重力と力学的世界―古典としての古典力学

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  • 現代数学社
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768701089

感想・レビュー・書評

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  •  あとがきに、一般的な古典力学の教科書のスタイルではなくて歴史的な経緯にそった古典力学の教科書を書きたかった、とあって、数式の並んでいるページを軽やかにすっ飛ばして読んだ私は「スミマセン」と言う他ない気分。
     著者がこの本で扱っているテーマを発展させて3冊の大部をものして話題になった時に、とても3冊は読めそうになかったので、代わりにこれを買って積んでおいたのをようやく読んだ(ちゃんと読んでないけど)。かつて重力のように遠隔で働く力というアイデアは呪術として退けられていたのが、ニュートンによって科学に取り入れられたのだ、というような話だという評判(の私解釈)に興味があった。
     とにかく、肝心の力学の話がさっぱりわからないので、この本の何をも語れないのだけれど、ひとつだけ忘れないようメモを残しておく。
     249ページから引用「この事実(注:春分点がゆっくりと動く(=歳差運動)こと)が中世を通じて関心を持たれ続けた背景には、世界は何年かすると始めに戻るというプラトンやアリストテレスも語った永久回帰説や、あるいはキリスト教の終末論と結びつけられたということがあった。歳差運動は様々に神秘的・宗教的に意味づけられてきたのである。」しかしながら、ニュートンの力学がこの歳差運動を力学的に説明することに成功すると、この現象にまとわりついていた神秘的な意味づけは解消してしまったのだ。実際、我々は歳差運動に何か神秘的な意味合いを感じたりはしない。こんなふうに、科学が人々の世界認識を確かに変えるのだということがわかった。また、ニュートンの成功はチコ・ブラーエのすばらしい質の天体観測データに端を発しているのだということも印象的。やっぱり、科学って言うのは観察があってこそなんだなぁ、とあらためて思った。

  • 少し分厚い電車の読み物としておもしろい。
    重力をはじめとする力学について、幅広い理解ができる。
    熱力学についての続編がある。

  • タイトルのとおり、この本では古典力学という「思想」がどのように生まれたかを追っている。語られるのは当時の価値観を中心としたいろいろな説の誕生の過程で、われわれが知っている物理法則に新たな彩を添えてくれる。山本義隆の本の魅力は、科学史の本であるとともに、ハードな物理学書でもあるところだが、数式を飛ばしても、その面白さは充分に理解できる。物理学に興味のある人は必読。

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著者プロフィール

1941年大阪市に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科を卒業。同大学大学院博士課程を中退。現在、学校法人駿台予備学校に勤務。科学史家。元東大全共闘代表。「10.8 山崎博昭プロジェクト」発起人。
著書として、『熱学思想の史的展開―熱とエントロピー』(現代数学社,1987;新版,ちくま学芸文庫,全3巻,筑摩書房,2008-2009)、『古典力学の形成―ニュートンからラグランジュへ』(日本評論社,1997)、『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003、パピルス賞・毎日出版文化賞・大佛次郎賞を受賞)、『一六世紀文化革命』全2巻(みすず書房、2007)、『福島の原発事故をめぐって―いくつか学び考えたこと』(みすず書房、2011)、 『世界の見方の転換』全3卷(みすず書房、2014)、『原子・原子核・原子力―わたしが講義で伝えたかったこと』(岩波書店、2015)、『私の1960年代』(金曜日、2015)、『近代日本一五〇年』(岩波新書、岩波書店、2018)ほか。

「2018年 『小数と対数の発見』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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