本当の戦車の戦い方―陸上自衛隊の最前線を描く (光人社NF文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769826859

感想・レビュー・書評

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  • 978-4-7698-2685-9  270p 2011・5・22

  • ●:引用
    ●変化する戦闘環境と陸自のMBT 筆者のイメージに近い将来戦車(戦闘車両)は、現在米陸軍が実用試験を行っているストライカー車両の一バージョンMGS(Mobile Gun System)搭載戦車である。ストライカー車両は、アフガニスタンやイラクのようなLICを想定して開発された。
    ●スマートMBT”ヒトマル”進化論 10式戦車を装備する戦車部隊内ではネットワーク・システムが機能するが、協同する普通科部隊、特科部隊、AH、空自機などとのリンクはこれからの課題だ。10式戦車の登場は、例えて言えば、イージス艦が単艦でポツンと出現したようなものである。イージス艦の卓越した機能を発揮するためには、関連するネットワークの整備が急務であり、不可欠である。ネットワーク・システムの究極の姿を想像すると、PKFとして海外に派遣された戦車に対して、統合幕僚総監部の指揮所で各戦車に直接指示・命令することができる。このことは、自衛隊の指揮や戦い方を根本的に変える、革命的な変化である。航空自衛隊はJADGEシステムで、ミサイル防衛を含めた防空システムを一元的に運用している。海上自衛隊は作戦レベルでMOFシステムと衛星通信を併用して、自衛艦を一元的に運用している。各艦艇には専用の端末が配備されている。10式戦車のネットワーク・システムは、現時点では眇たる一石に過ぎないが、将来的には陸上自衛隊を一元的にに指揮するシステムに大化けする可能性を秘めている。
    ●LICの戦場はチームの戦いである。戦車、歩兵、砲兵、攻撃ヘリ、空軍機が一体として戦うためには、ネットワークで相互にリンクしていることが不可欠である。島嶼の戦闘では、火力拠点/動くトーチカとして120ミリ戦車砲による対舟艇射撃、対へり射撃、着上陸侵攻部隊に対する機動打撃の中核・切り札として、10式戦車の活用の機会が多くある。また、島嶼の戦闘は陸海空の統合作戦であり、米軍との連合作戦である。海自、空自、米軍との連携や情報の共有が不可欠である。10式戦車のネットワーク・システムを拡大発展させると、これらとのリンクが可能となる。

  • シミュレーション小説に不肖・宮嶋が出てるw

  • 中身と題名がちょっとずれてるイメージ。もう少し戦術論に焦点の有る本だと思っていた。しかし、本書は自衛隊の機甲科の概観であり今後の行く末を提言する本であった。で、あるなら題名はもう少し違うものにしてほしかった。期待したのが戦車の運用法であり、戦術論だったのでこのような行政的政策的な部分が多いことが気になる。とはいえ、途中にあった戦記などはできもよいし、筆者の体験に裏打ちされた提言ではあるので内容はよい。この、題名と内容の乖離だけが気になる本であった。

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プロフィール

1945年、広島県生まれ。1968年、防衛大学校(12期)卒業後、陸上自衛隊入隊。以降、第2戦車大隊長、第71戦車連隊長、富士学校機甲科部副部長、幹部学校主任研究開発官などを歴任して2000年に退官(陸将補)。退官後はセコム株式会社研修部で勤務。2008年以降は軍事史研究に専念。主な著書は『戦術の本質』『戦車の戦う技術』(サイエンス・アイ新書)、『自衛官が教える「戦国・幕末合戦」の正しい見方』(双葉社)、『戦術学入門』『指揮官の顔』『ある防衛大学校生の青春』『戦車隊長』『陸自教範「野外令」が教える戦場の方程式』『本当の戦車の戦い方』(光人社)。

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