大空のサムライ かえらざる零戦隊 (光人社ノンフィクション文庫 1)
- 潮書房光人新社 (2003年5月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (661ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769820017
感想・レビュー・書評
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作者ははそれで良かったのでしょう
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戦争中の集団心理は偉大であり怖く感じた。死ぬ事に恐怖を感じない心理状態まで持っていく戦争の恐ろしさ。レベルは違うものの集団心理の強さを知り会社レベルでも使えるものと感じた。
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零戦パイロットとして幾度もの死線をくぐり抜け、戦争の第一線を駆け抜け続けた筆者の自伝。
基本的に自信家で交戦的(戦争下であり業務なので当然なのだが)な主人公に共感しづらい点もあったものの、物語後半以降部下を持つようになり、厳しい局面においても自らは不安や焦りを表に出さず、ユーモアを見せて部下の気持ちを和らげるような気遣い、(高度が高く思考力が低下する地においても)非常時でも常に冷静であるべしという筆者の心がけは勉強になった。
印象に残ったのは敵の死にざまの描写。パイロットは飛行機から射撃するため、はじめは自分が銃撃した相手がどうなるのかを見たことがなく現実味が薄かったのだろうが、乱戦が繰り返される中では敵と目が合うような至近距離での撃ち合いになり、相手に祈るようなジェスチャーをされて撃つ直前に躊躇したことや、自分が打ち落としたパイロットが海に落ちるや否や鱶に喰われていくさまを目の当たりにしたことなどは克明に描かれており、筆者の心に強く残ったことが感じられた。
また物語が進むごとに仲間も1人また1人と戦死していくのだが、亡くなった上司部下同僚の名前や思い出がコメントされており、軍隊の家族のような絆の強さを感じた。
戦中にも関わらず、敵に向かって連続宙返りを披露し、翌日米軍から称賛とも取れるレターを受け取った話はなんとも粋。こんなパイロットが日本にいたんだ、と誇らしい気持ちになれた。 -
読む価値がない…とはとても言えない作品でした。
戦争を読み解く貴重な一冊。 -
飛行機や空戦に関する知識がなかったので、戦闘に関する描写はぴんとこないところがあったが、それでも、己の全力でもって戦い続け、生きた坂井氏の自伝には、読んでいてはっとしたり、励まされたり、明日から頑張るぞと言う気にさせられたのである。
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ある程度飛行機の知識がないと、戦闘シーンなどはイメージが描けないだろう。ただ、専門知識がなくとも不撓不屈の精神だけはしっかりと伝わる。
何があっても生きることを諦めるな。そんな強いメッセージを感じた。
米軍パイロットに配布されていた本を、日本人が読まないわけにはいかない。
全ての人にオススメしたい。 -
とある人に『永遠の0』を読んだと話したところ、私を“零戦オタク”だと思ったらしく、この本を読むべきだと…
そう、その人は“戦闘機・戦艦オタク”だったのです。
注:ちなみに私は“ミリオタ”ではありません。
この本は実際の零戦パイロットが記載した回顧録で、著者は永遠の0にも登場してきます。
いわゆる「物書き」でない人の文章は読みづらく、さらに700ページ弱もありとても疲れるので、違う文庫本と交互に休み休み読みました。
が、
永遠の0の中のラバウル戦までは、この坂井さんの話がオリジナルなので「史実としてそうだったのかぁ」と答え合わせをするような楽しみ方があります。
・零戦の離陸~着陸の操縦法
・機銃の狙いのつけ方(7.7ミリと20ミリで違うらしい)
・米エアコブラとの戦闘方法
・英スピットファイアとの戦闘方法
…
あか~ん!
本当に“零戦オタク”になってしまう!w -
まさにサムライ。誇りに思う。記憶力もすごい。