明治の快男児トルコへ跳ぶ―山田寅次郎伝

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768469859

作品紹介・あらすじ

日本・トルコの架け橋となった国際ボランティアの先駆者・寅次郎。日本人の「義」を通し、多くの文人墨客と交流。出版・製紙・茶道家元などでも活躍した、明治マルチ人間の生涯。

感想・レビュー・書評

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  • 和歌山県串本沖で起きたトルコ艦船遭難事件、エルトゥールル号事件後、トルコに義捐金を持参した山田寅次郎。
    茶の湯の家元で、実業家でもあり、日本とトルコ友好の架け橋となった山田寅次郎の生涯を描きます。
    出版・製紙・印刷業のみならず、徳富蘇峰・幸田露伴など多くの文人とも交流。
    トプカプ国立博物館に甲冑師明珍作の鎧兜、豊臣秀頼の陣太刀は、山田寅次郎がオスマン帝国皇帝に献上したもの。
    凄い人物がいたものです。

  • エルトゥールル号事件を契機に、日本各地で講演会で義捐金を募り、ついにはそれを持ってトルコに渡り、貿易に、日本から来る要人のアテンドに、スルタンをはじめとしたオスマン官界との交流を深め、日露戦争時には密かにボスポラス海峡からロシア艦隊を見張り、第一次世界大戦での日土間の関係が悪くなると帰国し、タバコを巻く紙の事業で成功し、また茶人としても流派をつぎ、身分の高い人のするものと思われていた茶道を庶民にも広めた、と八面六臂の活躍、すごい人がいたものだ、と。名が出る前の、森鴎外らとの酒飲み珍道中のエピソードはご愛嬌。以下備忘録的。/エルトゥールル号の怪我人の治療に、ジョン万次郎の息子中浜東一郎が関わっていたとは。/寅次郎の前に、野田正太郎という記者が義捐金を持ってイスタンブルに乗り込み、残り、士官3人に日本語を教え、その後数奇な運命をたどったことも初めて知る/アブデュルハミド2世から、トプカプ宮殿のおびただしい東洋美術工芸品を分類・目録作成するよう命じられたこと/トルコと日本の正式な国交は、トルコ共和國成立後、1925年に相互に大使館開設してから/アルバニア人の店で、羊の頭蓋骨に脳が入ったものを注文。またパチャをいうものを頼んだら、羊の腸、子羊の足、生々しい赤色のものなどが出てきた。/阿片は一度にやめるのは体によくない、と台湾で専売にしたため、それをトルコから送る取引に関わったこと。

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著者プロフィール

1945年、福井県敦賀市生まれ。早稲田大学仏文科卒業。夕刊紙『日刊ゲンダイ』編集部記者として30年間にわたって活動、現在はフリー。編著書に『明治時代の人生相談』(幻冬社)他。共著書に『東の太陽、西の新月』『明治の快男児トルコへ跳ぶ』(いずれも現代書館)。著書に『ポーランド孤児・「桜咲く国」がつないだ765人の命』『軍が警察に勝った日』『今ひとたびの高見順』(いずれも現代書館)など。

「2022年 『「昭和鹿鳴館」と占領下の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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