奇蹟の飛行艇 新装版: 大空に生きた勇者の記録 (光人社ノンフィクション文庫 150)

著者 :
  • 潮書房光人新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769821502

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  • 本当に根っからの飛行機野郎という感じの作者がまえがきで述べる「ふたたび私と同じような道を、これからの若い人たちに歩いてもらいたくはない。」という言葉が重い。

  • 旧海軍の大型飛行艇、それも、二式大艇ではなく、97式を駆って先の大戦を生き抜いた男の話。
    空の戦記物を読んで、戦闘機、艦上攻撃機、急降下爆撃機、陸上爆撃機などの機種の搭乗機を読んで、最後に行き着いたのがこれ。
    皆さんのレビューを読み、そんなに見所があるのだろうかと半信半疑で読んだところ、引き込まれました。
    なんと言うか、攻撃兵器としての飛行機は、戦闘機であれ、攻撃機であれ、最大の目的は戦闘。それに対し、輸送機としての任務は、人、物を無事に運んでナンボのものであることもあるのか。
    前書きに、歌手の藤山一郎氏が寄稿していることには、のっけから驚きました。
    機長である筆者と、乗り組みの隊員たちは良い関係で死線を生き抜いた。訓練での事故、輸送任務中の会敵時の対処。人間頭で思っていてもこのような論理的な行動をとれるものではない。おそらく平時から、いろいろな想定を研究してきた結果だと思われます。
    第二航空廠でのテストにおいても事故寸前の状況が描かれています。
    人の上に立つには、卓越した飛行技術、曲がらない信念と、部下たちが命を預けられると思えるような、統率する言葉が欠かせない。
    鈍重なはずの飛行艇が、特別に機銃を積んだときに敵機と戦い、爆弾をもって飛んだときに敵潜水艦を攻撃し、なにも武装がないまま輸送任務中に敵機に襲われた時にも切り抜けています。

    筆者の父が、「生きて長らえること、それが国家へ尽くす武人の道だと思っている。」と語るシーンが印象に残りました。

  • 北出大太氏著。九七大艇に搭乗し南方の前線への物資輸送や孤立した部隊の救助などの活躍を北出氏と搭乗員を描きます。山越えの救助作戦や敵水戦との空戦など、その時の空気感が伝わる様な表現力でドラマチックに綴られます。お台場の二式飛行艇を見ておけばよかった。

  • 一気に読んでしまいました。戦記はたくさん読みましたが、潜水艦を撃沈したようすが書かれているのを見たのは初めてです。鈍重な飛行艇で敵機グラマンを撃墜してしまったというのにも驚きです。どうやったら撃墜できるのか不思議でしたが、緻密な計算があってのこと。すごいです。

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