対訳・代表的日本人

著者 :
  • 講談社インターナショナル
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784770029287

感想・レビュー・書評

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  • ようやく読めた。
    内村鑑三が明治の時に、日本人とはこうだと英語で直接海外に伝えた著。選ばれたのは、「西郷隆盛」「上杉鷹山」「二宮尊徳」「中江藤樹」「日蓮上人」の五人。それぞれ聖人というか、日本における徳とは何かを伝えようとしているように感じる。
    本当にざっくりと言うが、自己を捨てて他の人、社会、身近な何かのために生きた人たちの利他の生き方をまとめたように思う。
    見開きで英語の原文が載っていたのも面白かった。

    ・地古く、山高く
    夜よりも静かなり
    人語を聞かず
    ただ天を看るのみ
    ―西郷隆盛

    ・子供には自分の知恵がない。だが、母はこの要求を汲み取って世話をする。それは真心があるからである。真心は慈愛を生み、慈愛は知恵を生む。真心を尽くしさえすれば、できないことはない。役人は、民に対して母のように接しなければならない。民を慈しむ心さえあればよいのであって、自分の力不足を嘆くことはない。

    ・「民に愛を与えれば」、自ずと富がもたらされる。「ゆえに君子は木を思って実を得る。小人は実を思って実を得ない」。
    ―上杉鷹山

  • 1か月半くらい「読みたいなぁ~」と思いながら、読まずに持ち運んでいた。
    読み始めたら、これが面白いのだ。「徳を学び、徳を実行した者たち」について、内村鑑三のキリスト教的観点から好き勝手に論じた本だった。
    内村の考えは置いておいて(あと日蓮も置いておいて)、私も徳行を実行したい…もっと世のため人のため(内村的には天のため)に生きたい…と思わされた。単純な読者である。
    あとは、内村の主観がバリバリ入っているので、同じ人物について他の観点から記述している本も気になってくる。西郷隆盛や上杉鷹山あたり、いろいろと当たってみたい。西郷は高校でみっちり勉強した日本史で絶対に学んでいるのに、名前と西南戦争しか分からないし…

  • 内村鑑三が英文で世界に紹介した日本人5人
    西郷隆盛、中江藤樹、二ノ宮尊徳、日蓮、上杉鷹山
    この本を読んで、はじめて彼らの凄さがわかりました。
    どうして現代教育ではこうした人物をとりあげないのだろう。

  • 1908年に“Japan and the Japanese”として刊行された本書は,クリスチャンであった内村氏により英語で書かれ,西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮上人ら5人を世界に紹介し,当時大きな反響を得たといわれます。対訳式で編集されていますので,オリジナルの英文と比べながら読むのも面白いでしょう。

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著者プロフィール

1861年生まれ、1930年没。思想家。父は高崎藩士。札幌農学校卒業後、農商務省等を経て米国へ留学。帰国後の明治23年(1890)第一高等中学校嘱託教員となる。24年教育勅語奉戴式で拝礼を拒んだ行為が不敬事件として非難され退職。以後著述を中心に活動した。33年『聖書之研究』を創刊し、聖書研究を柱に既存の教派によらない無教会主義を唱える。日露戦争時には非戦論を主張した。主な著作は『代表的日本人』、『余は如何にして基督信徒となりし乎』など。
佐藤優
作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。現在は、執筆活動に取り組む。著書に『国家の罠』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。おもな著書に『国家論』(NHKブックス)、『私のマルクス』(文藝春秋)、『世界史の極意』『大国の掟』『国語ゼミ』(NHK出版新書)など。『十五の夏』(幻冬舎)で梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。ほかにも著書多数。

「2021年 『人生、何を成したかよりどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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