二本松藩: 大飢饉や御手伝普請で財政窮迫なれど、赤子生育法・不作赦免法の福祉政策にも取り組む。 (シリーズ藩物語)

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  • 現代書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768471203

作品紹介・あらすじ

大飢饉や御手伝普請で財政窮迫なれど、赤子生育法・不作赦免法の福祉政策にも取り組む。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は丹羽家十万石の二本松藩の歴史を書いた本である。

    二本松城には、「なんじの俸なんじの禄、民の膏民の脂なり、下民は虐げ易きも、上天は欺き難し」と言う碑があり、藩庁に通う役人の戒めとしたという。
    この石碑は現代の公職者にも通じるものがあるため、引き合いに出される事が多い。この碑は藩政改革をリードした岩井田昨非が設けたものであるが、本書を読むと改革自体は下級武士や農民の反発を受け頓挫している事がわかる。
    だからといって別に碑の内容が色褪せる事は無いが、引用される時は、歴史的背景に触れられる事がないので興味深かった。

    また「江戸屋敷奉公人の悲劇」も庶民の生活を垣間見る事が出来て興味深い。
    稲沢村に対し、江戸屋敷で奉公する馬の口取を一人出すよう指令があった。村入札で選ばれた伝内は、江戸に旅立つが、辛い奉公と経済的困窮により病気を患い客死してしまうのである。
    最近の江戸ブームでは明るい江戸に目を向けがちであるが、暗い面も忘れてはいけないと改めて思った。

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