父はシーボルト、母は長崎の「たき」。様々な苦難を超えて父と同じ医師になった。「オランダおいね」として巷間知れ渡っているが、これらの話は吉村昭『ふぉん・しいほるとの娘』からの引用・孫引きが多い。この書は優れた小説ではあるものの、実像とはあまりにもかけ離れている。筆者は、楠本イネ(と娘高子)の実像を再現すべく、最新のものも含めて既出の史・資料、文献・図書を検証し、新史料も発掘し本書は書かれた。「イネと高子のの生涯が劇的であることは、ある程度は想像していたが、その生涯の波瀾万丈、その生涯の悲痛なことは想像をはるかに超えていた」と著者も述べているが、宇和島在住だからこそ発見できた諸史料を駆使して、新しいイネ像が完成した。新発見写真・地図など多数。今後イネは本書を基にしてしか語れないであろう。

感想・レビュー・書評

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  • ドラマ化されたりして、なんとなく知ってるようなシーボルトの娘。
    この本は数多い資料を照らし合わせてのノンフィクションである。
    宇和島藩というところは幕末期、とても重要な場所であった。まず藩主が、明智を持ち、海外事情や日本国という考え方を持ち、何が大事で何を知るべきかをわかっていた藩主だった。その藩主伊達宗徳、宗城らが幕末期開港を迫る海外に対して一本化できない弱体化した幕府であった当時、イギリス、フランス、ロシアを観察しながらまるでヨーロッパ人のようなもてなしをイギリス艦艇にそていたことである。
    そのスマートな対応は当時の外国士官らを感心させている。
    この宇和島藩主らと明治20年すぎまで、交流があり、陳情もできた関係性であったイネ。
    本はタキがシーボルトと出会うきっかけから始まり、その後実はシーボルトがオランダ、ドイツ、イギリスなどから日本の調査を依頼されて来日していた事実。
    幼い頃父親を亡くしたシーボルトは叔父から博学を詳しく手ほどきされた英才で、医学も学んでいたが博学も相当なものだった。。。
    当時の最新医学ができるシーボルトは、幕府からも注目される活躍をしていた。長崎出島に軟禁されてるような当時の外国人の待遇を思うと、いかに重宝されていたかがわかる。
    医療も町民を始め多数手がけたが、代金はもらわず、日本お物品をもらっていたそれが、日本の執筆にも大成する。、、、、と、実に面白い内容が次々と。
    そして、腹違いの弟、アレクサンダーとその弟ハインリヒも日本に魅せられ長く新しい政府の力になったのだ。
    五代さんまで登場!幕末、明治前半の幕府、政府に絡んでいる登場する場面数多くイネやその家族が影響を及ぼした時代でもあった!

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著者プロフィール

1952年、愛媛県宇和島市生まれ。音楽評論家・作家・宇和島市「南予文化会館館長。著書に『神宿る手』『ヴァルハラ城の悪魔』(講談社)、『水の行方』(角川書店)、シリーズ藩物語『宇和島藩』『伊予吉田藩』(共に現代書館)がある。

「2018年 『幕末の女医 楠本イネ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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