アルジャーノンに花束を [英語版ルビ訳付] 講談社ルビー・ブックス

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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784770023728

感想・レビュー・書評

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  • アルジャーノンは主人公でなく、 実験に使われた白ネズミのことだった。

    手術によって知能指数68の白痴から、 天才になった主人公チャーリー。

    一人称で書かれているこの本。
    文体が徐々に変化していく所では、 自分が読者というより、 研究報告書を読んでいる1人の研究員のような錯覚に陥る。

    頭が良くなれば、 みんなの仲間に入れてもらえる、 母親からの愛情を受けることができる

    そう信じていたのに、
    天才になって仲間だと思っていた人々の 同情、憐れみ、馬鹿にする態度、
    を知り、さらに孤独になるチャーリー。

    白痴の自分も、天才になった自分も
    同じであることを、ひたすらに訴える。

    1人の人間であること。

    手に入れた最高知能が再び消えていく時に、チャーリーは何が大切なのか気付く。

    そして、彼がまた白痴に戻った時に
    「世界の全てを知りたい」と願うのは
    皮肉で、切ない。


    後半は、読むのが苦しい。

    チャーリーの苦悩、絶望が流れ込む。
    だけど、知らないといけない。
    そして、私達は考えなくてはならない。
    答えは簡単に出そうにないけれど、
    ずっと考えなくてはならないのは確かだ。

  • 中学生か高校生のときに購入したのを、先日実家に帰ったときに発掘。英語の勉強がてら読んでみた。もともと話自体は好きだったためスラスラと読むことができた。
    「賢くなりたい」という気持ちや、中盤以降の徐々に知能が失われていく苦悩の描写を通して、考えることや知性ってなんだろうなと考えてしまう。自分が賢くなることにあこがれているからというのも大きいけど。

    ところで最近大型の書店にいってもルビつきの本がなかなか見つけられない。自分としては対訳の本よりも読みやすいと思うのだけど、人気がなかったのかな。ちゃんとルビなしで原書で読めるようになりたい。

  • とても読みやすかった!
    読み始めはまあまあかな‥なんて印象だったものの、途中からどんどんと面白くなり、比較的短い日数で読み切ることが出来た。

    賢いこと・人より知的に優れていることが必ずしも幸せに繋がるとは限らないこと、
    知識がついて賢くなればなるほどに、他のことに無頓着になるということ、

    これについて学ぶことのできた一冊。

  • アルジャーノンに花束を読んだ方々。日記の書き方で知能レベルがわかるこの作品、原作(英語)ではどんな風に書かれていたんだろうと気になりませんでしたか?
    確かに気になるけど英語そんなに自信ないし・・・そんな人にお勧めなのがこの本です。
    行間にはルビ用のスペースがあり、単語や慣用句にはルビで意味が、スペルミスには正しいスペルが書かれていて、いちいち辞書を調べなくても英文を読み進めていけます。いきなりこれからでは多少厳しい可能性もありますが、日本語版を読んだことのある方であれば中学卒業〜高校程度の英語力でだいたい読める内容となっています。
    もし書店で見かけたらパラパラとめくってみることをお勧めします。

  • 「アルジャーノンに花束を」自体を読むのが初めてだった。英語で長編を読むのも初めてだった。でもストーリーにのめり込んで目標よりずっと早く読み終わった。英語が苦手な自分が英語で書かれた物語で感動して泣くとは思わなかった。

    低い知能のCharlieから賢くなり、ラストへ向かう。この強烈な変化のグラデーションがすごかった。読んでいるうちに、主人公含む登場人物を好きになったり、嫌いになったり、かと思えば別れが惜しくなったり、自分との関係性がどんどん変わっていくのがわかった。

  • 人が持つこころと知性の関係について考えさせられた。
    こころは人の知性やスペックなんかよりももっと根源的なもので、幼い頃から育まれてきた感情や愛情が、その人の知性の在り方を決定付けるのかなと。

    物語後半で印象的だったのは、愛情を与え、受け取る能力を持たない人間にとって、知性は精神の破壊をもたらすというチャーリーの仮説。
    知性は時には人本来の感情すらも頭の隅っこに追いやってしまう。
    幼い頃から十分な愛情を受けずして育ち、愛情の与え方も受け取り方も知らないチャーリーに、知性は孤独しかもたらさなかったのはなんとも切ない話だと思った。

  • 英語の勉強のため、ルビ訳の英語版『アルジャーノンに花束を』を読んでみた。いちいち辞書を引かなくていいので、洋書だけどすらすら読める(それでも1ヶ月以上かかったけど)。
    ところで『アルジャーノンに花束を』は、その手術によって天才になる知的障害者による日報という着想も秀逸だけれど、主人公が天才になってゆくのとさらにその先の心理描写が常人ではできないのではないかと思えるものであった。えもしれぬ感動を味わえるSF小説。

  • 障害のため、6歳児程度の思考力しかない、32歳の主人公。手術で“超天才”に変貌するも……。頭が良くなりすれば、人生うまくいくんだと、私も思っていました。

  • 考えさせらる

  • 人間は知能が高いと幸せなのかーそんな知性と感情の変化を巧みに表現した作品です。過去に日本語で読んで感動したその小説は、英語ではどう書かれているのでしょうか。ルビ訳付で英語力が低くても読めます。(よっしーさん)

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