戦うコンピュータ2011

著者 :
  • 光人社
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本棚登録 : 87
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769814863

作品紹介・あらすじ

陸海空の無人ヴィークルから、個人用携帯デバイスまで21世紀の戦争を変えた"軍事革命"のハードとソフトを徹底検証。

感想・レビュー・書評

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  • コンピュータやネットワーク、センサー(いわゆるIoT?)を使った兵器についての本。
    兵器自体の説明だけでなく、それを運用する統合ネットワークや情報管理用ネットワークなど軍隊全体にかかわるものも説明しており、カバー範囲はかなり広い。
    読んでいて楽しかった。
    ある程度知識のある人向けのようで、ミリタリーか情報通信系をかじった人じゃないと読むのはつらいと思う。
    文中にも書かれているが、とにかく用語が多い。
    後ろに一覧があるが網羅しているわけではない。
    (IED=即席爆発装置とIDE=統合開発環境を勘違いして意味わからんことになった)

  • コンピューターというよりも情報通信ネットワークが現代の軍隊の必須のインフラになっている。当然といえば当然だが。本書は非常に細かく軍用のIT技術を網羅しており、現代ミリタリー・インテリジェンス入門と同じ様なスタイルで書かれている。正直なところ別に面白い本ではない。あまりにマニアックなことを書かれてもだから何?ってのが普通の反応だろう。まあ好きな人は好きなんだろう。

    C4I (Command,Control,Communications,Computer and Intelligence)がこの本のキーワードだろうか。指揮・統制・通信・コンピューターと情報とこれも普通の会社組織と変わらないといえば変わらない。よく見るPDCAサイクルはOODAループ(Observe-Orient-Decide-Act/監視ー状況判断ー意思決定ー行動)として説明されているあたりを見てもどの組織もやることは同じだ。

    元々コンピューターが発展したのが弾道計算や暗号解読そして爆発の解析だったし、インターネットやGPSもDARPAから始まって民需に転化された。逆にいまではコストの関係から民生品の軍事利用が進んでいる。確かにわざわざ軍用のコンピューターを使わなくてもソフトを変えれば対応はできる。この本が書かれた2011年当時はパナソニックのタフブックが米軍では人気だった様だ。iPhoneはアップルに技術を全て握られているためオープンソースのAndroidの方がPDAとしては好まれているそうだ。

    例えば多国籍軍に参加しようとすると共通のネットワークにつながらなければ共通の行動がとれない。ソマリアの海賊対策に自衛隊ではなく海上保安庁を作戦行動に参加させろという主張があったらしいが、法的な問題以前に情報交換ができないので難しいという結論になる。互換性の問題は他にもあり例えばチェコがスウェーデンから調達したサーブ・グリペンはチェコ空軍が入手していた最新式のサイドワインダーミサイルの管制に対応していなかった。ところが新しいグリペン用のソフトはスウェーデン国内のライセンスしか受けていない。結局スウェーデン側の負担で改良ソフトを用意することになった。

    この本の表紙に使われているのが最新式ステルス多用途戦闘機F−35のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)でヘルメット内のプロジェクターからバイザーに映像を投影しかつ色々なセンサーからの情報が融合されて表示されることから操縦者の負担が減るという。またステルス性を確保しつつも高速のデータリンクで通信・航法・敵味方識別を一体化して通信をする。できるだけ自分からは電波やレーダーを使わず、AWACSなどから情報を得るという発想の様だが現在のところ機体が重すぎ単発のエンジンでは「曲がれず、上昇できず、動けない」と散々な評価で開発は遅れ1機2億ドルと調達コストも当初予定を大幅に上回っている。

    情報ネットワークはつながらないと役に立たないがオープンになるほど脆弱性も増す。結局どんなに高度なソフトを入れても運用する人間が適当だとサイバー攻撃やウイルスの脅威は防げない。万一情報漏洩が起きた場合の被害も普通の会社とは桁違いなのに最後はモラルだのみというあたりはやはり普通の会社と同じか。

  • 広い範囲をカバーしているので調べ物のとっかかりに役立った

  • タイトルからRMAという言葉がなくなっているのに時代を感じる。
    こちらもリサーチ用に熟読した。きっとこれからもお世話になるだろう。
    しかし指導教授からは軍事的な詳細なリサーチはもういいよ、と言われてしまった。

  • 話題が幅広すぎて、じっくり読まないと理解できない。

  • C0095 およそ、コンピュータ関係ならなんでもな本です。ミサイル関係のプログラムはアセンブラ記述というのを聞いたことがあるのですが、本当だったのでしょうか。情報伝達といえば、軍楽隊もそうですよね。

  • 軍用コンピュータの話が載っている本。新人の頃、軍需産業に手を染めていた身としては、気になります。(^◇^;)

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著者プロフィール

1999年春にマイクロソフト株式会社(当時)を退職して独立。当初はIT分野で、現在は航空・軍事・鉄道といった分野で著述活動を展開中。
『丸』『航空ファン』『JWings』『JShips』『新幹線EX』『軍事研究』『世界の艦船』などに寄稿しており、特にメカニズム解説や、センサー・指揮管制・情報通信などのシステム分野を得意とする。
著書に、本シリーズの『図解入門 最新 ミサイルがよ~くわかる本』のほか、『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリー・ロジスティクス入門』『現代ミリタリー・インテリジェンス入門』(いずれも潮書房光人社)などがある。
鉄道関連では『配線略図で広がる鉄の世界』(秀和システム)で、2010年3月に第35回交通図書賞一般部門・奨励賞を受賞。

「2019年 『図解入門 最新 空母がよ~くわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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