昨年12月、岸田内閣になって初の死刑執行があった。加古川の七人殺害の藤城被告が含まれており、その加古川の事件が本書に載っていた。
殺される人も、相当嫌なことを犯人にしたんじゃないの?と言う人もいるが(メトロで硫酸をかけられた被害者もそんなことをネットで言われていたらしい)、犯人が被害妄想気味で他責的なら、何の非もなくてもターゲットになり得るのだなあ、と実感した。大阪の池田小の大量殺人の犯人も他罰的で自分勝手で暴力的で、エピソードを読んでいるだけで、近くにこんな人がいたら、すごく嫌だ、と思ってしまった。
一方の側からの意見しか出されていないものは本当に心して読まなくてはいけないなあと思う。双方の意見を聞いて判断しないと見誤ることもたくさんあるだろう。
広島の神隠し事件と言われた自動車の水没も、一つの可能性としての解答が書かれていた。娘さんまで連れて行かなくても、と思った。
いろいろな事件があり、知らない事件もたくさんあったので、知識が増えてよかったが、少々感傷的で思い込みのように思える記述も多く見られた。