ホロコーストを知らなかったという嘘―ドイツ市民はどこまで知っていたのか

制作 : Frank Bajohr  Dieter Pohl  中村 浩平  中村 仁 
  • 現代書館
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768469842

作品紹介・あらすじ

ある日、突然隣人がいなくなった。戦後、ドイツ人はどんな嘘を必要としたのか?

感想・レビュー・書評

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  • あれほど大規模に行われていたはずのホロコーストを「知らない」と戦後言い続けたドイツ市民の心理とその状況に迫る一冊。

  • ナチ・ドイツによるホロコーストに言及する際に現代人に懸案である「当時の一般ドイツ人がどの程度この人類の犯罪を知り得ていたのか」という命題に、ページ数こそコンパクトながらも非常に多数の参考・参照文献からの資料を駆使し、「さほど積極的に政権に罰せられるほど行動的にならなくとも、自然に帰還兵やその家族、連合国の報道などからかなり多くの情報を入手でき、批判的に考えそれらの情報を統合する思考する姿勢さえあれば戦時中にかなりの程度概略的には知り得ることができた」ことを例示した、邦訳があるものの中ではおそらく画期的な良書である。Amazonのレビューには「内容は良いが翻訳が読みづらい」などとあるが、個人的には殆どあるいは全くと言っていいほどそれを感じなかった。つまり読みやすい部類の邦訳であったと言える。

     工業技術者、親方、看護師などと言った当時のナチ・ドイツ本国における一般的な社会的立場の者も進行中であった、最終的には恐るべき未曾有の凄惨さと犠牲者数を伴った人類の罪、人類への犯罪となったホロコーストを当時から十分知り得ながらそれをついに最後の最後、彼らの総統が敵軍に地下壕数百メートルにまで迫られ自殺するまで内部から止められなかったという史実はあまりにも重く、陰惨な絶望的な力を持って現代の我々にのしかかり圧迫してくるが、これらを痛烈な教訓として安易な排外主義、もはや非科学的な言葉になりつつある「人種」という概念に依拠した考えを捨て、利益と感情が衝突しながら利害を調整し暴力を排し、分配を行う社会の構築に向けて歩む義務がある事を教示してくれる書籍と言えるだろう。必携、かつ満点の推薦できる書籍。

  • ユダヤ人迫害に対する非ユダヤ系ドイツ人の態度に重要な役割を果たしたのは、ドイツにおける反ユダヤ主義だった。
    ユダヤ人迫害の貢献したのは密告だったが、これは相当に混乱した。なぜなら非常に個人的な利益や動機と結びついており、むしろあからさまなユダヤ人憎悪によるものだけでなかったので。
    企業の反ユダヤキャンペーンも展開された。たとえば、「ニベア購入者はユダヤ企業の支援者だ」などと印刷した黄色のシールを何万枚もばら撒いたのがライバル会社のクヴァイサ、モウゾン社など。

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