大空のサムライ かえらざる零戦隊 (光人社ノンフィクション文庫 1)

著者 :
  • 潮書房光人新社
4.12
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (661ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769820017

感想・レビュー・書評

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  • 作者ははそれで良かったのでしょう

  • 戦争中の集団心理は偉大であり怖く感じた。死ぬ事に恐怖を感じない心理状態まで持っていく戦争の恐ろしさ。レベルは違うものの集団心理の強さを知り会社レベルでも使えるものと感じた。

  • 操縦者として一流である姿や、自身の中で軍人としてやらねばならぬことと人間としての良心の狭間での葛藤など、男としての魅力に溢れる方だと思いました。最後に敵よりも己に勝つことが一番難しいとあったのがまさにどの時代にも言えるのことだと感じました。

  • 零戦パイロットとして幾度もの死線をくぐり抜け、戦争の第一線を駆け抜け続けた筆者の自伝。
    基本的に自信家で交戦的(戦争下であり業務なので当然なのだが)な主人公に共感しづらい点もあったものの、物語後半以降部下を持つようになり、厳しい局面においても自らは不安や焦りを表に出さず、ユーモアを見せて部下の気持ちを和らげるような気遣い、(高度が高く思考力が低下する地においても)非常時でも常に冷静であるべしという筆者の心がけは勉強になった。
    印象に残ったのは敵の死にざまの描写。パイロットは飛行機から射撃するため、はじめは自分が銃撃した相手がどうなるのかを見たことがなく現実味が薄かったのだろうが、乱戦が繰り返される中では敵と目が合うような至近距離での撃ち合いになり、相手に祈るようなジェスチャーをされて撃つ直前に躊躇したことや、自分が打ち落としたパイロットが海に落ちるや否や鱶に喰われていくさまを目の当たりにしたことなどは克明に描かれており、筆者の心に強く残ったことが感じられた。
    また物語が進むごとに仲間も1人また1人と戦死していくのだが、亡くなった上司部下同僚の名前や思い出がコメントされており、軍隊の家族のような絆の強さを感じた。
    戦中にも関わらず、敵に向かって連続宙返りを披露し、翌日米軍から称賛とも取れるレターを受け取った話はなんとも粋。こんなパイロットが日本にいたんだ、と誇らしい気持ちになれた。

  • 読む価値がない…とはとても言えない作品でした。
    戦争を読み解く貴重な一冊。

  • 飛行機や空戦に関する知識がなかったので、戦闘に関する描写はぴんとこないところがあったが、それでも、己の全力でもって戦い続け、生きた坂井氏の自伝には、読んでいてはっとしたり、励まされたり、明日から頑張るぞと言う気にさせられたのである。

  • ある程度飛行機の知識がないと、戦闘シーンなどはイメージが描けないだろう。ただ、専門知識がなくとも不撓不屈の精神だけはしっかりと伝わる。


    何があっても生きることを諦めるな。そんな強いメッセージを感じた。

    米軍パイロットに配布されていた本を、日本人が読まないわけにはいかない。

    全ての人にオススメしたい。

  •  零戦ブーム元祖といわれる本。零戦のデビューから最盛期の時代に活躍した戦闘機パイロットの体験記である。
     撃墜機数を競い合うスポ根気質で、敵機を見ると「むくむくと闘志が湧いてきた」という調子で屈託がない。撃墜すれば喜び、敵搭乗員の負傷を間近に見るとひるみ、同僚の仇討ちを誓うという気持ちをそのまま書いているあたり、まるでスポーツ選手の回顧録のようだ。空の格闘戦の詳細などは剣道の試合を思わせる。
     強靭な体力、精神力、鍛錬を至上とし、悪運強く生き延びた人の記録は、文学気質の者には決して書けない事実という意味で貴重だと思う。
     ただ、著者は戦争末期の苦しい時代を戦っていないから勝者のように書けるのだという批判は留意すべきだろう。アメリカの技術開発・改良によって零戦が時代遅れになりかけた頃、著者は負傷して第一線を退いている。
     太平洋戦争前半ではアメリカの飛行機も脆弱だったこと、硫黄島で初特攻から四ヶ月も前に体当たり作戦があったことなども興味深く読んだ。
     追記: この本を読むと開戦当初、アメリカの新型爆撃機が機銃を燃料タンクに打ち込まれただけで炎上したり、搭乗員が簡単に被弾したりと、脆弱だったことがよくわかる。零戦が二十ミリ機銃を積んでいるのも画期的だったそう。
     零戦がデビュー当時としては極度に防御軽視の設計だったわけではなく、やられるたびにタンクを改良し、エンジンを強力に、搭乗員を守る背板をつけ……と迅速に進化した米機と大きく差がついたというのが妥当だと思う。終盤で出てきたF6Fヘルキャツトなんて 写真を見たらどんだけ世代が違うの、って笑っちゃうくらい初期の戦闘機と違います。
     日本も紫電改(見た目はF6Fそっくり?)など新型機を投入していたのですが、戦局の悪化により大量生産は叶わなかったそうです。

  • とある人に『永遠の0』を読んだと話したところ、私を“零戦オタク”だと思ったらしく、この本を読むべきだと…
    そう、その人は“戦闘機・戦艦オタク”だったのです。

    注:ちなみに私は“ミリオタ”ではありません。

    この本は実際の零戦パイロットが記載した回顧録で、著者は永遠の0にも登場してきます。
    いわゆる「物書き」でない人の文章は読みづらく、さらに700ページ弱もありとても疲れるので、違う文庫本と交互に休み休み読みました。
    が、
    永遠の0の中のラバウル戦までは、この坂井さんの話がオリジナルなので「史実としてそうだったのかぁ」と答え合わせをするような楽しみ方があります。

    ・零戦の離陸~着陸の操縦法
    ・機銃の狙いのつけ方(7.7ミリと20ミリで違うらしい)
    ・米エアコブラとの戦闘方法
    ・英スピットファイアとの戦闘方法

    あか~ん!
    本当に“零戦オタク”になってしまう!w

  • まさにサムライ。誇りに思う。記憶力もすごい。

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