ENIAC神話の崩れた日

制作 : Clark R. Mollenhoff  最相 力  松本 泰男 
  • 工業調査会
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769350880

感想・レビュー・書評

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  • ENIACといえば世界初のコンピュータとして広く知られているが、実はそうではなかったという話。本当はアタナソフというアイオワ大学の教授がENIAC以前にABC(アタナソフ・ベリー・コンピュータ)という電子計算機を完成させていたのだ。ENIACの発明者のうちの一人、モークリーはアタナソフの作ったABCをアイオワ大学に見学に行き、その原理をつぶさに観察・記録し、戦時という混乱の中でアタナソフに先んじて政府の補助を得てENIACを完成させた。その原理はABCとほぼ同じものだった。(電子式内部二進法、ダイナミックメモリ、論理回路等)
    当然電子計算機の特許権抗争が起き、スペリーランド社とハニウェル社間の訴訟になった。その審理は長期に及び、結局1973年にENIACの特許が無効化された。結果、アタナソフが電子計算機の発明者となったが、世の中に彼の名を知らしめるには遅すぎた。今でも大部分の人が電子計算機はENIACが始めてだと思っている人の方が多い。
    歴史は必ずしも正義に味方するとは限らない。
    これと似た話ではあるが、電話を発明したのはグラハム・ベルであると世の中では信じられているが、よくよく調べるとベルはエリシャ・グレイの元を訪れ、彼の研究していたマイクロフォンに係るアイディアをコピーしたというのが真相らしい。それを超スピードで特許申請し、グレイより2時間早くファイルしたためベルの発明とされたらしい。(アメリカでは先発明主義なのになぜこのような結果になったのかは疑問の余地があるが。)
    ということで、次にはこの辺の事情を書いた”The Telephone Gambit"を読み返してみよう。

  • (1996.10.01読了)(拝借)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    ENIAC特許は無効である―1973年10月19日、ミネアポリス地方裁判所―ピュリッツァー賞受賞ジャーナリストが掘りおこしたコンピュータ特許をめぐる巨大企業の攻防と思惑。

  • 昔,小学校のパソコンの授業でコンピュータを習った時に世界初のコンピュータは「ENIAC」と覚えました.しかし,これを読むと実は違うとわかります.
    コンピュータの元を考えた時,アタナソフ博士の功績は素晴らしいものがあります.それと同時に開発をしていく中で大きな問題が立ちはだかった時,理論的に思考するわけでなく,ある事をして頭の中に火花が散りながらアイディアが思い浮かぶ過程にはとても驚かされました.
    特許をめぐる裁判は,話を覚えていかないと理解するのが難しいですが読み応えのあるところです.
    情報工学系の学生なら教養のためにも読んでおくといい1冊だと思います.

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