最悪の戦場に奇蹟はなかった 新装版: ガダルカナル、インパール戦記 (光人社ノンフィクション文庫 19)

著者 :
  • 潮書房光人新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769820192

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  • ガダルカナル、インパールと太平洋戦争の中でも過酷な戦場を生き抜いて来た一兵卒の手記。
    本書の最終章は戦後英軍の俘虜としてビルマで過ごした日々が描かれている。戦場をはなれると、俘虜逃亡防止策の一環として演芸舞台を手掛ける著者をはじめとして、役者として才能を発揮する者、裁縫を得意とする者、易学の本職など多彩な人々の顔を改めて知ることができた。ガ島、インパール編でも著者の筆致は人間味をよく描き出していたが、戦場を離れることで、この悲惨な戦争に参加していたのは、戦争がなければごく普通の人だったのだ…と思わせられた。

  • 将校ではない一歩兵の生々しい戦記にもかかわらず、どこかカラッとしていて嫌な読後感はない。著者の人柄もあろうか、至る所に正視に堪えない記述があるが、最悪の戦場の極限状態では普通の感覚なのだろう。戦時中にこれでもかと戦意を煽り立て、戦後あっという間に掌を返した某新聞社のように、平時の今になって戦時の行いを上から目線で叩くのは卑怯だ。そんな奴らの社説より、この手の記録の方がよほど平和に貢献する。著者が最後に述懐しているように、「人類は戦争などしちゃいかん」のである。これ以上説得力のある発言もあるまい。

  • インパール作戦の体験記を読むのはこれで3冊目だったけど、他の本同様重い部分もあるけど、驚くくらい笑わせてもらった。
    著者の方がゴロツキ集団と仰っているとおり、元気な時の血気盛んな様子はとても面白いです。

    決してつらくなかったわけではないと思うし、もしかしたら多くを飲み込んでいるのかもしれない。でもこの著者の方、性格的に明るく面白い方なんだと思う。どんな状況でも強く、出来るだけ楽しんで生きようという気概が伝わってくる。

  • (欲しい!/文庫)

  • 4769820194 478p 1993・8・17 

  • ガダルカナルとインパール、激戦を二度味わった著者の自らの体験を綴った作品です。タイトル、サブタイトルから、かなり悲惨な内容なんだろうと想像しがちですが、意外にも苦労話をおもしろおかしく書いてる部分も多く、最初から最後まで悲壮感満載って訳ではないです。前線の意外な面を垣間見ることもでき、貴重な戦争体験談だと思います。

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