- Amazon.co.jp ・本 (529ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769800002
感想・レビュー・書評
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「撃墜王」と名を馳せた坂井三郎氏の自伝。
実際に零戦を駆り、死線をくぐり抜けた著者ならではのエピソードや白熱の空中戦が丹念に描かれており非常に読み応えがある。
決して戦争を美化するつもりはないが作品全体から清々しさを感じる。坂井氏をはじめ作中の戦闘機乗りたちがみな気持ちいい若者だからだろう。
常に死と隣り合わせの過酷な戦場。昨日までともに笑い合っていた仲間がいなくなってしまう悲しみ。様々な想いを抱えながら大空を飛翔する零戦の姿はなんとも気高く美しい、そして儚い。
戦地に散った兵士たちはみな血気盛んな若者だったこと。
彼らにもそれぞれ家族があり、人生があったこと。
現代の若者と変わらず思い悩んでいたこと。
当たり前だがつい忘れがちなことを改めて思い起こされた。
戦争ものは読むのが辛くてちょっと…という人にぜ読んで欲しい一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても評価の高い作品だという。
もしも一番最初にこの物語を読んでいたとしたら、迷わずに「面白い!!」と思っただろう。
しかし、元零戦パイロットの人たちのインタビューをもとに書かれたものを先に読んでしまっていると、どうしても目に付いてしまう部分もある。
冒頭部分に登場する場面。
入団したばかりの軍隊で下士官から受けたバットの洗礼。
どんなに理不尽な行いが平然とおこなわれていたのか。当時の軍での上下関係がよくわかるエピソードだと思う。
でも。
個人名を出す必要がここにあるのか。故人となっているであろうその人にも家族がいるのだ。
「別名をきちがい大川と言われて、海兵団じゅうのきらわれ者であったという」
この一文が、坂井さんのこの物語を書くにあたっての姿勢が出ているような気がして残念な気がした。
自伝ふうに書かれた物語なのだから、多少の脚色はあっても当然だ。
読んでいて本当に面白いし、当時の様子を垣間見ることができることもあって興味深く読むことができた。
実際にゼロ戦に搭乗し数々の激戦を戦った者にしか書けないだろう臨場感にあふれる内容は、戦闘機乗りの厳しさや孤独、苦しさや数少ない喜びを伝えてくれた。
戦争を賛美している物語ではない。
現実に起きている戦争を、戦闘機乗りとしていかに生き過ごしてきたかの物語である。
操縦に関しての細かな描写など、非常に丁寧に描かれていた。
いったん空に出てしまえば、頼れるのは自分自身しかいない。
緊迫感のある戦闘場面なども含め、日々の研鑽こそが大切だという考えがストレートに伝わってくる物語だった。 -
零戦の爆撃王が、自身の幼少期から、海軍に入り、飛行機乗りになり、中国、台湾、硫黄島での戦闘とその時の気持ちなどを書いた本。
第二次世界大戦での日本の軍部は間違っていた良いいう基本路線で、非人道的で、狂気の集団のように教わっていたが、実際個人個人は現在と変わらぬ感情をもち、苦悩しながら戦っていた事が細かく書かれている。
硫黄島から本土に戻る最終場面で、硫黄島と本土の空気(緊張感)があまりに違うことに違和感を覚えるシーンがあるが、これが本当の戦争なんだろう。
現在沖縄の基地問題で政府なドタドタしているが、沖縄戦を知っている人と、政府では埋められない溝が今でも残っていることなんなんだろう。 -
そういえば読んだの忘れていた
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米軍基地の上空で曲芸飛行をした翌日、米軍機が飛んできて落としたカプセルにはお互いの健闘を讃えるメッセージが。大平洋戦争中の数少ない騎士道精神の逸話です。
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大事二次世界大戦の中片目が見えなくなる大負傷を負っても戦闘機で飛び続けたゼロファイター、日本のエースパイロットの坂井三郎氏の自叙伝です。
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太平洋戦争戦記の世界的な傑作の一つ。