久留米藩 (シリーズ藩物語)

著者 :
  • 現代書館
4.00
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 18
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768471180

作品紹介・あらすじ

流れるな、自立せよ。攘夷・開国の争いで、藩論分かれた悲劇。維新の苦難を乗り越え、大河に対峙する心で時代を拓いた筑後の人々。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 本書は九州は筑後、有馬家21万石を扱った藩物語である。
    藩祖は有馬豊氏というが、マイナーな武将である。有馬家は播磨の名門、赤松家の一族であるが、豊氏は、遠江横須賀藩主、渡瀬家に家老として仕えていた。
    そこから累進して、一躍大大名となるのであるが、譜代の家臣が無く寄せ集めのため、家中の統制に困難を極める。また、久留米入国時に居城を普請したため、最初から財政に問題を抱えていた。
    歴代の藩主が英邁であれば救いもあるが、奇矯な藩主が続き苛政を極めたというから救いがない。
    それでも幕末に現れた名君のおかげで、藩政の改革が進んだものの夭折に伴い藩を二分する争いが始まり、攘夷派が開明派を粛清、藩政は大混乱に陥ったという。

    この久留米藩、維新後に西洋文明を受け入れた明治政府に対し、攘夷を迫ったそうである。教科書的な理解によると、尊皇攘夷がいつの間にか開国にすりかわったように見えるが、なかなか波乱があった事が本書を読んでわかった。

    いささか憂鬱な気分になるが、波乱に満ちた藩物語は面白く、反面教師という意味で民主党関係者には大変役にたつと思う。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1942年福岡県生まれ。久留米商業高校卒、トッパンアイデアセンターを経てAGIOデザイン主宰。二十代より世界を回り、中国・韓国・台湾にデザイン関係の友人多数。六十歳から北海道から沖縄まで毎年訪れ、定点観測を行う。東北被災地は二〇一二年から毎年視察する。星亮一戊辰戦争研究会顧問、
著書に『ブリヂストン 石橋正二郎伝』『十二歳の戊辰戦争』『〈三越〉をつくったサムライ日比翁助』『キリシタン武将 黒田官兵衛』『東芝の祖 からくり儀右衛門』『久留米藩』(現代書館)など多数。

「2022年 『印象派とタイヤ王』 で使われていた紹介文から引用しています。」

林洋海の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×